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リフォーム後に壁紙がボコボコするのは失敗?原因と対処法を解説

 

 

この記事でわかること、ポイント

  • リフォーム後に壁紙がボコボコする主な原因を理解できる
  • 糊の乾燥により自然に解消される期間を知ることができる
  • 施工不良かどうかの見極めポイントを学べる
  • 湿度や換気が仕上がりに与える影響を把握できる
  • 業者への連絡や交渉の正しい手順がわかる
  • DIYでの修復が推奨されない理由を理解できる
  • 契約や保証に関する知識でトラブルを回避できる

 

念願のリフォームが完了し、新しくなった部屋を見渡したときに、ふと壁に目をやると違和感を覚えることがあるかもしれません。

綺麗に仕上がっているはずのクロスに、小さな膨らみや波打ちが見えると、誰しもが不安な気持ちになるものです。

せっかく安くはない費用をかけて依頼したのに、これが手抜き工事や施工ミスだったらどうしようと、心配で夜も眠れなくなってしまう方もいるでしょう。

しかし、実はリフォーム直後のクロスに見られる凹凸には、施工の仕組み上どうしても発生してしまう一時的な現象と、明らかに職人の腕や処理に問題があるケースの二通りが存在します。

多くの場合、施工直後の水分を含んだ状態では、紙やビニールが伸びているために多少の浮きが見られることは珍しくありません。

時間が経過して乾燥が進むにつれて、ピンと綺麗に張り詰めていくことが多いのです。

この段階で焦って手で押してしまったり、業者へ感情的に怒りの連絡を入れてしまったりするのは得策ではありません。

まずは冷静に状況を観察し、それが時間の経過で直るものなのか、それとも修正が必要な不具合なのかを見極める知識を持つことが大切です。

リフォーム後に壁紙がボコボコしている状態を目の当たりにしても、正しい知識があれば落ち着いて対処することができるでしょう。

本記事では、クロス張り替え後に発生する浮きや膨らみのメカニズムから、具体的な対処法までを網羅的に解説していきます。

リフォーム業者としての視点や、素材の特性といった専門的な見地も含めて詳しく説明しますので、現在進行形で不安を抱えている方の助けになるはずです。

 

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リフォーム後に壁紙がボコボコする主な原因と乾燥期間

ポイント

  • 糊の水分が抜けきるまで1週間は様子を見る
  • 湿気や換気がクロスに馴染む早さを左右
  • 下地のパテ処理が不十分で凹凸が出るケース
  • 薄いクロスは下地の影響を受けやすい特徴
  • 光の当たり方で気泡や浮きが目立つこともある
  • 施工不良ではなく正常な反応である可能性

 

糊の水分が抜けきるまで1週間は様子を見る

リフォーム工事が終わった直後、あるいは翌日などに壁を見た際、表面が波打っていたり、数センチ程度の水ぶくれのようなものが見えたりすることがあります。

これを発見すると、多くの施主様は「失敗されたのではないか」と動揺してしまいますが、実はこれは施工直後によく見られる「糊(のり)の水分による膨れ」である可能性が非常に高いです。

壁紙を貼る際に使用される専用の糊には、多くの水分が含まれています。

職人はこの糊を壁紙の裏面にたっぷりと塗布し、あるいは機械で塗付してから壁に貼り付けていきます。

このとき、壁紙(特にビニールクロス)は水分を吸収してわずかに伸張します。

伸びた状態で壁に貼り付けられるわけですが、下地である石膏ボードやコンクリート面とクロスの間には、まだ乾ききっていない糊の層が存在しています。

この糊に含まれる水分が、時間をかけて蒸発していく過程で、伸びていた壁紙が徐々に収縮し、壁面にピタリと張り付いていくのです。

これを専門用語で「馴染む」と表現することもあります。

施工直後はまだ水分が残っているため、部分的に密着しておらず、空気を含んだようにボコボコとして見えることがありますが、これは乾燥プロセスの一部であり、必ずしも異常ではありません。

この乾燥にかかる時間は、季節や天候、室内の環境によって大きく異なりますが、一般的には数日から1週間程度と言われています。

気温が高い夏場であれば比較的早く乾きますが、気温が低く湿度の高い梅雨時や冬場などは、水分が抜けるのに時間がかかるケースも珍しくありません。

したがって、施工完了から2、3日程度で凹凸が残っていても、決して慌てる必要はないのです。

リフォーム後に壁紙がボコボコしていても、まずは1週間程度、触らずに様子を見ることが推奨されます。

もしこの期間中に指で強く押してしまったり、剥がそうとしてしまったりすると、まだ柔らかい糊がズレてしまい、乾燥後に跡が残ったり、本当に剥がれてしまったりする原因になります。

乾燥収縮の力は意外に強く、放っておけば綺麗に仕上がるはずだったものが、人為的な圧力によって不自然なシワとして固定されてしまう恐れがあるのです。

気になってもぐっとこらえ、自然の乾燥力を信じて待つ姿勢が、美しい仕上がりへの第一歩となります。

 

湿気や換気がクロスに馴染む早さを左右

前述の通り、壁紙が綺麗に仕上がるためには糊の水分が適切に蒸発する必要がありますが、このプロセスを左右するのが室内の「湿気」と「換気」です。

リフォーム直後の室内は、新しい建材や糊から出る湿気で、普段よりも湿度が高くなりがちです。

この湿気が室内に留まってしまうと、壁紙の乾燥が遅れ、いつまでもボコボコとした状態が続いてしまうことがあります。

特に、最近の住宅は気密性が高いため、意識的に換気を行わないと空気が滞留しやすくなっています。

リフォーム後に壁紙がボコボコしている状態を早く解消したいのであれば、適度な換気を心がけることが非常に有効です。

晴れた日には窓を開けて風を通し、室内の湿った空気を外に逃がしてあげましょう。

空気が動くことで壁表面の水分蒸発が促され、クロスが壁下地に密着するスピードが早まります。

ただし、注意が必要な点もあります。

それは急激な乾燥です。

例えば、冬場にエアコンの暖房をガンガンに効かせたり、ヒーターの温風を直接壁に当てたりすることは避けるべきです。

急激に熱を加えると、表面だけが急速に乾いて収縮し、内部の糊の乾燥が追いつかずに「ひび割れ」や「隙間(ジョイントの開き)」を引き起こす原因になります。

あくまで自然な通風や、24時間換気システムの稼働によって、穏やかに乾燥させることが理想的です。

適切な湿度管理と換気は、リフォーム後の仕上がりを決定づける重要な要素といえます。

また、梅雨の時期や雨が続く日には、窓を開けると逆に外の湿気を取り込んでしまう可能性があります。

そのような場合は、除湿機を活用したり、エアコンの除湿モード(ドライ)を適度に使用したりして、室内の湿度をコントロールすると良いでしょう。

湿度が60%以下程度に保たれていれば、乾燥は順調に進むはずです。

逆に湿度が80%を超えるような環境では、乾燥に1週間以上かかることも覚悟しなければなりません。

換気を行う際は、部屋の対角線上にある窓を開けると空気の通り道ができ、効率よく換気ができます。

窓が一つしかない場合は、キッチンの換気扇を回したり、サーキュレーターで空気を循環させたりするのも効果的です。

壁紙が綺麗に馴染むかどうかは、施工後の住まい手による環境管理にも少なからず影響されるということを知っておくと、無用なトラブルを避けることにつながります。

 

下地のパテ処理が不十分で凹凸が出るケース

乾燥期間を過ぎてもリフォーム後に壁紙がボコボコしている場合、次に疑うべき原因は「下地処理」の問題です。

壁紙リフォームの場合、新築工事とは異なり、今ある古い壁紙を剥がしてから新しい壁紙を貼るという工程を踏みます。

この際、古い壁紙の裏紙(薄い紙の層)が壁に残ることが一般的ですが、これが綺麗に残らずに段差ができたり、石膏ボードの継ぎ目やビス穴の凹凸があったりします。

これらの段差や凹凸を平滑にするために行われるのが「パテ処理」です。

職人はパテと呼ばれるペースト状の充填材を塗り、乾燥後にやすりで削って平らにします。

この工程こそが、クロス職人の腕の見せ所であり、仕上がりの美しさを左右する最も重要な作業と言っても過言ではありません。

しかし、このパテ処理が不十分であったり、パテの乾燥不足のままクロスを貼ってしまったりすると、仕上がり後に下地の凹凸がそのまま表面に現れてしまうのです。

具体的には、壁紙の表面がブヨブヨと浮いているのではなく、硬い感触があるのにボコボコしている場合は、下地の不陸(ふりく・平らでないこと)を拾っている可能性が高いです。

特に、リフォームの場合は下地の状態が劣化していることも多く、新築のように完璧な平面を作るのが難しいケースも多々あります。

しかし、プロとしてお金をもらって施工する以上、許容範囲を超えた凹凸は施工品質の問題として捉えられることもあります。

下地のパテ処理の精度は、最終的な見た目の美しさに直結する重要な工程です。

また、「パテ痩せ」という現象も原因の一つとして挙げられます。

パテは乾燥すると水分が抜けて体積がわずかに減少します。

これを計算に入れずに一度塗りだけで済ませたり、厚塗りしすぎたりすると、乾燥後にパテが凹んでしまい、その形が壁紙表面に浮き出てくることがあります。

丁寧な職人は、パテを打って乾燥させ、削って再度打つという工程を繰り返して平滑面を作りますが、工期が短かったり予算が厳しかったりする場合、この工程が簡略化されてしまうこともあるのが実情です。

もし、リフォーム後に壁紙がボコボコしており、指で押しても弾力がなく硬い感触がする場合は、乾燥不足ではなく下地の影響である可能性が高いと考えられます。

この場合、時間が経っても自然に直ることは期待できません。

程度がひどい場合には、一度壁紙を剥がしてパテ処理からやり直す必要が出てくるため、業者との協議が必要になるケースと言えます。

 

薄いクロスは下地の影響を受けやすい特徴

壁紙がボコボコして見える原因として、選んだ壁紙(クロス)の種類の問題も無視できません。

壁紙には「厚手」のものと「薄手」のものがあります。

一般的に、リフォーム用として推奨される壁紙は、厚みがあり、裏打ちもしっかりしているものが多く、「リフォーム推奨品」などのマークがカタログについていることがあります。

これらは下地の隠蔽性が高く、多少の凹凸があっても綺麗にカバーしてくれる優秀な製品です。

一方で、デザイン性を重視した輸入クロスや、繊細な柄の入った薄手のクロス、あるいは安価な量産品の中にも非常に薄い素材のものが存在します。

こうした薄いクロスを選んだ場合、下地のわずかな凹凸や、パテ処理の跡、あるいは古い裏紙の段差などを敏感に拾ってしまい、表面にボコボコとした質感として現れやすくなります。

これは施工技術の問題というよりは、素材の特性による「仕方のない現象」として扱われることも少なくありません。

リフォームの打ち合わせ段階で、経験豊富な担当者や職人であれば、「このクロスは薄いので、リフォームだと下地の凹凸が出やすいですよ」とアドバイスをしてくれることが多いです。

しかし、デザインを最優先して施主様が強く希望した場合や、説明不足のまま施工が進んだ場合、仕上がりを見て「思ったより平らじゃない」と感じることがあります。

特に、光沢のある素材や、平坦な単色のクロスは、凹凸が影として見えやすく、ボコボコ感が強調されてしまう傾向にあります。

薄いクロスを選ぶ際は、下地の状態がそのまま表面に出やすいリスクを理解しておく必要があります。

リフォーム後に壁紙がボコボコしていると感じた時、もしご自身が選んだクロスが薄手のものであれば、それはある程度許容しなければならない範囲かもしれません。

もちろん、あまりにも酷い段差であれば下地処理不足と言えますが、髪の毛一本分の段差でも拾ってしまうような薄いクロスの場合、職人の技術だけではどうにもならない限界点が存在します。

これを防ぐためには、リフォーム時にはなるべく厚手で、織物調などの凹凸のある柄(テクスチャ)が入ったクロスを選ぶのが、失敗しないコツと言えるでしょう。

また、機能性壁紙の中には、表面を強化するために硬く加工されているものがありますが、これらも柔軟性が低いために下地に馴染みにくく、浮きが生じやすい場合があります。

素材選びはデザインだけでなく、施工性やリフォーム適性も考慮しなければならないという、奥深い世界なのです。

 

光の当たり方で気泡や浮きが目立つこともある

壁紙の仕上がりを確認する際、意外と見落とされがちなのが「光の環境」です。

リフォーム後に壁紙がボコボコして見えるというクレームの現場に行ってみると、特定の時間帯や、特定の照明をつけた時だけ凹凸が気になるというケースが多々あります。

これは物理的な施工不良というよりも、光の入射角による視覚効果の影響が大きいのです。

例えば、壁のすぐ近くにダウンライトが設置されている場合や、壁を照らすようなスポットライト(ウォールウォッシャー)を使用している場合、光が壁面に沿って鋭角に当たります。

すると、肉眼ではほとんど確認できないようなわずかな微細な凹凸であっても、長い影が落ちることで強調され、まるで壁全体が波打っているかのように見えてしまうことがあります。

これを建築用語で「不陸(ふりく)が目立つ」と言います。

また、西日が強く差し込む部屋の壁なども同様です。

横からの強い光は、壁紙のジョイント(継ぎ目)やパテ処理の跡を残酷なほどに浮かび上がらせてしまいます。

これは石膏ボードという工業製品を下地に使い、職人が手作業で仕上げる内装工事において、完全にゼロにすることは物理的に不可能なレベルの微細な凹凸が原因であることが多いです。

完全に平滑な面を作るには、塗装仕上げのように全面パテ処理を行うなどの特殊な工程が必要となり、一般的なビニールクロス貼りの工賃では対応できないのが現実です。

照明の位置や種類、自然光の入り方によって、壁紙の凹凸の見え方は劇的に変わります。

もしリフォーム後に壁紙がボコボコしていると感じたら、まずは照明を消してみたり、カーテンを閉めてみたりして、見え方が変わるか確認してみてください。

特定の光の時だけ気になるのであれば、それは施工不良というよりも「光のいたずら」に近い現象かもしれません。

もちろん、あまりにも目立つ場合は職人に相談するべきですが、照明の角度を少し変えるだけで気にならなくなることもあります。

また、リフォーム前には気にならなかったのに、リフォームで照明器具を新しくしたり、位置を変えたりしたことで、急に壁のアラが見えるようになることもあります。

最新のLED照明は光の直進性が強く、陰影をくっきりと出す傾向があるため、より一層シビアな仕上がりが求められるようになっています。

このような事情も考慮に入れつつ、あまり神経質になりすぎないことも、快適に暮らすための秘訣かもしれません。

 

施工不良ではなく正常な反応である可能性

ここまで解説してきたように、リフォーム直後の壁紙に見られる変化には、正常なプロセスとしての現象が多く含まれています。

「リフォーム後に壁紙がボコボコしている」という事象イコール「手抜き工事・失敗」と直結させて考えてしまうのは早計です。

特に、施工後数日間の水分による膨れは、クロス施工において避けて通れない物理現象であり、むしろ糊がしっかりと塗布されている証拠とも言えます。

また、和紙クロスや一部の特殊な素材では、あえて下地と密着させずに周囲だけで留める「袋張り(浮かし張り)」という伝統的な工法が取られることもありますが、一般的な住宅リフォームのビニールクロスではまず行われません。

しかし、構造体の挙動(木造住宅の木の伸縮や揺れ)を吸収するために、入隅(部屋の角)などはあえて余裕を持たせて貼ることもあります。

これを「浮いている」と誤解されることもありますが、これは将来的なひび割れ(クロス切れ)を防ぐための職人の知恵である場合もあります。

大切なのは、最初から「業者が悪い」と決めつけずに、「今は乾燥期間かもしれない」「これは素材の特性かもしれない」という視点を持つことです。

もちろん、明らかに異常な状態(例えば、拳が入るほどの大きな浮きや、剥がれて垂れ下がっているなど)は論外ですが、数ミリ程度のポコポコとした浮きであれば、正常な反応の範囲内であることが多いのです。

正常な反応か施工不良かの判断は難しいため、まずは冷静に経過観察を行うことが大切です。

リフォーム業者としても、引き渡し直後に「ボコボコしている!」とお叱りの連絡を受けることは少なくありませんが、その多くは「1週間ほどお待ちください」と説明し、実際に1週間後には綺麗に直っているケースがほとんどです。

施主様にとっても、無用なストレスを感じないために、「クロスは生き物のように動くものだ」くらいの広い心で、完成後の変化を見守る余裕を持つと良いでしょう。

次章からは、それでも直らなかった場合の具体的な対処法について深掘りしていきます。

 

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リフォーム後に壁紙がボコボコしたまま直らない時の対処法

ポイント

  • 明らかに空気が入っているなら施工不良を疑う
  • 業者に連絡して現場を確認してもらう手順
  • 契約書を確認して保証期間内にやり直しを依頼
  • DIYでの修復はリスクが高いためプロに任せる
  • クレームを入れる前に現状を写真で記録する
  • まとめ:リフォーム後に壁紙がボコボコしたら焦らず対応

 

明らかに空気が入っているなら施工不良を疑う

1週間から10日ほど様子を見ても、リフォーム後に壁紙がボコボコしている状態が改善されない場合、あるいは日が経つにつれてひどくなっている場合は、施工不良の可能性が高まります。

特に注意深く観察すべきなのは、その膨らみの中身が「糊の水分」なのか、それとも「空気」なのかという点です。

水分による膨れであれば、蒸発とともに消えてなくなりますが、空気が閉じ込められている「エア噛み」の状態であれば、自然に抜けることはまずありません。

見分け方のコツとしては、指で優しく触れてみることです。

水分を含んでいる場合は、少し湿り気を感じるような重たい感触や、ブヨブヨとした柔らかさがあります。

一方で、空気が入っている場合は、風船のようにプクプクとした軽い感触で、押すと中の空気が移動するような感覚があります。

また、乾燥期間を過ぎても全く大きさが変わらない、あるいは照明を当てると明確に影ができるほど浮き上がっている場合は、空気抜きが不十分だった可能性が高いでしょう。

このような「エア噛み」は、職人がヘラ(撫で刷毛)で空気を抜きながら貼っていく作業の中で、抜ききれなかった箇所が残ってしまったミスと言えます。

特に、天井や梁の周り、コンセント周りなどの複雑な形状の場所で起こりやすい現象です。

また、端部(クロスの縁)が浮いている場合は、糊付け不足や、圧着不足による「剥がれ」の前兆であることもあります。

これらは放置しても直ることはなく、むしろ湿気や乾燥の繰り返しで範囲が広がる恐れもあるため、早めの対処が必要です。

乾燥期間を過ぎても残る空気の膨らみは、自然治癒しない施工不良のサインです。

さらに、下地処理の際のパテの粉が残ったままクロスを貼ってしまい、接着不良を起こしているケースもあります。

この場合も部分的に浮きが発生し、ボコボコとした見た目になります。

いずれにせよ、1週間以上経過しても変化がない「空気の入った膨らみ」は、職人の手直しが必要なレベルの不具合と判断して差し支えありません。

遠慮せずに次のステップである業者への連絡に進みましょう。

 

業者に連絡して現場を確認してもらう手順

施工不良の疑いがある場合、リフォーム業者へ連絡を取ることになりますが、この時の伝え方一つでその後の対応のスムーズさが変わってきます。

いきなり「下手くそ!やり直せ!」と感情的に電話をするのは得策ではありません。

あくまで冷静に、「気になる箇所があるので確認してほしい」というスタンスで連絡を入れるのが、賢い施主の振る舞いです。

まず、担当者(営業や現場監督)に電話やメールで状況を伝えます。

「リフォーム完了から〇週間経過しましたが、壁紙の一部に浮きが見られます。

乾燥すれば直ると聞いていましたが、変化がないようなので、一度見ていただけないでしょうか」と具体的に伝えましょう。

この時、どの部屋のどの部分か、大きさはどのくらいか、何箇所あるかなどを事前にメモしておくとスムーズです。

日程調整を行い、実際に現地調査に来てもらうことになりますが、必ず施主様本人が立ち会うようにしてください。

そして、気になる箇所を指差して一緒に確認し、業者の見解を聞きましょう。

良心的な業者であれば、「これは空気ですね、すぐに直します」と非を認めて手配をしてくれるはずです。

もし「これは許容範囲です」と言われた場合でも、納得がいかないならば、「なぜ許容範囲なのか」「直すにはどうすればいいか」をしっかりと質問し、食い下がる姿勢も時には必要です。

業者への連絡は感情的にならず、事実を淡々と伝えて現地確認を求めるのが解決への近道です。

また、職人が直接直しに来る場合と、まずは営業担当が見に来る場合があります。

職人が来る場合は、その場で補修道具(注射器やローラーなど)を使って直してくれることもあります。

小さな空気の膨らみ程度であれば、注射器で糊を注入し、ローラーで圧着する「注入補修」で数分で綺麗になることも多いです。

大掛かりな張り替えが必要かどうかは、現場での判断になりますので、まずはプロの目で診断してもらうことが解決の第一歩です。

リフォーム業者側も、アフターフォローは信頼に関わる重要な業務と捉えているところがほとんどです。

施工後の不具合に対する連絡は、クレーマー行為ではなく正当な権利ですので、遠慮や我慢をする必要は全くありません。

「綺麗にしてくれてありがとう」という感謝の気持ちを持ちつつも、直すべきところはきっちりと直してもらう、対等な関係でのコミュニケーションを心がけましょう。

 

契約書を確認して保証期間内にやり直しを依頼

リフォーム後に壁紙がボコボコしている問題について業者と交渉する際、強力な武器となるのが「契約書」と「保証書」です。

リフォーム工事を行う際には、通常、工事請負契約書が交わされ、その約款の中に「保証」に関する条項が含まれています。

また、工事完了後に「保証書」が発行されているケースも多いでしょう。

内装仕上げ工事(クロス貼りなど)の保証期間は、業者によって異なりますが、一般的には「引き渡しから1年〜2年」と設定されていることが多いです。

この期間内に発生した施工不良(剥がれ、浮き、著しい隙間など)については、無償で補修を行う義務が業者にはあります。

これを「契約不適合責任(民法改正前の瑕疵担保責任)」に基づいた対応と言います。

もし手元に契約書や保証書があるなら、まずはその内容を確認してください。

「内装工事 保証期間」の欄にどう記載されているか、また「免責事項」としてどのようなケースが除外されているかをチェックします。

例えば、「建物の構造上の欠陥による歪み」や「使用者の過失による破損」、「天災による被害」などは免責(保証対象外)となることが一般的ですが、単なる施工時の空気抜き忘れや接着不良であれば、間違いなく保証の対象となります。

保証期間内であれば、施工不良による壁紙の補修は基本的に無償で受けることができます。

口頭での約束は「言った言わない」のトラブルになりがちですが、書面での保証があれば話は早いです。

「保証書に基づき、無償での補修をお願いします」と伝えるだけで、業者は対応せざるを得なくなります。

もし契約書が見当たらない場合や、小規模な工事で口約束だけで済ませてしまった場合でも、民法上の原則や、建設業法の観点から、明らかな施工ミスであれば責任を追及することは可能です。

ただし、リフォームから数年が経過してから「やっぱり気になる」と言い出しても、経年劣化として処理され、有償補修となる可能性が高いです。

だからこそ、リフォーム直後のチェックと、不具合を見つけた際の迅速な行動が重要になるのです。

保証期間は「権利を行使できる期間」ですので、期限切れになる前にしっかりと確認し、納得のいく仕上がりを手にしましょう。

 

DIYでの修復はリスクが高いためプロに任せる

インターネットで「壁紙 浮き 直し方」などと検索すると、DIYでの補修方法を紹介する記事や動画がたくさん出てきます。

注射器を使って糊を入れたり、カッターで切り込みを入れて空気を抜いたりする方法です。

これらを見ると、「業者を呼ぶのも面倒だし、自分でやってしまおう」と思うかもしれませんが、リフォーム直後の不具合に関して言えば、DIYでの修復は絶対におすすめしません。

最大の理由は、「失敗した時のリスク」と「責任の所在が曖昧になること」です。

もしご自身でカッターを入れて補修しようとし、切り口が汚くなってしまったり、糊をつけすぎてシミになってしまったりした場合、その後で業者に見せても「これはお客様が触ってしまったので、施工不良の保証対象外です」と言われる可能性があります。

つまり、無償で直してもらえたはずのものが、自分で手を加えたせいで有償での張り替えになってしまうリスクがあるのです。

また、クロスの補修技術は想像以上に繊細です。

カッターの入れ方一つ取っても、下地の石膏ボードまで切ってしまうと、将来的にそこからクロスが割れてくる原因になります。

また、市販のボンドや糊はプロが使うものとは成分が異なる場合があり、変色や剥がれの原因になることもあります。

特に「ジョイントコーク」と呼ばれる充填剤を素人が使うと、色が合わなかったり、テカリが出たりして、かえって補修箇所が目立ってしまう失敗例が後を絶ちません。

リフォーム直後の不具合をDIYで直そうとすると、保証が受けられなくなる大きなリスクがあります。

プロの職人は、クロスの種類や状態に合わせて、最適な糊の濃度や注入量、ローラーの力加減を調整しています。

一見簡単そうに見える作業でも、そこには長年の経験が詰まっているのです。

せっかくリフォーム代金を支払ってプロに依頼したのですから、その仕上がりに責任を持ってもらうのは当然のことです。

自分で何とかしようという親切心やDIY精神は一旦封印し、不具合に関しては全て業者に委ねるのが、最終的に最も綺麗に、かつ追加費用をかけずに解決する方法です。

どうしても自分でやらなければならない状況(業者が倒産したなど)を除き、まずは「触らない」を徹底してください。

気になるからといって指で何度も押していると、手垢がついたり、クロスの表面が伸びてしまったりして、状況を悪化させるだけです。

 

クレームを入れる前に現状を写真で記録する

業者に連絡をする前、あるいは現地調査に来てもらう前に、必ずやっておくべきことが「現状の記録」です。

リフォーム後に壁紙がボコボコしている箇所の写真を、スマートフォンやデジタルカメラで撮影しておきましょう。

これは単なる記念撮影ではなく、後の交渉や確認作業において非常に重要な「証拠」となります。

写真撮影のポイントは、「全体の場所がわかる写真(引き)」と「不具合の詳細がわかる写真(寄り)」の両方を撮ることです。

寄り写真だけだと、どこの壁なのか判別がつかなくなることがあります。

また、浮きの大きさがわかるように、定規やメジャー、あるいはコインなどを横に添えて撮影すると、客観的なサイズ感が伝わりやすくなります。

さらに、光の当たり具合でボコボコの見え方が変わる場合は、照明を点けた状態と消した状態、昼間と夜間など、複数のシチュエーションで撮影しておくと説得力が増します。

「夜、ダウンライトを点けるとこのように見えます」と写真を見せれば、昼間に来た業者が「今は見えませんが…」と言い逃れするのを防ぐことができます。

写真は「言った言わない」を防ぎ、不具合の存在を客観的に証明する最強のツールです。

また、これらの写真は時系列での変化を確認するのにも役立ちます。

「施工後3日目」「1週間後」「2週間後」と日付入りで記録しておけば、「時間が経てば直ると言われましたが、2週間経っても全く変わっていません(むしろ大きくなっています)」という主張に、動かぬ根拠を持たせることができます。

口頭での説明だけでは伝わりにくいニュアンスも、写真が一枚あれば一目瞭然です。

万が一、業者とのトラブルがこじれて第三者機関(紛争処理センターや弁護士など)に相談することになった場合にも、この記録写真は極めて重要な資料となります。

転ばぬ先の杖として、気になったその瞬間にパシャリと撮っておく習慣をつけましょう。

デジタルデータであれば消すのは簡単ですが、その瞬間の状態は二度と戻ってこないからです。

 

まとめ:リフォーム後に壁紙がボコボコしてたら焦らず対応

リフォームという大きなイベントの後に、期待していた壁紙がボコボコしていたら、誰しもがショックを受け、不安になるのは当然です。

しかし、本記事で解説してきたように、その多くは糊の水分による一時的な現象であり、時間の経過とともに美しく仕上がっていくものです。

まずは慌てずに1週間程度の乾燥期間を置き、経過を見守る心の余裕を持ちましょう。

それでも直らない場合や、明らかに空気が入っている場合でも、正しい手順で業者に相談すれば、ほとんどのケースで適切に対応してもらえます。

大切なのは、感情的にならず、証拠を残し、契約に基づいた正当な権利として補修を求めることです。

そして何より、素人判断でのDIY補修は避け、プロの手に委ねることが解決への近道です。

リフォームは工事が終わって完了ではありません。

その後の暮らしの中で馴染んでいき、アフターフォローを経て本当の意味での完成を迎えます。

壁紙のボコボコという小さなトラブルも、適切な対応を行えば、より愛着のある住まいへと昇華させていくことができるはずです。

この記事が、あなたの不安を解消し、快適なリフォームライフの一助となれば幸いです。

 

記事のまとめ

  • リフォーム直後のボコボコは糊の水分が原因であることが多い
  • 水分が蒸発してクロスが馴染むまで約1週間は様子を見る
  • 乾燥期間中は触ったり押したりせず自然乾燥を待つ
  • 室内の湿度管理と適度な換気が仕上がりを良くする
  • 冬場の過度な暖房による急激な乾燥は避ける
  • 下地処理不足やパテ痩せが原因で凹凸が出ることもある
  • 薄手のクロスは下地の影響を受けやすいため選定に注意が必要
  • 照明の角度や種類によって不陸(凹凸)が強調される場合がある
  • 1週間過ぎても直らない空気の膨らみは施工不良の可能性大
  • 指で押してプクプクする感触なら空気が入っている証拠
  • 業者への連絡は冷静に、現地確認を依頼するスタンスで
  • 保証期間内であれば無償補修の対象になることがほとんど
  • DIYでの自己流補修は保証対象外になるリスクがあるため厳禁
  • 現状を写真に撮って記録し、交渉の証拠として残す
  • リフォーム後に壁紙がボコボコしても正しい手順で解決可能

 

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