ガルバリウム鋼板の屋根は、その耐久性とモダンな見た目から多くの住宅で採用されています。
しかし、経年劣化により、いつかはメンテナンスが必要になる時期が訪れます。
その際、費用を抑えるためにガルバリウム屋根の塗装をdiyで挑戦してみたいと考える方も少なくないでしょう。
確かに、自分で塗装を行えば、業者に依頼するよりも費用を大幅に削減できる可能性があります。
しかし、ガルバリウム屋根の塗装は、正しい知識と手順、そして適切な道具がなければ、かえって屋根の寿命を縮めてしまう危険性もはらんでいます。
この記事では、ガルバリウム屋根の塗装をdiyで成功させるために、塗装が必要になる劣化症状の見極め方から、具体的な費用、必要な道具、正しい手順、そして失敗しないための注意点まで、網羅的に解説します。
特に、塗装の品質を左右する下地処理やケレン作業の重要性、さらには高所作業に伴う足場の必要性や安全性についても詳しく触れていきます。
DIYには多くのメリットがありますが、同時にサビの再発や塗膜の早期剥離といった失敗のリスクも伴います。
これからDIYを始めようと考えている方は、この記事を読んで、ご自身で作業が可能かどうかを冷静に判断する材料にしてください。
そして、もし少しでも不安を感じるなら、専門業者に依頼するという選択肢も賢明です。
業者選びで後悔しないための比較ポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧いただき、あなたにとって最適な屋根のメンテナンス方法を見つけてください。
この記事でわかること、ポイント
- ガルバリウム屋根の塗装時期を示す劣化症状
- DIY塗装に必要な全道具と塗料の正しい選び方
- 塗装作業の具体的な手順と各工程のポイント
- 塗装の成否を分ける下地処理とケレンの重要性
- DIYにかかる総費用と専門業者に依頼した場合の相場
- DIYに潜む危険性と絶対に守るべき安全対策
- プロに依頼するメリットと賢い業者選びの方法
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もくじ
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行う前の基礎知識
ポイント
- 塗装時期を示す劣化症状とは
- DIYで想定される費用の内訳
- ガルバリウム鋼板に適した塗料の選び方
- 塗装に最低限必要な道具リスト
- 塗装の基本的な手順と流れを解説
塗装時期を示す劣化症状とは
ガルバリウム屋根の塗装メンテナンスを考える最初のステップは、塗装が必要なサイン、つまり劣化症状を正しく見極めることです。
まだ大丈夫だろうと放置してしまうと、劣化が進行し、塗装だけでは済まない大規模な修繕が必要になる可能性もあります。
ここでは、代表的な劣化症状をいくつか紹介しますので、ご自宅の屋根の状態をチェックする際の参考にしてください。
チョーキング現象(白亜化現象)
屋根の表面を手で触ったときに、白い粉のようなものが付着する現象を「チョーキング」と呼びます。
これは、塗料に含まれる顔料が、紫外線や雨風の影響で劣化し、粉状になって表面に現れたものです。
チョーキングは、塗膜が本来持っている防水性や保護機能が低下し始めているサインであり、塗り替えを検討すべき初期症状と言えるでしょう。
この段階で塗り替えを行えば、比較的簡単な下地処理で済むことが多く、屋根材本体へのダメージも最小限に抑えることができます。
色あせや変色
新築時や前回の塗装時と比べて、屋根の色が薄くなったり、まだら模様になったりする「色あせ」も、劣化のサインの一つです。
特に、日当たりの良い南側の屋根で顕著に現れることが多いでしょう。
色あせは、塗料の顔料が紫外線によって分解されることで発生します。
見た目の問題だけでなく、色あせが起きているということは、塗膜の性能が全体的に低下している証拠です。
防水性が落ちてきている可能性も考えられるため、早めのメンテナンスが推奨されます。
サビの発生
ガルバリウム鋼板は、鉄板をアルミニウム・亜鉛・シリコンの合金でメッキしたもので、非常に錆びにくいのが特徴です。
しかし、表面の塗膜やメッキ層に傷がつくと、そこから水分が侵入し、内部の鉄板が錆びてしまうことがあります。
サビには、主に「白サビ」と「赤サビ」の2種類があります。
白サビは、メッキ層の亜鉛が酸化して発生するもので、比較的軽度な劣化症状です。
一方で、赤サビは、メッキ層を通り越して内部の鉄板まで劣化が達している証拠であり、より深刻な状態です。
赤サビを放置すると、やがて穴が開き、雨漏りの原因となるため、発見次第、早急な対処が必要になります。
塗膜の膨れや剥がれ
屋根の表面に水ぶくれのような「膨れ」が見られたり、塗装がペリペリと「剥がれ」たりしている場合、塗膜が屋根材から浮いてしまっている状態です。
これは、塗膜と屋根材の間に水分が入り込んだり、前回の塗装時の下地処理が不十分だったりすることが原因で起こります。
剥がれた部分から雨水が浸入し、屋根材の劣化を急速に進行させるため、非常に危険な状態です。
この症状が見られる場合は、DIYでの補修は難易度が高く、専門業者に相談することをおすすめします。
DIYで想定される費用の内訳
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行う最大のメリットは、やはり費用の削減でしょう。
専門業者に依頼する場合、材料費に加えて人件費や足場代、諸経費がかかりますが、DIYなら主に材料費と道具代だけで済みます。
しかし、「タダ同然」でできるわけでは決してありません。
ここでは、DIYで塗装を行う際に、具体的にどのような費用がかかるのか、その内訳を見ていきましょう。
一般的な2階建て住宅の屋根(約60〜80㎡)を想定して計算してみます。
項目 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
塗料 | 下塗り(プライマー)と上塗り(2回分)の塗料。シリコン系塗料を想定。 | 30,000円 ~ 60,000円 |
塗装用具 | ローラー、刷毛、ローラーハンドル、塗料トレイ、マスキングテープ、養生シートなど。 | 10,000円 ~ 20,000円 |
下地処理用具 | 高圧洗浄機(レンタル)、ワイヤーブラシ、サンドペーパー、スクレーパー、ウエスなど。 | 10,000円 ~ 25,000円 |
安全対策用具 | ヘルメット、安全帯(ハーネス)、滑りにくい靴、ゴーグル、手袋など。 | 15,000円 ~ 30,000円 |
足場(レンタル) | DIYで足場を組むのは非現実的だが、もしレンタルした場合の費用。 | 150,000円 ~ 250,000円 |
合計(足場なし) | - | 65,000円 ~ 135,000円 |
合計(足場あり) | - | 215,000円 ~ 385,000円 |
上記の表からもわかるように、足場を設置しない場合でも、最低でも6万円以上、 高品質な道具や塗料を選ぶと10万円を超える費用がかかります。
高圧洗浄機はレンタルで済ませるとしても、塗料やローラーなどは意外と高額です。
そして、最も大きな費用を占めるのが「足場」です。
労働安全衛生法では、2m以上の高さでの作業には足場の設置が義務付けられており、安全面を考えればDIYであっても足場は不可欠です。
しかし、個人で足場をレンタル・設置するのは非常に困難で費用も高額になります。
この足場代が、DIYと業者依頼の価格差が縮まる大きな要因です。
業者に依頼した場合の費用相場は、同じ面積で25万円~50万円程度が一般的ですが、これにはプロの技術、安全性、そして塗料の保証などが含まれています。
DIYを検討する際は、目先の費用だけでなく、安全性や仕上がりの品質、そして万が一失敗した際のリスクも考慮して、総合的に判断することが大切です。
ガルバリウム鋼板に適した塗料の選び方
ガルバリウム屋根の塗装を成功させるためには、塗料選びが非常に重要です。
ガルバリウム鋼板は表面がツルツルしているため、一般的な塗料では密着しにくく、すぐに剥がれてしまう可能性があります。
必ず、ガルバリウム鋼板(金属屋根)に適した塗料を選ぶようにしましょう。
塗料は、下塗り用の「プライマー」と、上塗り用の「仕上げ塗料」の2種類が必要です。
下塗り塗料(プライマー)の重要性
下塗り塗料は、上塗り塗料を屋根材にしっかりと密着させるための接着剤のような役割を果たします。
特にガルバリウム鋼板の場合、この下塗りが塗装の成否を分けると言っても過言ではありません。
ガルバリウム鋼板用のプライマーには、主に以下の2種類があります。
- エポキシ樹脂系プライマー:密着性が非常に高く、防錆効果にも優れています。サビが発生している箇所がある場合や、より高い耐久性を求める場合におすすめです。ただし、乾燥に時間がかかる製品が多いという特徴があります。
- 密着性プライマー(非エポキシ系):エポキシ系よりは性能が劣るものの、比較的安価で乾燥が早いのがメリットです。屋根の状態が良好で、サビなどがほとんどない場合に選択肢となります。
DIYで失敗するリスクを少しでも減らすためには、密着性と防錆性に優れた「エポキシ樹脂系プライマー」を選ぶことを強く推奨します。
上塗り塗料(仕上げ塗料)の種類と耐用年数
上塗り塗料は、屋根の美観を保ち、紫外線や雨風から屋根材を保護する役割があります。
塗料のグレードによって、価格や耐用年数が大きく異なります。
予算と、次に塗り替えたい時期を考慮して選びましょう。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5~8年 | 価格が最も安いが、耐久性は低い。頻繁に塗り替えを楽しみたい場合向け。 |
ウレタン塗料 | 8~10年 | 価格と性能のバランスが良い。密着性や柔軟性にも優れている。 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 現在、屋根塗装で最も主流の塗料。耐水性、耐候性に優れ、コストパフォーマンスが高い。 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 非常に高い耐久性と耐候性を誇る。価格は高価だが、長期間メンテナンスフリーを目指すなら最適。 |
DIYで塗装する場合、コストパフォーマンスと性能のバランスから「シリコン塗料」が最もおすすめです。
また、遮熱機能や断熱機能を持つ「機能性塗料」も人気があります。
夏場の室温上昇を抑える効果が期待できるため、予算に余裕があれば検討してみるのも良いでしょう。
塗料を選ぶ際は、必ずメーカーのカタログやウェブサイトで「ガルバリウム鋼板対応」の表記を確認し、指定された下塗り塗料と組み合わせて使用することが大切です。
塗装に最低限必要な道具リスト
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行うには、塗料以外にも様々な道具を揃える必要があります。
作業の効率と仕上がりの美しさ、そして何よりも安全を確保するために、適切な道具を準備しましょう。
ここでは、最低限必要となる道具をリストアップしました。
ホームセンターや塗装用品専門店などで購入できます。
下地処理・清掃用具
- 高圧洗浄機:屋根の汚れ、コケ、古い塗膜などを効率的に洗い流すために必須です。家庭用の小型のものでも構いませんが、水圧がある程度高いものを選びましょう。持っていない場合はレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
- デッキブラシ、スポンジ:高圧洗浄機で落ちない頑固な汚れを落とすために使います。
- ワイヤーブラシ、スクレーパー:サビや剥がれかけた塗膜を削り落とす「ケレン作業」で使用します。
- サンドペーパー(紙やすり):ケレン作業の仕上げや、屋根表面に細かい傷をつけて塗料の密着性を高める「目荒らし」に使います。
- ウエス(布):洗浄後の拭き取りや、溶剤を使って油分を拭き取る際に使用します。
塗装用具
- ローラー:広い面を効率よく塗装するための主役です。毛足の長さが中毛(10〜13mm程度)のものが、凹凸のある屋根にも対応しやすくおすすめです。
- 刷毛(はけ):ローラーでは塗りにくい隅や細かい部分を塗装するために使います。複数のサイズを揃えておくと便利です。
- ローラーハンドル(継ぎ柄):ローラーに取り付けて使用します。伸縮できるタイプだと、手の届きにくい場所も楽に塗装できます。
- 塗料トレイ(バケット):塗料を缶から移して使用します。ローラーに均一に塗料を付けるために必要です。ネットが付いているタイプが便利です。
- 塗料攪拌棒:塗料は成分が沈殿していることがあるため、使用前によくかき混ぜる必要があります。
養生・その他
- マスキングテープ、マスカー:塗装しない部分(窓や壁など)を塗料で汚さないように保護するために使います。マスカーはテープとビニールシートが一体になっており、広範囲の養生に便利です。
- 養生シート:家の周りの植木や車などを塗料の飛散から守るために使います。
安全対策用具
屋根の上は非常に危険です。安全対策は「やりすぎ」ということはありません。必ず万全の準備をしてください。
- ヘルメット:万が一の転倒や落下物から頭部を守ります。
- 安全帯(墜落制止用器具):命綱です。屋根に固定できる場所を確保し、必ず着用して作業してください。
- 滑りにくい靴:靴底がゴム製で、溝がしっかりしている作業靴やスニーカーを選びましょう。屋根の上は想像以上に滑りやすいです。
- 保護ゴーグル、手袋:塗料の飛散や薬品から目や手を守ります。
- 長袖・長ズボンの作業着:肌の露出を避け、汚れや怪我を防ぎます。
これらの道具は、初期投資として費用がかかりますが、安全かつ綺麗に仕上げるためには省略できません。
計画段階で、必要なものをリストアップし、漏れなく準備するようにしましょう。
塗装の基本的な手順と流れを解説
道具と塗料の準備が整ったら、いよいよ塗装作業に入ります。
ガルバリウム屋根の塗装は、焦らず、各工程を丁寧に行うことが成功の秘訣です。
天候にも大きく左右されるため、数日間晴れが続く予報の時期を選んで計画を立てましょう。
ここでは、基本的な塗装の手順を7つのステップに分けて解説します。
- 近隣への挨拶と養生:作業を始める前に、近隣の方へ挨拶をしておきましょう。高圧洗浄時の水の飛散や、塗料の臭いなどで迷惑をかける可能性があるためです。その後、塗料が付着してはいけない場所(壁、窓、植木、車など)をマスカーや養生シートで徹底的に保護します。
- 高圧洗浄:高圧洗浄機を使って、屋根の表面に付着した汚れ、カビ、コケ、チョーキングの粉などをきれいに洗い流します。この作業を怠ると、塗料がしっかりと密着せず、早期剥がれの原因になります。水圧が強すぎると屋根材を傷める可能性があるので注意しましょう。
- 乾燥:洗浄後は、屋根を完全に乾燥させる必要があります。天候にもよりますが、最低でも24時間以上は乾燥時間を確保してください。水分が残ったまま塗装すると、塗膜の膨れや剥がれにつながります。
- 下地処理(ケレン・目荒らし):塗装工程の中で最も重要な作業です。サビや古い塗膜をワイヤーブラシやスクレーパーで削り落とします(ケレン)。その後、サンドペーパーで屋根全体を軽く研磨し、塗料の密着性を高めるための細かい傷をつけます(目荒らし)。ケレンで出たゴミやホコリは、ほうきやウエスで綺麗に取り除きます。
- 下塗り(プライマー塗装):いよいよ塗装の第一段階です。ガルバリウム鋼板に適したプライマーを、刷毛やローラーを使って均一に塗布します。塗り残しがないように、丁寧に作業を進めましょう。塗り終えたら、塗料メーカーが指定する乾燥時間を厳守します。
- 上塗り(1回目):下塗りが完全に乾燥したら、上塗り塗料を塗っていきます。基本は「奥から手前へ」「上から下へ」です。退路をなくさないように注意してください。一度に厚く塗ろうとせず、薄く均一に塗り広げるのがコツです。
- 上塗り(2回目):1回目の上塗りが規定の乾燥時間を経て乾いたら、同じように2回目の上塗りを行います。重ね塗りをすることで、塗膜に厚みができ、色ムラがなくなり、塗料本来の耐久性を発揮することができます。2回目の塗装が完了したら、養生を剥がし、作業完了です。完全に乾燥するまでは屋根に乗らないようにしましょう。
各工程、特に乾燥時間は絶対に守ってください。
焦って次の工程に進むと、仕上がりの品質が著しく低下し、せっかくの労力が無駄になってしまいます。
余裕を持ったスケジュールを組むことが、ガルバリウム屋根の塗装をdiyで成功させるための鍵となります。
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失敗したくない方へ!ぼったくられたくない方へ!一括見積もりでリフォームは変わります!!
高額になりがちなリフォームでも、各社の費用やプランを比較できるので、納得のいく形で進めやすいのが魅力。
まずは気軽に見積もりを取ってみて、どのくらい予算を抑えられるかチェックしてみませんか?
ガルバリウム屋根の塗装をdiyするリスクと業者の活用
ポイント
- 最も重要な下地処理の注意点
- ケレン作業の重要性と正しい方法
- DIYでよくある失敗例とトラブル
- 足場の設置は必要?安全性と注意点
- 専門業者との比較で見えるメリット
- 後悔しないガルバリウム屋根の塗装をdiyで目指すには
最も重要な下地処理の注意点
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行う上で、その成否の8割を決定づけると言っても過言ではないのが「下地処理」です。
どれだけ高級な塗料を使っても、この下地処理が不十分であれば、塗料は本来の性能を発揮できず、数年も経たずに剥がれてきてしまいます。
プロの塗装業者が最も時間と手間をかけるのも、この工程です。
ここでは、下地処理における特に重要な注意点を解説します。
高圧洗浄は「徹底的に」行う
下地処理の第一歩は高圧洗浄です。
長年蓄積された砂埃、排気ガスの汚れ、コケ、カビなどを徹底的に除去します。
目に見える汚れだけでなく、チョーキングで発生した粉末もしっかりと洗い流すことが重要です。
洗浄が不十分なまま塗装すると、汚れの上に塗膜を形成することになり、塗料が屋根材に密着せず、剥がれの原因となります。
ただし、注意点もあります。
屋根材との距離が近すぎたり、水圧が強すぎたりすると、ガルバリウム鋼板の表面を傷つけてしまう可能性があります。
また、屋根の接合部分や棟板金の隙間に集中して水を当てると、内部に水が浸入し、雨漏りの原因になることもあります。
適切な距離と角度を保ち、屋根全体を均一に洗浄することが求められます。
油分や汚れの除去(脱脂)
高圧洗浄だけでは落としきれない油分や、ワックスのようなものが付着している場合もあります。
これらの油分も塗料の密着を妨げる大きな要因です。
洗浄後、屋根が完全に乾いてから、シンナーなどの溶剤を染み込ませたウエスで屋根全体を拭き上げる「脱脂作業」を行うと、より確実です。
特に交通量の多い道路沿いの家などは、排気ガスによる油汚れが付着しやすいため、この工程が重要になります。
溶剤を使用する際は、火気に十分注意し、換気を良くして作業してください。
下地処理後の徹底した清掃
後述するケレン作業などを行うと、サビや古い塗膜の削りカス、サンドペーパーの粉など、多くのゴミが発生します。
これらのゴミが残ったまま塗装してしまうと、塗膜に異物が混入し、仕上がりが凸凹になるだけでなく、そこから塗膜が剥がれる原因にもなります。
ケレン作業が終わったら、ほうきやブロワー、固く絞ったウエスなどを使って、屋根の表面からゴミやホコリを完全に取り除いてください。
下地処理は、地味で時間のかかる作業ですが、この工程をいかに丁寧に行うかが、DIY塗装の耐久性を左右します。
「これくらいでいいか」という妥協が、数年後の大きな後悔につながることを肝に銘じておきましょう。
ケレン作業の重要性と正しい方法
下地処理の中でも、特に専門的な技術と労力を要するのが「ケレン作業」です。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは塗装の寿命を決定づける非常に重要な工程です。
ケレン作業とは何か?
ケレンとは、サンドペーパーやワイヤーブラシ、スクレーパーなどの工具を使って、屋根材の表面にあるサビや剥がれかけた古い塗膜を削り落とす作業のことです。
ケレン作業には、主に2つの目的があります。
- 不要な異物の除去:サビや古い塗膜が残ったまま塗装すると、新しい塗膜の下でサビが進行したり、古い塗膜ごと一緒に剥がれてしまったりします。これらを完全に除去することで、健全な下地を作ります。
- 塗料の密着性を高める(目荒らし):ガルバリウム鋼板の表面は滑らかで、そのままでは塗料が密着しにくい性質があります。ケレン作業で表面に微細な傷をつける(目荒らしする)ことで、塗料が引っかかるアンカー効果が生まれ、密着性が格段に向上します。
つまり、ケレンは屋根を「清掃」すると同時に、塗装に最適な状態へ「下ごしらえ」する作業なのです。
サビの状態に応じたケレンの方法
ケレン作業は、屋根の劣化状況によってその手法が異なります。
- 軽度のサビやチョーキングの場合:比較的状態が良い場合は、サンドペーパーやナイロンたわしで屋根全体を研磨し、目荒らしを行うのが主目的となります。これを「4種ケレン」と呼びます。
- 赤サビが発生している場合:赤サビは、ワイヤーブラシや電動工具(ディスクサンダーなど)を使って、サビが完全になくなるまで徹底的に削り落とす必要があります。これを「3種ケレン」と呼びます。DIYで行う場合は、この3種ケレンが限界でしょう。
赤サビを中途半端に残してしまうと、どんなに良い防錆プライマーを塗っても、内部からサビが再発してしまいます。
「サビを根絶やしにする」という意識で、根気強く作業することが重要です。
ケレン作業の注意点
ケレン作業は、多くの粉塵が発生します。
必ず防塵マスクや保護ゴーグルを着用して、粉塵を吸い込んだり、目に入れたりしないようにしてください。
また、電動工具を使用する場合は、扱いを誤ると屋根材を深く傷つけてしまう恐れがあります。
力を入れすぎず、慎重に作業を進める必要があります。
ケレン作業は、屋根全体のサビを一つひとつ確認し、手作業で削っていく、非常に地道で過酷な作業です。
特に夏場の炎天下では、体力的にも厳しいものがあります。
このケレン作業の重要性と大変さを理解することが、安易なDIYに踏み切る前の重要な判断材料となるでしょう。
DIYでよくある失敗例とトラブル
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行うことは、費用を抑えられる一方で、様々な失敗のリスクが伴います。
知識不足や準備不足が原因で、せっかくの努力が水の泡となるだけでなく、かえって状態を悪化させてしまうケースも少なくありません。
ここでは、DIYで陥りがちな代表的な失敗例とトラブルを紹介します。
1. 塗膜の早期剥がれ・膨れ
これは最も多い失敗例です。
塗装後1〜2年で塗膜がペリペリと剥がれてきたり、水ぶくれのように膨れてきたりする現象です。
原因のほとんどは、これまで繰り返し述べてきた「下地処理の不備」にあります。
- 高圧洗浄が不十分で、汚れや古い塗膜が残っていた。
- ケレン作業を怠り、サビが残ったまま塗装してしまった。
- 洗浄後、屋根が完全に乾燥する前に塗装を始めてしまった。
- ガルバリウム鋼板に適さないプライマーを使用した、またはプライマーを塗らなかった。
これらの原因により、塗料が屋根材にしっかり密着せず、わずかな隙間から水分が侵入することで、剥がれや膨れが発生します。
一度こうなると、補修は非常に困難です。結局、全ての塗装を剥がしてやり直すことになり、業者に依頼するよりも高くついてしまう可能性があります。
2. 色ムラや塗り跡が目立つ
塗装が終わって足場を外し、下から見上げてみたら「色がまだらになっていた」「ローラーの跡がくっきり残っている」というのもよくある失敗です。
これは、塗装技術の未熟さが原因です。
- 塗料を均一な厚さで塗れていない。
- 塗料の乾燥具合を見ながら塗り重ねる「ウェットオンウェット」の技術がない。
- 上塗り1回だけで済ませてしまった。
プロの職人は、長年の経験で培った技術で、スピーディーかつ均一に塗料を塗り広げます。
DIYでは、どうしても作業に時間がかかり、先に塗った部分と後から塗った部分の境目が目立ちやすくなります。
仕上がりの美しさを求めるのであれば、やはりプロには敵いません。
3. 塗料の飛散による近隣トラブル
養生が不十分だったり、風の強い日に作業を行ったりしたことで、塗料が飛散し、お隣の家の壁や車に付着してしまうという最悪のケースです。
一度付着した塗料を完全に除去するのは非常に難しく、高額な賠償問題に発展する可能性があります。
ご近所付き合いにも深刻な影響を及ぼしかねません。
プロの業者は、塗料が飛散しないようにメッシュシートで建物を完全に覆い、細心の注意を払って作業を行いますが、DIYでそこまで徹底するのは困難です。
4. 転落・落下事故
最も避けなければならないのが、屋根からの転落事故です。
屋根の上は、私たちが思う以上に傾斜があり、滑りやすい場所です。
塗装作業に集中するあまり、足元への注意が散漫になり、バランスを崩してしまう危険性があります。
また、塗料の缶や道具を落としてしまい、下にいる人や物に当たってしまう事故も考えられます。
命に関わる重大な事故につながるリスクがあることを、絶対に忘れてはいけません。
足場の設置は必要?安全性と注意点
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで検討する際に、多くの人が悩むのが「足場」の問題です。
「費用がかかるから足場なしでやりたい」と考える気持ちはわかりますが、結論から言うと、特に2階建て以上の建物の場合は、安全と品質のために足場の設置は必須です。
なぜ足場が必要なのか?
足場を設置する目的は、単に作業者が昇り降りするためだけではありません。
そこには、法律、安全性、作業品質に関わる重要な理由があります。
- 法律上の義務:労働安全衛生法では、高さが2メートル以上の場所で作業を行う場合、作業床を設け、手すりを設置するなど、労働者の危険を防止するための措置を講じることが事業者(業者)に義務付けられています。DIYは自己責任とはいえ、この法律が定められている背景には、それだけ高所作業が危険であるという事実があります。
- 作業者の安全確保:これが最大の理由です。足場があれば、安定した足元で作業に集中できます。万が一バランスを崩しても、手すりや落下防止ネットが命を守ってくれます。ハシゴだけで作業するのは、常に転落の危険と隣り合わせであり、非常に危険です。
- 作業品質の向上:安定した足場があることで、両手を自由に使うことができます。これにより、無理な体勢での作業がなくなり、塗装のムラを防ぎ、隅々まで丁寧な作業が可能になります。結果として、仕上がりの品質が格段に向上します。
- 塗料の飛散防止:足場を設置する際には、通常、その周りをメッシュシートで覆います。このシートが、高圧洗浄時の水しぶきや、塗装時の塗料が近隣に飛散するのを防ぐ役割を果たします。近隣トラブルを避けるためにも、非常に重要です。
足場なしでの作業のリスク
平屋の屋根で、傾斜が緩やかな場合など、ごく限定的な状況を除き、足場なしでの作業は推奨されません。
ハシゴに乗りながらの作業は、片手がふさがり、体の安定性が著しく欠けます。
塗料の入った缶をひっくり返したり、ローラーを落としたりするリスクも高まります。
そして何より、一度足を踏み外せば、取り返しのつかない事態につながります。
「自分は大丈夫」という過信が、最も危険です。
DIYでの足場設置は現実的か?
では、DIYで足場を組むことは可能なのでしょうか。
残念ながら、これは非常に非現実的です。
足場の組み立てには専門の資格(足場の組立て等作業主任者)が必要であり、素人が見様見真似で組んだ足場は、それ自体が倒壊する危険性があります。
また、足場材を個人でレンタルできたとしても、運搬や設置にかかる労力と費用は莫大です。
足場の費用は、業者に依頼した場合の総額の約20%を占めると言われ、15万円〜25万円が相場です。
この費用を「高い」と考えるか、「安全と品質のための必要経費」と考えるか。
もし足場の必要性を感じながらも費用面で躊躇しているのであれば、それはDIYを諦め、専門業者に依頼することを真剣に検討すべきサインかもしれません。
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専門業者との比較で見えるメリット
ここまでガルバリウム屋根の塗装をdiyで行うための手順や注意点を詳しく解説してきましたが、その難易度の高さやリスクの大きさを感じた方も多いのではないでしょうか。
費用を抑えられるという大きなメリットがある一方で、DIYには多くのデメリットも存在します。
ここで一度立ち止まり、専門業者に依頼した場合のメリットと比較してみましょう。
冷静に比較検討することが、後悔しない選択につながります。
DIY vs 専門業者 比較表
比較項目 | DIY | 専門業者 |
---|---|---|
費用 | 安い(6万~14万円程度、足場除く) | 高い(25万~50万円程度) |
仕上がりの品質 | 技術力に左右される(ムラや早期剥離のリスクあり) | 高品質(均一で美しい仕上がり) |
耐久性・耐用年数 | 短い傾向(下地処理の質による) | 長い(塗料の性能を最大限に引き出す) |
作業時間・労力 | 非常に長い(数週間~1ヶ月以上かかることも) | 短い(1~2週間程度で完了) |
安全性 | 非常に低い(転落などの重大事故のリスク) | 高い(法に準拠した足場と安全管理) |
保証 | なし(すべて自己責任) | あり(通常5年~10年の工事保証が付く) |
近隣への配慮 | トラブルのリスクあり(塗料飛散など) | 徹底されている(養生や挨拶など) |
専門業者に依頼するメリットの深掘り
上の表からもわかるように、費用以外のほぼ全ての項目で専門業者に軍配が上がります。
特に注目すべきは以下の3点です。
1. 圧倒的な品質と耐久性
プロの職人は、その日の天候や屋根の状態を的確に判断し、最適な塗料の希釈率や乾燥時間を見極めます。
長年の経験に裏打ちされた技術により、塗料の性能を100%引き出し、美しく長持ちする塗膜を形成します。
DIYでありがちな「安かろう悪かろう」にはなりません。
2. 安全と安心
高所作業の危険性については、これまでも述べてきた通りです。
業者に依頼すれば、自身が危険な作業をする必要は一切ありません。
また、万が一、作業中に物損事故や近隣トラブルが発生しても、業者が加入している損害保険で対応してもらえます。
さらに、工事後の「保証」があるのも大きな安心材料です。施工に不具合があった場合、無償で手直しをしてもらえます。
3. 時間と労力の節約
屋根塗装は、週末だけを使ったとしても、完了までに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
慣れない作業による肉体的・精神的な疲労も相当なものです。
業者に依頼すれば、その貴重な時間と労力を、仕事や家族サービスに使うことができます。
「時間を買う」という観点も、業者選びの重要なポイントです。
これらのメリットを考慮すると、専門業者に支払う費用は、決して高すぎるものではないと言えるのではないでしょうか。
もし、プロへの依頼を少しでも検討するなら、複数の業者から見積もりを取って比較することが不可欠です。
そこで便利なのが「タウンライフリフォーム」のような無料一括見積もりサービスです。
家にいながら複数の優良業者から見積もりや提案を受け取れるため、手間をかけずに価格相場を知り、信頼できる業者を見つけることができます。
DIYに挑戦するのも素晴らしいことですが、プロに任せるという賢い選択肢も、ぜひ視野に入れてみてください。
後悔しないガルバリウム屋根の塗装をdiyで目指すには
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで成功させるためには、これまで解説してきたように、正しい知識、入念な準備、そして何よりも安全への高い意識が不可欠です。
費用を抑えられるという魅力は大きいですが、その裏にあるリスクや作業の大変さを十分に理解した上で、最終的な判断を下す必要があります。
この記事を読んで、「自分には少しハードルが高いかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。
それは決してネガティブなことではなく、ご自身の家を大切に思うからこその、冷静で賢明な判断だと思います。
ガルバリウム屋根の塗装をdiyで行うことは、単なる日曜大工の延長線上にある作業ではありません。
建物の資産価値を維持し、家族が安心して暮らすための重要なメンテナンス工事なのです。
もしDIYに挑戦するのであれば、この記事で紹介した手順や注意点を何度も読み返し、完璧な計画を立ててください。
そして、少しでも不安な点があれば、無理をせず専門家の意見を聞く勇気も必要です。
一方で、プロに依頼するという選択肢は、品質、安全性、そして将来的な安心を手に入れるための、非常に有効な投資と言えます。
特に、複数の業者を比較検討する「相見積もり」は、適正な価格で質の高い工事を実現するための鍵となります。
しかし、一社一社に連絡を取って見積もりを依頼するのは、時間も手間もかかります。
そんな時にこそ、「タウンライフリフォーム」のような無料一括見積もりサービスが役立ちます。
簡単な入力だけで、お住まいの地域に対応した複数の優良リフォーム会社から、見積もりやリフォームプランを無料で取り寄せることができます。
各社の提案を比較することで、費用相場がわかるだけでなく、担当者の対応や提案内容から、本当に信頼できるパートナーを見つけ出すことが可能です。
ガルバリウム屋根の塗装をdiyでチャレンジするのも素晴らしい経験ですが、プロの力を借りることも、家を守るための賢い選択です。
まずは情報収集の一環として、気軽に無料一括見積もりを利用してみてはいかがでしょうか。
やってみて損はない、むしろ、あなたの家にとって最善の選択をするための大きな一歩となるはずです。
記事のまとめ
- ガルバリウム屋根の塗装はチョーキングやサビがサイン
- DIY塗装の費用は足場なしで6万円から14万円が目安
- 塗料はガルバリウム対応のエポキシ系プライマーとシリコン塗料が推奨
- DIYには高圧洗浄機や安全帯など専門的な道具が必須
- 塗装手順は洗浄、乾燥、下地処理、下塗り、上塗り2回が基本
- 塗装の寿命はサビや古塗膜を除去するケレン作業で決まる
- 下地処理の不備は塗膜の早期剥がれに直結する最大の失敗原因
- 2階建て以上の高所作業では足場の設置が安全上不可欠
- DIYは費用が安いが品質や安全性、保証の面でリスクが高い
- 専門業者は高品質、高耐久、安全、保証付きで安心
- プロへの依頼は時間と労力を節約する賢い選択肢
- 業者選びで後悔しないためには相見積もりが重要
- タウンライフリフォームなら無料で複数社の見積もりを比較検討できる
- 相見積もりは価格相場を知り悪徳業者を避けるのに有効
- プロの視点からの提案はDIYでは気づかない問題解決につながることも
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