家のメンテナンスとして外壁塗装を検討し始めると、外壁や屋根はすべてきれいに塗り直してもらえるものだと思いがちです。
しかし実際には、プロの業者であっても塗装を避けるべき場所や、物理的に塗ることが推奨されない素材が存在します。
これを知らずに工事を進めてしまうと、せっかく費用をかけたのに数年で塗膜がボロボロに剥がれてしまったり、建材そのものの寿命を縮めてしまったりするトラブルになりかねません。
特にDIYでリフォームを行おうと考えている方は注意が必要です。
ホームセンターで塗料を買ってきて、見よう見まねでアルミサッシやステンレス部分まで塗ってしまうと、後から取り返しのつかない状態になることもあります。
また、業者に依頼する場合でも、見積もりの段階で塗装範囲をしっかりと確認しておかないと、工事が終わってから「ここは塗ってくれないの?」という認識のズレが生じることも珍しくありません。
外壁塗装で塗れない箇所には、それぞれ明確な理由があります。
例えば、アルミやステンレスといった金属は表面が滑らかで塗料が密着しにくいため、すぐに剥がれる原因となります。
銅製の雨樋や水切りは、経年による変色を楽しむものであり、塗装はその美観を損ねてしまいます。
また、基礎コンクリートは地面からの湿気を逃がす役割を持っており、通気性のない塗料で塞いでしまうと内部の鉄筋を傷めるリスクがあるのです。
さらに、屋根材の中にはパミールのように、塗装しても基材自体が層間剥離を起こして崩れてしまうため、塗装が無意味となるケースもあります。
シャッターの可動部分を塗ってしまうと、巻き上げ時に塗料が抵抗となって故障の原因になることも知っておかなければなりません。
給湯器の裏などの狭いスペースも、物理的に手が入らず塗装が困難な場合があります。
この記事では、そうした塗装に適さない箇所ごとの詳細な理由と、もし塗装してしまった場合のリスク、そして適切なメンテナンス方法について深掘りしていきます。
正しい知識を持つことは、悪質な業者を見抜く力にもなりますし、タウンライフリフォームのような一括見積もりサービスを利用して優良業者を比較検討する際にも役立つはずです。
この記事でわかること、ポイント
- アルミやステンレスなどの金属パーツが塗装に適さない具体的な理由
- 銅製の雨樋や水切りを塗装することで失われる本来の美観と価値
- 基礎コンクリートを不用意に塗装することで生じる建物の構造的リスク
- シャッターの可動部分やゴムパッキンを塗った場合に起こりうる故障トラブル
- パミールなどの特定の屋根材に塗装が無意味である科学的な根拠
- 給湯器の裏側など物理的に塗装が困難な場所への対処法とプロの判断
- 外壁塗装で塗れない箇所を正しく理解して優良業者を見極めるための知識
外壁塗装で塗れない箇所の主な素材と理由
ポイント
- アルミサッシや手すりは密着しにくい
- 銅製の雨樋や水切りは変色を楽しむ
- ステンレスなどの金属は塗料が乗らない
- 日本瓦はいぶし銀の美しさを保つため
- 基礎コンクリートは湿気の逃げ道を確保
- シャッターの可動部分は故障の原因になる
アルミサッシや手すりは密着しにくい
住宅の窓枠やベランダの手すりなどに広く使われているアルミ製品は、基本的に外壁塗装の対象外となる代表的な素材です。
アルミという金属は、表面が非常に平滑で緻密な酸化皮膜に覆われているため、一般的な塗料を塗っても物理的に食いつきが悪く、密着しにくいという性質を持っています。
塗装工事の直後はきれいに色が乗っているように見えても、数年も経たないうちに塗膜がパリパリと剥がれてきたり、ウロコ状にめくれてきたりすることがよくあります。
これは、アルミ素材と塗料の間に十分な結合力が生まれていないために起こる現象です。
一度剥がれ始めると、見た目が非常に汚らしくなり、かえって住宅の美観を損ねてしまう結果となります。
もちろん、絶対に塗れないというわけではありません。
プロの業者が行う場合、サンドペーパーなどで表面を細かく傷つける「目荒らし(ケレン)」という作業を行い、その上でアルミ専用のプライマー(下塗り材)を使用することで塗装を可能にすることはできます。
しかし、どれほど丁寧に下地処理を行ったとしても、外壁材や屋根材への塗装に比べれば塗膜の寿命は短く、将来的な剥がれのリスクを完全にゼロにすることは難しいのが現実です。
また、アルミサッシは元々、耐候性に優れた電着塗装やアルマイト加工などの工場塗装が施されており、メンテナンスフリーで長期間使用できることを前提に作られています。
そのため、経年劣化で多少の白サビが出たり艶が引いたりしていたとしても、無理に上から塗装をするよりは、洗浄のみで済ませる方が長期的なメンテナンスコストや美観維持の観点からは賢明な判断となるケースが多いのです。
もしアルミサッシの色を変えたいという強い希望がある場合は、塗装ではなく、専用のフィルムを貼る方法や、カバー工法でサッシごと交換する方法を検討する方が、仕上がりの美しさと耐久性の面で満足度が高くなるでしょう。
安易に「ついでに塗っておきますね」と言う業者には注意が必要です。
銅製の雨樋や水切りは変色を楽しむ
和風住宅や寺社仏閣などでよく見られる銅製の雨樋や水切り、屋根の装飾などは、外壁塗装で塗れない箇所、あるいは塗るべきではない箇所の一つです。
銅という素材は、新品の時は輝くような赤銅色をしていますが、空気に触れて雨風にさらされることで徐々に酸化し、十円玉のような茶色を経て、最終的には「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる青緑色の錆(さび)を生成します。
この緑青は、内部の金属が腐食するのを防ぐ保護膜の役割を果たしており、銅製品の耐久性を飛躍的に高める天然のコーティングと言えます。
また、この経年変化による色の移ろいは、日本の建築美における「わび・さび」の風情として古くから愛されてきました。
つまり、銅製品は変色すること自体が正常な状態であり、その変化を楽しむ素材なのです。
このような特性を持つ銅製品の上にペンキを塗ってしまうことは、素材が持つ本来の耐久性を損なうだけでなく、美的価値を台無しにしてしまう行為に他なりません。
一度塗装してしまうと、後から塗料を剥がして元の銅の風合いに戻すことは極めて困難です。
また、銅の表面に塗料を塗っても、酸化皮膜の影響で密着が悪く、早期に剥がれてしまう可能性が高いという技術的な問題もあります。
もし銅製の雨樋に穴が空いたり、破損したりしている場合は、塗装で補修するのではなく、板金工事として銅板の交換や補修を行うのが正しいメンテナンス方法となります。
塗装業者との打ち合わせの際には、銅製部分には手を触れないよう指示するか、あるいは塗装ではなく交換が必要かどうかを板金業者に見てもらうよう相談するのが良いでしょう。
知識のない業者が良かれと思って銅部分を塗りつぶしてしまうトラブルも稀にあるため、事前の確認が不可欠です。
銅は「育てる素材」であるという認識を持ち、塗装メンテナンスの対象から除外して考えることが大切です。
ステンレスなどの金属は塗料が乗らない
ステンレスもまた、外壁塗装で塗れない箇所として挙げられる代表的な金属素材です。
ステンレス(Stainless Steel)はその名の通り「錆びにくい鉄」であり、クロムなどの成分を含ませることで表面に強力な不動態皮膜を形成しています。
この皮膜のおかげで優れた耐食性を発揮するのですが、同時にこの皮膜が塗料の密着を阻害する要因にもなります。
換気扇のフードや手すり、一部の水切りなどにステンレスが使われていることがありますが、これらを一般的な鉄部用の塗料で塗装してしまうと、アルミと同様に短期間で塗膜がペリペリと剥がれてしまいます。
表面がツルツルとしていて塗料が引っかかる足がかりがないため、物理的に結合力が弱く、温度変化による膨張収縮の差にも耐えられないのです。
ステンレス専用のプライマーを使用すれば塗装自体は不可能ではありませんが、ステンレスは素材そのものが非常に美しく、耐久性も高いため、あえて塗装で保護する必要性が低いという側面もあります。
塗装をすることでかえってメンテナンスのサイクルを早めてしまい、剥がれた塗膜の処理に追われることになりかねません。
ステンレス部分は塗装を行うのではなく、専用のクリーナーや研磨剤を使って磨き上げ、汚れを落として本来の輝きを取り戻す「クリーニング」で対応するのが一般的であり、最も美しい仕上がりとなります。
もし錆が発生している場合でも、軽度であれば研磨で落とすことができますし、重度の場合は部材の交換を検討すべきです。
ただし、「もらい錆」などで美観が著しく損なわれている場合や、デザイン上の理由でどうしても色を付けたい場合に限り、入念な下地処理と特殊な塗料を用いて塗装を行うケースもありますが、これはあくまで例外的な対応と考えた方が良いでしょう。
日本瓦はいぶし銀の美しさを保つため
屋根塗装において、スレートやセメント瓦は塗装によるメンテナンスが必須とされていますが、伝統的な日本瓦(いぶし瓦や釉薬瓦・陶器瓦)は、原則として塗装が不要、つまり外壁塗装で塗れない箇所に含まれます。
日本瓦は粘土を高温で焼き上げて作られる陶器の一種であり、その表面は非常に硬く、半永久的な耐久性を持っています。
特に「いぶし瓦」は、焼成の最終工程で燻化(くんか)を行うことで表面に炭素皮膜を形成し、独特のいぶし銀の光沢を放ちます。
また「釉薬瓦」は、ガラス質の釉薬(うわぐすり)をかけて焼成されているため、水や汚れを寄せ付けず、色あせすることもほとんどありません。
これらは茶碗や皿と同じようなもので、表面を塗装する必要がそもそもないのです。
もし日本瓦に塗装をしてしまうと、せっかくの炭素皮膜やガラス質の層の上に異物を貼り付けることになり、数年で塗膜が見苦しく剥がれてくることになります。
それだけでなく、瓦同士の隙間を塗料で埋めてしまうような施工をされると、毛細管現象によって雨水が吸い上げられ、雨漏りの原因になるリスクさえあります。
日本瓦のメンテナンスで必要なのは塗装ではなく、漆喰(しっくい)の詰め直しや、ズレた瓦の補正、割れた瓦の交換といった作業です。
「瓦が古くなっているから塗装しましょう」と勧めてくる業者がいた場合は、瓦の知識が乏しいか、あるいは不必要な工事を迫る悪質な業者である可能性が高いので警戒が必要です。
ただし、セメントを主成分とする「セメント瓦」や「モニエル瓦」に関しては、防水性が切れると劣化するため塗装メンテナンスが必要となります。
自宅の瓦が日本瓦なのか、セメント瓦なのかを見極めることが非常に重要です。
基礎コンクリートは湿気の逃げ道を確保
建物を支える土台となる基礎コンクリート部分は、地面に近い位置にあるため汚れやひび割れが目につきやすく、外壁と一緒にきれいに塗装したいと考える方も多いでしょう。
しかし、従来の一般的な考え方では、基礎部分は外壁塗装で塗れない箇所とされてきました。
その最大の理由は「湿気」です。
基礎コンクリートは、地面からの水分を吸い上げたり、床下の湿気を放出したりして、常に呼吸をしているような状態にあります。
ここに外壁と同じような防水性の高い塗料を塗ってしまうと、コンクリート内部から出ようとする水分の逃げ道を塞いでしまうことになります。
行き場を失った水分は、塗膜の内側で圧力となり、塗膜の「膨れ」や「剥がれ」を引き起こします。
さらに深刻な問題として、コンクリート内部に水分が滞留し続けることで、コンクリートの中性化が促進されたり、内部の鉄筋が錆びて膨張しコンクリートを破壊する「爆裂現象」につながったりする恐れもあります。
建物の強度に関わる部分だけに、安易な塗装は避けるべきとされてきました。
ただし近年では、基礎コンクリート専用の「通気性塗料」や「中性化防止塗料」といった機能性塗料が開発されており、これらを使用することで基礎の保護と美観向上を両立させることが可能になってきています。
これらの塗料は、外部からの雨水は弾きつつ、内部からの湿気(水蒸気)は通すという特殊な性質を持っています。
重要なのは、基礎を塗装する場合は必ず「基礎専用の通気性がある塗料」を使用することであり、決して外壁用の余った塗料を使い回してはいけないということです。
見積もりを確認する際には、基礎部分が塗装範囲に含まれているか、含まれている場合はどのような塗料を使用するのかを必ず確認しましょう。
「サービスで基礎も塗っておきますよ」と言われた場合、適当な塗料を塗られて後で剥がれてくるトラブルが多いため、使用する塗料の缶やカタログを見せてもらうなど、慎重な対応が求められます。
シャッターの可動部分は故障の原因になる
雨戸やシャッターも外壁塗装の際にきれいにしたい箇所の一つですが、特にシャッターに関しては「塗れない箇所」、正確には「塗ってはいけない箇所」が存在します。
それは、シャッターの蛇腹部分(スラット)が巻き取られる可動部分です。
シャッターは開閉時にスラット同士が重なり合い、上部のシャッターボックス内にきつく巻き取られて収納される構造になっています。
このスラット部分に塗装をしてしまうと、塗膜の厚みが加わることで巻き取り時の径が大きくなり、ボックス内部で擦れたり引っかかったりする原因になります。
また、塗料の粘着性によってスラット同士がくっついてしまい、スムーズに動かなくなることもあります。
最悪の場合、モーターに過度な負荷がかかって故障したり、シャッターが途中で止まって動かなくなったりするトラブルに発展します。
そのため、多くの塗装業者では、シャッターボックス(収納ケース)やガイドレール(枠)の外側部分は塗装を行いますが、動くスラット部分については塗装不可とするか、あるいはリスクを説明した上で薄膜での吹き付け塗装を行うなど、慎重な対応をとります。
DIYでシャッターを塗ろうとして、ハケやローラーで厚塗りしてしまうと、ほぼ間違いなく動作不良を引き起こすため絶対に避けるべきです。
また、窓枠の周りにあるゴムパッキン(ガスケット)も、塗料に含まれる溶剤成分によって劣化し、硬化したり溶けたりすることがあります。
ゴムパッキンには可塑剤という成分が含まれており、これが塗料と反応して「ブリード現象」という黒ずみ汚れを引き起こすこともあります。
そのため、ゴムパッキン部分はマスキングテープで養生して塗らないようにするか、あるいは「逆プライマー」などの特殊な下塗り材を使用して成分の移行を抑える処置が必要です。
外壁塗装で塗れない箇所を無理に塗るリスクと対策
ポイント
- パミールなどの屋根材は塗装しても剥がれる
- 給湯器の裏や狭い場所は物理的に不可能
- DIYで判断せずにプロに相談すべき理由
- 見積もりで塗装範囲をしっかり確認する
- 外壁塗装で塗れない箇所を理解して優良業者へ
パミールなどの屋根材は塗装しても剥がれる
外壁塗装とセットで行われることが多い屋根塗装ですが、屋根材の種類によっては「塗装自体が無意味」であり、塗れない箇所と判断されるものがあります。
その代表例が、1996年から2008年頃にかけてニチハ株式会社から製造・販売されたスレート屋根材「パミール」です。
パミールは、製造過程でのアスベスト規制強化に伴い、ノンアスベスト建材として開発されましたが、経年劣化により屋根材がミルフィーユ状(層状)に剥離していくという重大な不具合が報告されています。
この現象は「層間剥離」と呼ばれ、屋根材の先端からパリパリと層がめくれ上がり、ボロボロになって崩れ落ちてきます。
このような状態のパミール屋根に対して、いくら高価な塗料を塗って表面を固めようとしても、基材そのものが内側から剥がれてしまうため、塗膜もろとも剥落してしまいます。
つまり、塗装によるメンテナンス効果が全く期待できないのです。
塗装直後はきれいに見えても、一冬越せば元の木阿弥となり、費用をドブに捨てることになってしまいます。
パミール以外にも、「コロニアルNEO」や「レサス」など、同時期に製造された一部のノンアスベスト屋根材には、ひび割れや欠けが発生しやすいものがあり、塗装には不向きとされています。
もし自宅の屋根がパミールであると診断された場合、適切なメンテナンス方法は塗装ではなく、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる「カバー工法(重ね葺き)」や、屋根材をすべて撤去して新しくする「葺き替え工事」となります。
知識のない業者がパミールであることを認識せずに塗装の見積もりを出してくるケースもあるため、築年数や図面から屋根材の種類を特定し、正しい提案をしてくれる業者を選ぶことが資産を守る鍵となります。
給湯器の裏や狭い場所は物理的に不可能
外壁塗装において、意外と見落とされがちなのが「物理的に道具や手が届かない場所」です。
その典型的な例が、外壁に設置された給湯器の裏側です。
最近の住宅では、省スペースのために給湯器が外壁にぴったりと設置されていることが多く、壁との隙間が数センチしかないケースも珍しくありません。
このような狭い隙間には、ローラーもハケも入らないため、物理的に塗装することができません。
無理に棒の先に刷毛をつけて塗ろうとしても、ムラになったり、塗り残しができたりするだけでなく、給湯器の配管や配線を傷つけてガス漏れや故障を引き起こすリスクがあります。
また、給湯器には排気口があり、養生(カバー)をする際にも完全に塞いでしまうと、テスト運転時などに不完全燃焼を起こして一酸化炭素中毒の事故につながる危険性さえあります。
そのため、給湯器の裏側については「塗れる範囲まで塗る」というのが一般的な対応となります。
もし、どうしても裏側まできれいに塗りたい場合は、塗装工事の前にガス業者や設備業者に依頼して、一度給湯器を取り外してもらう必要があります。
これには脱着費用が別途かかりますし、工事期間中はお湯が使えなくなるという不便も生じます。
同様に、隣家との距離が極端に狭い場合も、足場を組むスペースが確保できず、人が入り込めないために塗装不可となることがあります。
物置の裏側なども、物置を移動できなければその裏は塗れません。
こうした物理的な制約がある箇所については、事前に業者と現地調査を行い、「どこまで塗れるのか」「塗れない部分はどのように処理するのか(見えない部分なのでそのままにするのか、手の届く範囲で塗るのか)」を明確に話し合っておくことが、後々のトラブルを防ぐために重要です。
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DIYで判断せずにプロに相談すべき理由
最近ではDIYブームもあり、ホームセンターやネット通販でプロ仕様の塗料を手軽に購入できるようになりました。
そのため、「節約のために自分で外壁や付帯部を塗ろう」と考える方も増えています。
しかし、ここまで解説してきたように、外壁塗装には「塗ってはいけない箇所」や「適切な下地処理が必要な素材」が無数に存在します。
プロの職人は、長年の経験と知識に基づいて、素材ごとの塗料の選定や、塗装の可否を瞬時に判断しています。
一方、一般の方がこれらをすべて正しく判断するのは非常に困難です。
例えば、「錆びているから」といってステンレスに一般のサビ止めを塗ってしまったり、通気性が必要な軒天(のきてん)や基礎に防水塗料を厚塗りしてしまったりと、良かれと思ってやったことが逆効果になるケースが後を絶ちません。
特に危険なのは、高所作業です。
2階周りの雨樋や破風板を塗ろうとして梯子から転落する事故は毎年発生しています。
また、適切な養生ができずに塗料を飛散させ、近隣の車や家を汚してしまえば、損害賠償問題に発展することもあります。
外壁塗装は単に色を塗るだけでなく、建物を長期的に保護するための「工事」です。塗れない箇所を見極める「診断力」こそがプロの価値と言えます。
自分で塗って失敗した後にプロに修正を依頼すると、剥がれかけた塗膜をすべて除去する作業(剥離作業)が必要となり、最初から依頼するよりも高額な費用がかかってしまうことが多々あります。
「餅は餅屋」という言葉通り、建物の寿命に関わる重要なメンテナンスは、自己判断せずに専門知識を持ったプロに相談するのが最も安全で確実な方法です。
見積もりで塗装範囲をしっかり確認する
業者に外壁塗装を依頼する際、最も重要なのが見積もりの内容確認です。
見積書に「外壁塗装一式」としか書かれていない場合、具体的にどこまでが含まれているのかが不明瞭です。
トラブルを避けるためには、塗れない箇所や塗らない箇所が明確に除外されているか、あるいは特別な処置として記載されているかをチェックする必要があります。
例えば、「サッシ周りのシーリング(コーキング)は打ち替えるが、サッシ枠自体は塗らない」「雨戸は塗装するが、レールと鍵部分は塗らない」「基礎部分は見積もりに含まれていない(または専用塗料で計上されている)」といった細かい区分けがされているかどうかがポイントです。
優良な業者であれば、現地調査の段階で「このアルミサッシは塗料が密着しないので塗りません」「この銅製の雨樋は風合いを生かすためにそのままにします」といった説明を自ら行ってくれます。
逆に、何の説明もなく「全部きれいにしますよ!」と安請け合いする業者は、知識不足か、契約を取りたいだけの悪質な業者である可能性が高いと言えます。
見積もりの段階で、複数の業者から相見積もり(あいみつもり)を取ることは、こうした業者の質を見極める上で非常に有効です。
A社は「屋根は塗装不可(カバー工法提案)」と言っているのに、B社は「屋根塗装一式」で見積もりを出してきた場合、B社はパミールなどの屋根材の知識がない可能性があります。
このように、複数の視点で診断結果を比較することで、塗れない箇所に関する正しい判断が見えてきます。
価格だけでなく、診断の正確さと提案内容の信頼性を重視して業者を選ぶことが成功への近道です。
外壁塗装で塗れない箇所を理解して優良業者へ
外壁塗装で塗れない箇所について正しく理解することは、自宅を長く大切に守るための第一歩です。
アルミや銅、ステンレスといった素材の特性、基礎コンクリートや特定の屋根材が抱えるリスクを知っていれば、業者の提案が理にかなっているかをご自身で判断できるようになります。
塗れない箇所を無理に塗ってしまい、数年後にボロボロになって後悔するのは避けたいものです。
だからこそ、塗装工事を検討する際には、一社だけの意見を鵜呑みにせず、複数の専門家の意見を聞くことが大切です。
ここで役立つのが、信頼できるリフォーム会社を一括で比較できるサービスの利用です。
例えば、「タウンライフリフォーム」のような無料一括見積もりサービスを活用すれば、地元の優良業者複数社に一括で資料請求や見積もり依頼ができます。
各社から提出される「塗装プラン」や「現場調査報告書」を見比べることで、どの業者が「塗れない箇所」を適切に診断しているかが一目瞭然となります。
また、相見積もりを行うことで適正な価格相場を知ることができるため、不当に高い金額を請求されたり、逆に安すぎて手抜き工事をされたりするリスクを大幅に減らすことができます。
特に外壁塗装は10年に一度の高額な出費となるため、失敗は許されません。
「塗れない箇所」を正直に伝えてくれる業者は、目先の利益よりも顧客の家のことを真剣に考えている証拠です。
これからプロによる外壁塗装を検討しているのなら、タウンライフリフォームでの無料一括見積もり、相見積もりは優良業者比較・価格相場を知る意味でもやって損はありません。
自分の家の状況に合った最適な提案をしてくれるパートナーを見つけるために、ぜひこうしたツールを賢く活用してください。
正しい知識と適切な業者選びで、美しく長持ちする住まいを実現しましょう。
記事のまとめ
- アルミサッシは表面が滑らかで塗料が密着せず剥がれやすい
- 銅製の雨樋や水切りは酸化による変色が正常であり塗装は不要
- ステンレスは錆びにくく塗料が乗りにくいため塗装に適さない
- 日本瓦はいぶし銀の皮膜やガラス質を持つため塗装メンテナンスは不要
- 基礎コンクリートは湿気の逃げ道を塞ぐため通気性のない塗料はNG
- シャッターの可動部分は塗膜の厚みで巻き込み不良や故障の原因になる
- パミールなどの特定の屋根材は層間剥離を起こすため塗装が無意味
- 給湯器の裏側や隣家との隙間など物理的に道具が入らない場所は塗れない
- ゴムパッキンは塗料の溶剤で劣化やブリード現象を起こすことがある
- 塗れない箇所を無理に塗ると美観を損ねるだけでなく機能障害のリスクも
- DIYでの判断は難しく失敗するとリカバリーに高額な費用がかかる
- 見積もり時には塗装除外箇所が明確に記載されているか確認する
- 「全部塗れます」という業者よりもリスクを説明する業者が信頼できる
- 相見積もりを取ることで業者の知識レベルや診断の正確さを比較できる
- タウンライフリフォームなどを活用して優良業者を見極めることが重要