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システムキッチンのコンセントを後付けしたいと考えている方は多いはずです。
調理家電の種類が増えるにつれて、コンセントの数が足りないと不便に感じます。
毎日使う場所だからこそ、スムーズに家事を進めたいものです。
延長コードを使えばいいと考える人もいるでしょう。
しかしながら、水や熱を扱うキッチンでは安全面の懸念があります。
そこで、システムキッチンのコンセントを後付けするメリットや具体的な方法について詳しく解説します。
費用や注意点を知ることで、失敗のないリフォームが可能になります。
分電盤からの配線やブレーカー対策など、専門的な内容も分かりやすくお伝えします。
賃貸物件での対応や、DIYに関するルールも取り上げています。
この記事を読めば、理想的なキッチンの環境づくりに役立つはずです。
この記事でわかること、ポイント
- システムキッチンのコンセントを後付けする際の費用相場
- 分電盤から専用の配線を引く必要があるケースの基準
- 家事動線を考慮した使い勝手の良いコンセントの配置
- キッチン家電の同時使用によるブレーカー落ちを防ぐ方法
- 賃貸物件で電気工事を検討する際の注意点とトラブル対策
- 延長コードの危険性や水回りにおける漏電対策の重要性
- 電気工事士の資格が必要な理由と信頼できる業者の探し方
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もくじ
システムキッチンのコンセントを後付けする費用
ポイント
- パターン別の増設費用
- 分電盤からの配線が必要な場合
- 使い勝手の良い配置とは
- ブレーカーが落ちるのを防ぐには
- 賃貸物件で工事をする際のポイント
パターン別の増設費用

システムキッチンのコンセントを後付けする際、工事の内容によって費用は大きく異なります。
現在の配線状況や、新たに設置したい場所の条件が影響するからです。
まずは、どのようなパターンがあるのかを把握しておきましょう。
代表的なのは、既存の配線から分岐させる方法と、分電盤から新たに専用回路を引く方法です。
それぞれの相場を知ることで、予算の計画が立てやすくなります。
既存の配線を分岐させる工事の費用
近くにある既存のコンセントから配線を分岐させる方法は、比較的安価に施工できます。
目安として、1万5,000円から3万円程度で収まることが多いです。
この方法は、大掛かりな配線工事を伴わないため、工期も短く済みます。
数時間で作業が完了するケースも珍しくありません。
ただし、大容量の電力を消費する家電を同時に使うと、ブレーカーが落ちやすくなるというデメリットがあります。
スマートフォンやタブレットの充電、ハンドミキサーなど、消費電力が少ない機器を使う場合に向いています。
一方で、電子レンジや炊飯器などの加熱機器を繋ぐ予定なら、この方法は避けるべきでしょう。
既存の回路に過度な負担がかかると、発熱や火災の原因になることも考えられます。
安全性を最優先にして、用途に合った工事を選ぶことが求められます。
差し込み口の数を増やすだけの費用
すでにコンセントはあるものの、差し込み口の数が足りないという場合もあるでしょう。
たとえば、2口のものを4口や6口に変更する工事です。
このケースでは、配線を新しく引く必要がないため、費用は5,000円から1万円程度と最も安く抑えられます。
部材代とわずかな作業費のみで済むためです。
しかしながら、差し込み口が増えても、回路全体の電力容量が増えるわけではありません。
全体で1500Wという上限を超えないように注意しながら使う必要があります。
もし消費電力の大きい家電を複数同時に使うなら、差し込み口を増やすだけでは根本的な解決にはなりません。
用途を見極めた上で、どの工事が適切かを判断してください。
隠蔽配線と露出配線の違い
コンセントを新設する際、配線を壁の中に隠すか、壁の表面を這わせるかによっても費用が変わります。
壁の中に隠す「隠蔽配線」は、見た目がすっきりと美しく仕上がります。
しかし、壁や天井の裏に配線を通すための手間がかかるため、費用は割高になりがちです。
建物の構造によっては、壁に穴を開けて修復する作業が加わるため、数万円の追加費用が発生するかもしれません。
対照的に、壁の表面にモールと呼ばれるカバーを取り付けて配線する「露出配線」は、費用を抑えられます。
配線が目に見える形になりますが、工事の手間が少なく、短時間で終わるのがメリットです。
予算と見た目のどちらを優先するかによって、配線方法を選択すると良いでしょう。
電圧を切り替える工事の費用
海外製の大型食洗機や、高出力のIHクッキングヒーターを導入する場合、200Vの電源が必要になることがあります。
日本の一般的な家庭用電源は100Vであるため、電圧の切り替え工事を行わなければなりません。
分電盤まで200Vの電気が来ている単相3線式であれば、切り替え工事の費用は数千円から1万5,000円程度で済みます。
もし単相2線式という古い規格の場合、電柱から家への引き込み工事からやり直す必要があります。
そうなると、10万円以上の費用がかかる大掛かりな工事になるかもしれません。
ご自宅の分電盤がどちらの規格に対応しているか、事前に確認しておくことが大切です。
不明な場合は、電気工事の専門業者に見てもらうのが確実といえるでしょう。
| 工事のパターン | 費用の目安 | 主な特徴と注意点 |
|---|---|---|
| 既存配線からの分岐 | 1.5万円〜3万円 | 安価で手軽だが、大電力の家電には不向き。 |
| 差し込み口の増設 | 5,000円〜1万円 | 配線工事不要だが、全体の容量は変わらない。 |
| 分電盤からの専用回路 | 3万円〜5万円 | 消費電力の大きい家電を安全に使える。 |
| 電圧の切り替え(200V) | 数千円〜1.5万円 | IHや大型食洗機に必須。単相3線式が必要。 |
分電盤からの配線が必要な場合
システムキッチンのコンセントを後付けする際、安全に家電を使うために専用回路が必要になるケースがあります。
専用回路とは、分電盤から直接1つのコンセントまで独立して引かれた配線のことです。
他のコンセントと電力を分け合わないため、ブレーカーが落ちるリスクを大幅に減らせます。
キッチンには消費電力の大きい家電が集中しているため、専用回路の恩恵を最も受けやすい場所と言えます。
どのような状況でこの工事が必要になるのか、詳しく見ていきましょう。
専用回路が推奨される家電製品
私の視点では、消費電力が1000Wを超える家電製品には、専用回路を設けるのが理想的です。
代表的なのは、電子レンジ、オーブントースター、炊飯器、IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機などです。
これらの機器は、動作時に大量の電力を一気に消費します。
もし既存の配線から分岐したコンセントで、電子レンジと炊飯器を同時に使ったと仮定します。
一般的な回路の容量である1500Wを簡単に超えてしまい、すぐにブレーカーが落ちてしまいます。
毎日の料理中に突然電気が止まるのは、非常に大きなストレスになるはずです。
調理家電を快適かつ安全に使用するためには、分電盤からの独立した配線が欠かせません。
特に新しいシステムキッチンを導入する際は、将来的な家電の増加も見据えて回路を計画するべきです。
分電盤の空き状況の確認
専用回路を引くためには、分電盤(ブレーカーボックス)に新しい回路を接続するための空きスペースが必要です。
分電盤のカバーを開けると、小さなブレーカー(安全ブレーカー)が並んでいるのが見えます。
その中に、スイッチがついていない予備のスペースがあれば、新しい回路を増設できます。
空きスペースがある場合の工事費用は、おおよそ3万円から5万円程度が相場となります。
配線を引く距離や、壁の中を通すか表面を這わせるかによって費用は変動します。
見積もりを取る際は、どのようなルートで配線するのかを業者としっかり打ち合わせましょう。
空きがない場合の分電盤交換
もし分電盤に予備のスペースがない場合は、どうすればよいのでしょうか。
このとき、分電盤の横に小さなボックスを取り付けて、回路を増設する方法があります。
これなら、数千円から1万円程度の追加費用で対応できることが多いです。
しかし、分電盤全体が古くなっている場合や、契約アンペア数が不足している場合は、分電盤本体の交換が必要になることもあります。
分電盤の寿命は一般的に13年から15年程度とされています。
古い分電盤は漏電やショートのリスクが高まるため、リフォームを機に新しいものに交換するのは賢明な判断です。
分電盤の交換費用は、本体代と工事費を合わせて5万円から10万円程度を見込んでおきましょう。
隠蔽配線の難易度と建物の構造
分電盤からキッチンまで配線を引く際、壁の中や天井裏を通す隠蔽配線を希望する方は多いです。
見た目が美しく、掃除の邪魔にならないからです。
とはいえ、建物の構造によっては隠蔽配線が非常に難しいケースもあります。
たとえば、コンクリート造のマンションや、壁の中に断熱材がぎっしり詰まっている住宅などです。
配線を通す隙間がない場合、やむを得ず露出配線を選択するか、壁を一度剥がす大掛かりな工事になります。
事前に現地調査を行い、プロの目で配線ルートを確認してもらうことが不可欠です。
経験豊富な業者であれば、目立たない場所にモールを配置するなど、美しい仕上がりの提案をしてくれます。
専用回路が必要な主な家電
- 電子レンジ・オーブン(約1000W~1500W)
- 炊飯器(約700W~1300W)
- IHクッキングヒーター(約1400W~3000W以上)
- 食器洗い乾燥機(約1000W~1300W)
- 電気ケトル(約1000W~1300W)
使い勝手の良い配置とは

システムキッチンのコンセントを後付けする際、どこに設置するかが満足度を大きく左右します。
適当な場所につけてしまうと、結局延長コードが必要になったり、コードが邪魔で調理しにくくなったりします。
家事動線を考慮し、最適な配置を見つけるためのポイントを解説します。
実際の調理風景をイメージしながら計画を立てるのが成功の秘訣です。
家事動線をスムーズにする配置の考え方
キッチンでの作業は、冷蔵庫から食材を出し、洗い、切り、加熱し、盛り付けるという一連の流れで進みます。
この流れを妨げない場所に電源を確保することが重要です。
たとえば、ハンドミキサーやフードプロセッサーは、調理台(ワークトップ)の上で使います。
そのため、調理台の近く、手が届きやすい位置にコンセントがあると非常に便利です。
また、炊飯器や電気ケトルなど、蒸気が出る家電は、換気扇の下や引き出し式の棚(スライドテーブル)に配置するのが一般的です。
それぞれの家電を「どこで」「どのように」使うかをリストアップし、必要な位置を割り出しましょう。
高さがもたらす利便性と安全性
配置を考える際、高さの調整も忘れてはいけない重要な要素です。
床に近い低い位置に設置すると、抜き差しのたびにかがむ必要があり、腰に負担がかかります。
調理台で使う小型家電のためのコンセントなら、床から100cm前後の高さが使いやすいとされています。
ちょうど手元に電源があるため、コードがたるんで食材に触れる心配もありません。
さらに、水や油が飛び散るシンクやコンロのすぐ近くは、漏電のリスクがあるため避けるべきです。
安全な距離を保ちつつ、使いやすい高さを業者と相談しながら決めてください。
横向き配置や家具との干渉を考慮
一般的なコンセントは縦向きに設置されますが、キッチンのデザインやスペースによっては横向きの方が適している場合があります。
たとえば、キッチンの壁面パネルの継ぎ目や、細い隙間に設置する場合、横向きにすることでスッキリと収まります。
さらに、大きめのACアダプターを差し込む場合、縦向きだと上下の差し込み口が塞がってしまうことがあります。
横向きに配置したり、差し込み口の間隔が広いタイプを選んだりすることで、この問題を解消できます。
また、将来的に食器棚や冷蔵庫を買い替えた際、家具の裏にコンセントが隠れてしまわないかどうかも確認してください。
家具のレイアウト変更にも柔軟に対応できる位置を選ぶことが望ましいです。
コードの長さシミュレーション
コンセントの位置を決める際、実際に使う家電のコードの長さを測ってみることをおすすめします。
多くのキッチン家電のコードは、1メートルから1.5メートル程度に設計されています。
コンセントから家電を置く予定の場所まで、コードが届くかどうかをメジャーで確認しましょう。
届いたとしても、コードがピンと張り詰めた状態では断線の原因になりますし、見た目も美しくありません。
少し余裕を持たせた長さで配線できるように、コンセントの位置を微調整してください。
こうした細かなシミュレーションを行うことで、システムキッチンのコンセントを後付けした後の使い勝手が格段に向上します。
ブレーカーが落ちるのを防ぐには
キッチンで複数の家電を使っていると、突然ブレーカーが落ちて真っ暗になるという経験をしたことがあるかもしれません。
料理の途中で電気が止まると、作業が中断されるだけでなく、家電の故障にもつながる恐れがあります。
システムキッチンのコンセントを後付けする最大の目的の一つは、この厄介なトラブルを防ぐことです。
ブレーカーが落ちる仕組みを理解し、適切な対策を講じましょう。
ここでは、電気の容量計算から契約内容の見直しまで、具体的な方法を解説します。
アンペア数とワット数の基本
まずは、電気の基本となる単位について知っておく必要があります。
私たちが電力会社と契約している電気の容量は「アンペア(A)」で表されます。
一方で、家電製品が消費する電力は「ワット(W)」で表示されています。
日本の家庭用電圧は通常100ボルト(V)なので、「アンペア × 100 = ワット」という計算式が成り立ちます。
たとえば、1000Wの電子レンジを使用する場合、10アンペアの電流が流れていることになります。
一つのコンセント、あるいは一つの回路で安全に使える電流の上限は、通常15アンペア(1500W)に設定されています。
この上限を超えて電気を使おうとすると、安全装置が働いてブレーカーが落ちる仕組みです。
同時使用を避けるための回路分け
キッチンでは、1000Wを超える家電が多数存在します。
電子レンジ(1300W)と電気ケトル(1200W)を同じ回路で同時に使うと、合計2500Wとなり、あっという間に1500Wの上限を超えてしまいます。
これを防ぐためには、消費電力の大きい家電を別々の回路に割り振ることが最も効果的です。
前述した専用回路の増設がまさにこの対策にあたります。
コンセントの数を増やすだけでなく、背後にある配線(回路)が独立しているかどうかが重要なのです。
どこにどの回路が繋がっているかを確認し、同時に使う可能性が高い家電は、別の回路のコンセントに繋ぐように工夫してください。
契約アンペア数の見直し
回路を分けてもブレーカーが落ちる場合、家全体の契約アンペア数が不足していると考えられます。
分電盤の一番左にある大きなブレーカー(アンペアブレーカー)が落ちる場合は、家全体の電気使用量が契約上限を超えています。
一般的なファミリー世帯では、40アンペアから60アンペア程度の契約が推奨されます。
もし現在の契約が30アンペアで、キッチン家電以外にもエアコンやドライヤーを同時に使う頻度が高いなら、契約の見直しが必要です。
契約アンペア数を変更するには、電力会社に連絡して手続きを行います。
アンペア数を上げると基本料金も高くなるため、ご家庭のライフスタイルに合わせて適切な容量を選びましょう。
単相3線式への切り替え
古い住宅の場合、家屋への引き込み線が「単相2線式」という規格になっていることがあります。
この規格では、家全体で最大でも30アンペアまでしか電気を使うことができません。
現代の生活において、特にシステムキッチンで多様な家電を使うとなると、30アンペアでは明らかに不足します。
これを解消するためには、「単相3線式」への切り替え工事が必要です。
この工事を行えば、40アンペア以上の大容量契約が可能になり、200Vの機器も使えるようになります。
引き込み線の張り替えや分電盤の交換を伴うため、10万円から15万円程度の費用がかかります。
将来的な電化製品の増加も見据えて、根本的な解決策として検討する価値は十分にあります。
ブレーカー落ちを防ぐチェックリスト
- 各家電の消費電力(ワット数)を把握しているか
- 一つの回路で1500Wを超えないように分散させているか
- 大電力家電のための専用回路が確保されているか
- 家全体の契約アンペア数はライフスタイルに適しているか
- 分電盤や引き込み線の規格が古くないか確認したか
賃貸物件で工事をする際のポイント

持ち家であれば自由にリフォームができますが、賃貸物件となると勝手は違います。
賃貸のアパートやマンションで、システムキッチンのコンセントを後付けしたい場合、乗り越えるべきハードルがいくつか存在します。
無断で工事を行ってしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
ここでは、賃貸物件特有の注意点と、許可を得るためのステップ、そして工事が難しい場合の代替案について解説します。
管理会社や大家さんの許可が絶対条件
賃貸物件の設備に手を入れる場合、まずは管理会社または大家さんに相談し、許可を得る必要があります。
壁に穴を開けたり、配線をいじったりする行為は、建物の価値や安全性に直結するためです。
交渉の際は、「なぜコンセントを増設したいのか」「どのような方法で工事を行う予定か」を具体的に説明することが大切です。
たとえば、「電子レンジと冷蔵庫の配線が危険な状態なので、安全のために専用回路を引かせてもらえないか」と提案すれば、理解を得やすくなるでしょう。
大家さんにとっても、漏電や火災のリスクが減ることはメリットになるからです。
口頭での約束だけでなく、許可を得た内容は必ず書面やメールで残しておくことをお勧めします。
原状回復義務と費用の負担
賃貸契約には、退去時に部屋を元の状態に戻す「原状回復義務」が定められています。
仮に大家さんの許可を得てシステムキッチンのコンセントを後付けしたとしても、退去時に撤去を求められるケースがあります。
その際、設置にかかった費用だけでなく、撤去して壁を修復する費用も入居者が負担しなければなりません。
トラブルを避けるために、工事を始める前に「退去時の取り扱い」について明確に合意しておくことが重要です。
中には、物件の設備向上につながると判断され、そのまま残してよい(造作買取請求権の放棄などを条件に)と言われることもあります。
費用に関しても、入居者が全額負担するのか、大家さんが一部負担してくれるのかをしっかりと話し合いましょう。
工事許可が下りない場合の代替アイデア
残念ながら、建物の構造上の理由や大家さんの方針で、工事の許可が下りないこともあります。
そのような場合でも、キッチンの使い勝手を向上させる工夫は可能です。
たとえば、ポータブル電源(大容量バッテリー)を活用する方法です。
これなら工事は一切不要で、好きな場所に置いて電源を確保できます。
最近のポータブル電源は出力が大きく、小型の調理家電であれば問題なく動かせるものも増えています。
また、照明用の引っ掛けシーリングから電源を取る「配線ダクトレール」を取り付けるという選択肢もあります。
天井から電源を降ろす形になるため、壁に穴を開けることなくコンセントを増やすことができます。
ただし、容量制限には十分に注意して使用してください。
安全な延長コードの活用と配線カバー
どうしても延長コードを使わざるを得ない場合でも、工夫次第で安全性と見栄えを向上させられます。
キッチンでの使用を前提とするなら、防水扉付きの延長コードや、ホコリの侵入を防ぐシャッター付きの製品を選びましょう。
さらに、床にコードを這わせる場合は、市販の「ケーブルモール(配線カバー)」を使って保護します。
ケーブルモールは両面テープで固定できるものが多く、壁紙を傷めないテープを使えば賃貸でも安心です。
足を引っ掛ける危険を防ぎ、コードの断線を予防する効果があります。
本格的な電気工事ができなくても、これらの工夫を取り入れることで、キッチンの環境は劇的に改善されるはずです。
| 賃貸での対応策 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 大家の許可を得て増設 | 根本的な解決になる。安全性が高い。 | 許可が下りない場合がある。原状回復費用がかかるかも。 |
| ポータブル電源の活用 | 工事不要。非常時の防災電源としても役立つ。 | 本体価格が高い。充電の手間がかかる。 |
| 配線ダクトレールの利用 | 照明器具の配線を活用できる。原状回復が容易。 | 全体の電力容量には制限がある。 |
| 安全な延長コードとモール | 安価ですぐに導入できる。 | 見栄えに限界がある。水濡れに細心の注意が必要。 |
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システムキッチンのコンセントを後付けする注意点
ポイント
- 延長コードの多用は危険
- 水回りの漏電対策を忘れずに
- DIYには電気工事士の資格が必要
- 信頼できる業者の探し方
- システムキッチンのコンセントを後付けして快適に
延長コードの多用は危険

コンセントが足りないときの最も手軽な解決策として、延長コードや電源タップを利用する方は多いでしょう。
しかし、システムキッチンのように大電力の家電が集中し、水や油を扱う特殊な環境において、延長コードの多用は非常に危険です。
便利さの裏に潜むリスクを正しく理解し、安全な電気の使い方を心がける必要があります。
どのような危険があるのか、そしてどうしても使う場合の選び方を解説します。
タコ足配線による発熱と火災リスク
一つのコンセントに複数の延長コードを繋ぎ、多くの家電を同時に接続する状態を「タコ足配線」と呼びます。
タコ足配線の最大の危険は、許容電流を超えてしまうことによる異常発熱です。
一般的な延長コードの定格容量は1500Wに設定されています。
ここに電子レンジやトースターなどを繋いで同時に使用すると、コード内部の導線が耐えきれずに異常な熱を持ちます。
最悪の場合、コードの被覆が溶けてショートし、火災に至るケースが後を絶ちません。
キッチンでは無意識のうちに消費電力の大きい機器を同時に使ってしまうため、タコ足配線は絶対に避けるべきです。
安全な環境を整えるためには、やはりシステムキッチンのコンセントを後付けして、根本的な容量不足を解消することが求められます。
トラッキング現象が発生する仕組み
キッチン特有の危険として、「トラッキング現象」が挙げられます。
これは、コンセントとプラグの隙間にホコリが溜まり、そこに空気中の湿気や水滴が付着することで微小な電流が流れ、最終的に発火する現象です。
キッチンは料理の際に出る水蒸気や、油を含んだ煙が充満しやすい場所です。
そのため、冷蔵庫の裏や食器棚の隙間など、掃除がしにくい場所にある延長コードは、トラッキング現象の温床になりやすいのです。
長期間挿しっぱなしになっているプラグは、定期的に抜いて乾いた布でホコリを拭き取る必要があります。
キッチンという環境特有の危険性
熱源が近いことも、キッチンで延長コードを使う際のリスクです。
ガスコンロやIHクッキングヒーターの近くにコードが這っていると、熱でコードの被覆が溶けたり、引火したりする恐れがあります。
また、包丁などの刃物を落としてコードを傷つけてしまう事故も考えられます。
コードの内部の導線が露出すると、感電やショートの原因となり非常に危険です。
床にコードを這わせていると、調理中に足を引っ掛けて転倒するリスクもあります。
熱湯や油が入った鍋を持っている時に転倒すれば、大惨事になりかねません。
安全に配慮した延長コードの選び方
賃貸物件などで、どうしてもシステムキッチンのコンセントを後付けできず、延長コードを使わざるを得ない場合もあるでしょう。
その際は、安全対策が施された製品を厳選して使用してください。
まず、全体の容量を超えると自動的に電源が切れる「ブレーカー内蔵タイプ」を選ぶことが重要です。
次に、トラッキング現象を防ぐために、プラグの根元に絶縁カバーがついているものを選びましょう。
さらに、差し込み口にホコリや水滴が入りにくい「シャッター付き」や「防水扉付き」の製品が推奨されます。
これらの安全機能を備えた延長コードを選ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。
安全な延長コード選びのポイント
- 定格容量が1500Wであることを確認する
- 過電流を防ぐブレーカー機能が内蔵されているか
- プラグの根元に耐トラッキングカバーが付いているか
- 未使用の差し込み口を塞ぐホコリ防止シャッターがあるか
- 水しぶきに強い防水設計になっているか
水回りの漏電対策を忘れずに
キッチンは水と電気を同時に扱う場所であるため、電気事故のリスクが他の部屋よりも高くなります。
特に注意しなければならないのが「漏電」です。
電気が本来通るべき道(回路)から外れて流れ出してしまう現象で、感電や火災の重大な原因となります。
システムキッチンのコンセントを後付けする際には、この漏電対策を万全にすることが不可欠です。
どのような設備が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
アース付きコンセントの役割と重要性
漏電対策の基本となるのが「アース(接地)」です。
電子レンジや冷蔵庫、食器洗い乾燥機などのプラグに、緑や黄色の細い線が付いているのを見たことがあるはずです。
これがアース線で、万が一漏電が起きた際に、電気を安全に大地へと逃がす役割を果たします。
アース線を接続せずにこれらの家電を使用し、機器の故障などで漏電が発生した場合、その機器に触れた人間の体を伝って電気が流れ、重篤な感電事故を引き起こします。
そのため、水回りで使用する大型家電を設置する場所には、必ずアース端子付きのコンセントを後付けする必要があります。
アース線を引く工事は専門的な知識と技術が求められるため、必ずプロの業者に依頼してください。
漏電遮断器(漏電ブレーカー)の仕組み
アースと並んで重要なのが、分電盤に設置されている「漏電ブレーカー」です。
分電盤の中央付近にある少し大きめのスイッチで、家の中で漏電が発生したことを素早く検知し、自動的に電気の供給を遮断する安全装置です。
わずかな電流の漏れでも瞬時に反応するため、火災や致命的な感電を防ぐ最後の砦となります。
古い住宅の場合、この漏電ブレーカーが設置されていないことや、寿命を迎えて正常に作動しないことがあります。
システムキッチンのコンセントを後付けする工事の際には、業者の人に分電盤の点検も合わせてお願いすると安心です。
漏電ブレーカーには「テストボタン」がついているので、月に一度はボタンを押して正常に作動するかを確認する習慣をつけましょう。
水や油が引き起こす感電事故の危険性
人間の皮膚は乾燥している状態では電気を通しにくいですが、水に濡れると電気抵抗が極端に低くなります。
つまり、濡れた手でプラグを抜き差ししたり、スイッチを操作したりすると、感電する確率が飛躍的に高まるのです。
また、キッチンのシンク周りで水しぶきがコンセントにかかると、そこからショートや漏電が発生します。
油汚れも侮れません。
油にホコリが付着し、そこに湿気が加わることでトラッキング現象の引き金になります。
コンセントの位置を決める際は、シンクから十分な距離を取り、水や油が直接かからない場所を選ぶことが鉄則です。
防水コンセントの設置を検討すべき場所
どうしても水や油が飛び散る可能性のある場所に電源が必要な場合は、「防水コンセント」の導入を検討してください。
これは、屋外や浴室などで使われることの多い、カバーがついたタイプのコンセントです。
未使用時にはカバーが閉まって水滴やホコリの侵入を完全に防ぎます。
プラグを挿している間も、下向きにコードが出る構造になっているため、上からの水しぶきに強い設計になっています。
シンクのすぐ横や、ミキサーなどを使う調理台の近くに設置するなら、防水コンセントにしておくことで安全性が大きく向上します。
デザイン性に優れたスタイリッシュな防水コンセントも各メーカーから販売されているため、キッチンの雰囲気を損なうこともありません。
漏電対策の重要ポイント
- 水回りの大型家電には必ずアース線を接続する
- 分電盤の漏電ブレーカーが正常に作動するか定期的にテストする
- 絶対に濡れた手でプラグやスイッチに触れない
- 水はねが予想される場所には防水カバー付きコンセントを選ぶ
- コンセント周辺は常に清潔に保ちホコリを溜めない
DIYには電気工事士の資格が必要

最近はホームセンターやインターネットで様々な部材が手に入るため、家のリフォームをDIYで行う人が増えています。
費用を安く抑えられ、自分の好みに合わせた施工ができるのがDIYの魅力です。
しかし、システムキッチンのコンセントを後付けする工事に関しては、安易にDIYで済ませようと考えてはいけません。
電気配線を扱う作業には、法律によって厳格なルールが定められているからです。
無資格での工事がもたらす危険性と、なぜプロに頼むべきなのかを解説します。
電気工事士法で定められている内容
日本には「電気工事士法」という法律があり、電気設備の安全を確保するための規定が設けられています。
この法律により、一般住宅の屋内配線やコンセントの増設・交換といった作業は、「第二種電気工事士」以上の国家資格を持った人でなければ行ってはならないと明記されています。
壁の中の配線をいじったり、コンセントの金具に電線を接続したりする作業は、すべて有資格者の独占業務です。
無資格者が許されているのは、コンセントのカバー(プレート)を交換することや、延長コードを繋ぐことくらいに限られます。
インターネット上の動画などで見よう見まねで工事を行うのは、明確な法律違反となります。
無資格で行うDIYの危険性と罰則
資格を持たない素人が電気工事を行うと、どのような危険があるのでしょうか。
最も恐ろしいのは、配線の接続不良による火災や感電事故です。
電線の被覆の剥き方が不十分だったり、ネジの締め付けが甘かったりすると、そこに電気抵抗が生まれ、異常な熱を発します。
これが壁の中で起きると、住人が気づかないうちに発火し、家全体を巻き込む大火災に発展する可能性があります。
さらに、作業中に誤って活線(電気が流れている線)に触れてしまい、感電死するリスクもゼロではありません。
法律違反が発覚した場合、3万円以下の罰金、または3ヶ月以下の懲役という罰則が科せられることもあります。
少しの費用をケチった代償としては、あまりにも大きすぎると言えるでしょう。
火災保険が適用されないリスク
もし無資格のDIYによる配線ミスが原因で火災が起きた場合、さらなる悲劇が待っています。
多くの火災保険では、「重大な過失」や「違法行為」による損害は補償の対象外となります。
つまり、素人が勝手に行った電気工事が原因と特定された場合、保険金がいっさい支払われない可能性が高いのです。
家を失うだけでなく、多額の損害賠償を背負うことになりかねません。
家族の命と財産を守るためにも、電気工事は必ず資格を持った専門業者に依頼してください。
キッチン特有の配線工事の難しさ
有資格者であっても、キッチン周りの電気工事は難易度が高いとされています。
システムキッチンの裏側には、水道の配管やガスの配管が複雑に入り組んでいます。
配線を通す際に、これらの管を傷つけてしまうと水漏れやガス漏れを引き起こす危険があります。
また、熱を持つコンロ周辺や、湿気の多いシンク周辺を避けて、安全な配線ルートを確保する設計能力も問われます。
プロの電気工事士は、建物の構造を理解し、安全基準に則った適切な材料を選定して施工を行います。
コンセントの増設は、見た目以上に専門的な知識と経験が必要な作業なのです。
| 作業内容 | 資格の必要性 | 備考 |
|---|---|---|
| コンセントカバーの交換 | 不要 | 表面のプレートのみ。配線には触れないこと。 |
| 延長コードの使用 | 不要 | 容量を守り安全に配慮して使用する。 |
| コンセント本体の交換 | 必要(第二種電気工事士) | 配線の接続を伴うため無資格は違法。 |
| 壁裏からの配線引き込み | 必要(第二種電気工事士) | ショートや火災の危険が高いため厳禁。 |
| 分電盤の操作や回路増設 | 必要(第二種電気工事士) | 感電リスクが極めて高い。プロに依頼。 |
信頼できる業者の探し方
システムキッチンのコンセントを後付けする決意を固めたら、次にすべきは工事業者探しです。
電気工事は目に見えない部分の安全性を担保する作業なので、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
とはいえ、どこに頼めばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
依頼先の種類や、優良な業者を見極めるためのポイントをまとめました。
焦って決めるのではなく、しっかりと比較検討するプロセスを踏んでください。
依頼先となる業者の種類と特徴
コンセントの増設工事を依頼できる業者は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、地域に根ざした「街の電気工事店」です。
小回りが利き、ちょっとしたトラブルにもすぐに対応してくれるスピード感が魅力です。
中間マージンが発生しないため、費用も適正価格に収まりやすい傾向があります。
2つ目は、キッチン全体のリフォームを手がける「リフォーム会社」や「工務店」です。
壁紙の張り替えやシステムキッチン自体の交換など、他の工事とセットで行う場合に適しています。
デザインや全体のコーディネートを含めた提案が期待できますが、下請けの電気業者に投げるため費用が割高になることがあります。
3つ目は、「家電量販店」の工事窓口です。
大型家電を購入したついでに工事を依頼できる手軽さがあります。
料金体系が明確化されていることが多いですが、担当する協力業者によって施工品質にバラつきが出ることが懸念されます。
相見積もりを取得する際のポイント
どの業者を選ぶにしても、必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。
最低でも3社程度から見積もりをもらうことで、地域の相場感が掴めます。
見積もりを比較する際は、総額だけでなく内訳が詳細に記載されているかを確認してください。
「工事費一式」とだけ書かれているどんぶり勘定の見積もりは、後から追加料金を請求されるトラブルの元です。
部材費、配線費、出張費など、項目ごとに金額が明記されている業者は信頼度が高いと言えます。
また、見積もりを取る際の担当者の対応も重要なチェックポイントです。
こちらの要望を丁寧にヒアリングし、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
悪徳業者を見分けるためのチェック項目
残念ながら、電気工事業者の中には法外な料金を請求したり、手抜き工事を行ったりする悪徳業者も存在します。
トラブルを避けるために、いくつかの警戒すべきサインを知っておいてください。
まず、訪問販売や電話営業で「今なら安く工事できる」と急かしてくる業者は要注意です。
契約を急がせる業者は、他社と比較されることを恐れている証拠です。
また、会社のホームページや所在地がはっきりしない業者も避けるべきでしょう。
万が一のトラブル時に連絡がつかなくなる恐れがあります。
必ず「電気工事業者登録証」を持っている正規の業者であることを確認してください。
これは都道府県知事に登録された業者にのみ発行されるものです。
アフターフォローや保証内容の確認
工事が終わったらそれで終わりではありません。
電気設備は長く使い続けるものなので、施工後の保証やアフターフォローが充実しているかどうかも確認しましょう。
優良な業者は、自分たちの工事に自信を持っているため、1年から数年の施工保証をつけてくれます。
万が一、工事後にコンセントが使えなくなったり、配線の不具合が見つかったりした場合に、無償で対応してくれるかどうかが重要です。
契約前に保証書の発行があるか、どのようなケースが保証対象になるのかをしっかり確認しておきましょう。
近場の業者であれば、何かあったときにすぐに駆けつけてくれる安心感もあります。
優良業者を選ぶためのチェックリスト
- 見積もりの内訳が詳細かつ明確であるか
- 担当者の説明が丁寧で分かりやすいか
- 電気工事業者の正式な登録を受けているか
- 極端な値引きや契約の急かしがないか
- 施工後の保証やアフターサポートが明記されているか
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システムキッチンのコンセントを後付けして快適に

ここまで、キッチンにおける電源環境の改善について、さまざまな角度から解説してきました。
調理家電の増加に伴い、電源の確保は現代のライフスタイルにおいて避けて通れない課題です。
予算や家の構造に合わせて適切な工事を選ぶことで、毎日の料理や後片付けのストレスは劇的に軽減されます。
安全な環境づくりを最優先に考え、信頼できるプロの力を借りながら、理想のキッチンを作り上げてください。
この記事でご紹介した知識が、あなたの快適な暮らしの一助となれば幸いです。
記事のまとめ
- システムキッチンのコンセントを後付けする費用は工事内容で大きく変わる
- 既存の配線から分岐させる工事は安価だが使える電力に制限がある
- 消費電力の大きい調理家電を複数使うなら専用回路の増設が必須となる
- 分電盤に空きがない場合は回路の追加や分電盤自体の交換が必要になる
- IHや大型食洗機を導入する際は200Vへの電圧切り替え工事が求められる
- 家事動線を考慮し調理台の近くや手が届きやすい高さに配置すると便利
- ブレーカー落ちを防ぐには家電の消費電力を把握し回路を分散させる
- 家全体の電力が不足している場合は電力会社との契約アンペア数を見直す
- 賃貸物件で工事を行う場合は必ず事前に大家や管理会社の許可を得る
- 賃貸退去時の原状回復義務や費用負担についてあらかじめ合意しておく
- タコ足配線や延長コードの多用は発熱やトラッキング現象による火災リスクが高い
- 水回りでの漏電や感電を防ぐためにアース線の接続や防水コンセントの導入が重要
- 配線を伴う電気工事は法律により第二種電気工事士の資格が必須と定められている
- 無資格でのDIYは違法であり火災保険が適用されないなどの甚大なリスクを伴う
- 依頼先を選ぶ際は複数社から相見積もりを取り内訳や保証内容をしっかり確認する
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