「ヒノキ造りの家だから、シロアリ対策は必要ない」と安心していませんか。
確かに、ヒノキは古くから寺社仏閣に使われるほど耐久性が高く、シロアリに強い木材として知られています。
しかし、その評判が嘘だと言われることがあるのも事実です。
実際には、ヒノキのシロアリ被害は決して珍しいことではありません。
特に、家の土台部分や湿気の多いヒノキ風呂などは注意が必要となります。
では、なぜシロアリに強いはずのヒノキが被害に遭ってしまうのでしょうか。
その原因は、ヒノキの部位による耐性の違いや、防蟻成分として知られるヒノキチオールの含有量の誤解にあります。
この記事では、ヒノキのシロアリ被害がなぜ起こるのか、そのメカニズムを詳しく解説します。
さらに、被害を未然に防ぐための具体的な対策、万が一被害を発見した際の駆除方法、そして信頼できる専門業者の選び方まで、あなたの疑問や不安を解消するための情報を網羅的にお届けします。
正しい知識を身につけ、適切な予防と対策を講じることで、大切な住まいをシロアリの脅威から守りましょう。
この記事でわかること、ポイント
- ヒノキがシロアリに強いという定説の真偽
- シロアリが好むヒノキの部位とその理由
- ヒノキの防蟻成分に関する正しい知識
- シロアリ被害を受けやすい家の場所と特徴
- 自分で確認できるシロアリ被害の初期症状
- 家庭で実践できる効果的なシロアリ予防策
- 信頼できるシロアリ駆除業者の選び方とポイント
ヒノキのシロアリ被害はなぜ起こる?定説の嘘と本当
ポイント
- シロアリに強い心材と食べられやすい辺材の違い
- 防蟻成分ヒノキチオールはヒノキにほぼ含まれない
- 湿気が多いヒノキ風呂は特に注意が必要な場所
- 住宅の土台が被害に遭うシロアリの侵入経路
- これが出たら危険信号!被害の初期症状を見逃すな
シロアリに強い心材と食べられやすい辺材の違い
ヒノキがシロアリに強いという話は、決して全くのでたらめではありません。
ただし、それはヒノキという木材の「ある部分」に限った話であるという条件がつきます。
木材は、中心部の「心材(しんざい)」と、その外側にある「辺材(へんざい)」という二つの部分に大きく分けられます。
この心材と辺材では、シロアリに対する抵抗力が全く異なるのです。
まず心材ですが、これは木の中心に位置し、色が濃い部分です。
「赤身」とも呼ばれます。
心材は木の構造を支える役割を終え、細胞としての活動を停止していますが、その過程で害虫や腐朽菌から身を守るための成分を蓄積します。
そのため、硬く、防虫・防腐効果の高い成分を豊富に含んでおり、シロアリが非常に食べにくい部分となっています。
歴史的建造物にヒノキが使われるのは、この心材の優れた耐久性によるものです。
一方で、辺材は樹皮のすぐ内側にある白っぽい部分で、「白太(しらた)」とも呼ばれます。
辺材は根から吸い上げた水分や栄養分を運ぶ役割を担っており、いわば木の生命線です。
そのため、心材に比べて水分やデンプンなどの栄養分が豊富で、材質も柔らかいという特徴があります。
これはシロアリにとって、格好の餌となる条件を満たしていることを意味します。
つまり、同じヒノキの木材であっても、シロアリに強いのは心材だけであり、辺材は他の木材と同様に被害を受けやすいのです。
現代の住宅建築では、コストや加工のしやすさから辺材を含む木材が使われることも少なくありません。
「ヒノキの家」だからといって、全ての部材がシロアリに強い心材だけでできているわけではないという点を理解しておくことが、ヒノキのシロアリ被害を考える上で非常に重要です。
- 心材(赤身):木材の中心部。色が濃く硬い。防虫・防腐成分を多く含み、シロアリに強い。
- 辺材(白太):木材の外側。色が白く柔らかい。水分や栄養が豊富で、シロアリに弱い。
防蟻成分ヒノキチオールはヒノキにほぼ含まれない
ヒノキがシロアリに強いとされるもう一つの理由に、「ヒノキチオール」という成分の存在が挙げられます。
ヒノキチオールは非常に優れた抗菌・防虫効果を持つ成分として知られており、その名前から多くの人が「ヒノキに豊富に含まれている」と信じています。
しかし、ここには大きな誤解が存在します。
実は、日本のヒノキには、このヒノキチオールはごく微量しか含まれていないのです。
ヒノキチオールという名前は、1936年に台湾ヒノキの精油から発見されたことに由来します。
そのため、名前に「ヒノキ」と付いていますが、豊富に含有しているのは台湾ヒノキや、日本の樹木では青森ヒバなどです。
日本の住宅建材として一般的に使われるヒノキには、期待されるほどの防蟻効果を持つ量のヒノキチオールは含まれていません。
日本のヒノキにも、α-カジノールやピネンといった特有の香り成分が含まれており、これらにもある程度の防虫効果はあります。
しかし、その効果は絶対的なものではなく、シロアリの種類や生息環境によっては、その効果を上回って被害が発生することが十分に考えられるのです。
したがって、「ヒノキチオールが含まれているからヒノキは安全」という考えは、残念ながら通用しません。
この誤解が、「ヒノキなのにシロアリ被害に遭った」という事態を招く一因ともなっています。
木材の持つ天然の防蟻成分に過度に期待するのではなく、適切な予防措置を講じることのほうが、家をシロアリから守る上ではるかに重要だと言えるでしょう。
湿気が多いヒノキ風呂は特に注意が必要な場所
ヒノキの香りに包まれるヒノキ風呂は、多くの人にとって癒やしの空間です。
しかし、このくつろぎの場所が、シロアリにとっては絶好の繁殖場所になり得ることを見過ごしてはなりません。
シロアリが活動するためには、適度な温度と水分、そして餌となる木材が必要です。
浴室、特にヒノキ風呂の周辺は、この3つの条件が完璧に揃いやすい場所なのです。
まず、浴室は家の中でも最も湿度が高くなる場所の一つです。
入浴による湯気や、シャワーで飛び散る水分が、壁の内部や床下、土台部分の木材を常に湿った状態にします。
木材は水分を含むと柔らかくなり、シロアリが侵入しやすくなるだけでなく、木材を腐らせる腐朽菌が繁殖する原因にもなります。
シロアリは腐朽して柔らかくなった木材を特に好むため、湿気はシロアリを呼び寄せる最大の要因となります。
ヒノキ自体は水に強い性質を持っていますが、それはあくまで適切に管理されている場合の話です。
タイルの目地のひび割れや、浴槽と壁の隙間などから水が内部に侵入し続けると、ヒノキの土台や柱であっても、徐々に腐朽が進んでしまいます。
一度内部に侵入したシロアリは、湿った木材を食い荒らしながら、浴室から家の土台、柱へと被害を拡大させていきます。
日々の入浴でヒノキ風呂の表面はきれいに見えても、その裏側や床下では深刻な事態が進行している可能性があるのです。
そのため、ヒノキ風呂のある家では、特に定期的な換気を徹底し、湿気を溜め込まない工夫が不可欠です。
また、タイルのひび割れやコーキングの劣化などを見つけた場合は、早急に補修することが、ヒノキのシロアリ被害を防ぐための重要なポイントとなります。
住宅の土台が被害に遭うシロアリの侵入経路
家全体を支える土台は、シロアリ被害で最も狙われやすく、かつ最も深刻なダメージを受ける部分です。
たとえ上部の柱に強固なヒノキの心材が使われていても、土台がシロアリに食い荒らされてしまえば、家の耐久性や耐震性は著しく低下してしまいます。
シロアリの多くは地中に巣を作り、そこから建物へ侵入してきます。
彼らは光や乾燥を極端に嫌うため、人目につかない暗く湿った場所を選んで、地面から建物内部へと続く「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるトンネルを作って移動します。
主な侵入経路としては、以下のような場所が挙げられます。
- 基礎のひび割れ:コンクリート基礎のわずかな亀裂や、経年劣化で生じた隙間は、シロアリにとって格好の侵入ルートになります。
- 束石や配管周り:床束を支える束石の周りや、給排水管が基礎を貫通する部分の隙間も、シロアリが侵入しやすいポイントです。
- 玄関や勝手口の土間:コンクリートの土間と木材の土台が接する部分は、水分が溜まりやすく、シロアリの侵入を許しやすい構造になっています。
- ウッドデッキや庭の杭:建物に接して設置されたウッドデッキの柱や、庭に打ち込まれた木の杭などが地面と接していると、そこからシロアリが侵入し、建物本体へと移動してくることがあります。
一度土台に到達したシロアリは、木材の内部を食べ進みながら、柱や壁の内部へと活動範囲を広げていきます。
特に日本の住宅に多いヤマトシロアリは、水を運ぶ能力が低いため、浴室やキッチンなど湿った木材を好んで食害します。
ヒノキの土台であっても、常に湿気にさらされているような環境では、辺材部分から徐々に被害が進行していくのです。
家の土台は、私たちの生活を文字通り足元から支える重要な部分です。
その土台をシロアリから守るためには、建物の周りに木材を放置しない、基礎の換気口を塞がないといった基本的な対策が重要になります。
これが出たら危険信号!被害の初期症状を見逃すな
シロアリ被害の最も恐ろしい点は、被害が人知れず、建物の内部で静かに進行することです。
異変に気づいたときには、すでに構造的に重要な部分が深刻なダメージを受けていた、というケースも少なくありません。
しかし、注意深く観察すれば、シロアリの存在を示すいくつかの初期症状、つまり危険信号を見つけることができます。
これらのサインを見逃さないことが、被害の拡大を防ぐための第一歩です。
蟻道(ぎどう)がある
シロアリは乾燥と光を嫌うため、地中から建物の木材へ移動する際に、土や排泄物などを固めて作ったトンネル状の道「蟻道」を作ります。
家の基礎や束石の表面、コンクリートの土間などに、泥でできた筋のようなものがあれば、それはシロアリが活動している明確な証拠です。
蟻道を見つけたら、絶対に自分で壊したりせず、専門業者に調査を依頼しましょう。
床が軋んだり、へこんだりする
特定の場所を歩くと床がギシギシと音を立てたり、畳やフローリングがフワフワと沈むように感じられたりする場合、床下の根太や大引といった構造材がシロアリに食べられている可能性があります。
特に、湿気の多い洗面所や台所の床に異常を感じたら注意が必要です。
柱を叩くと空洞音がする
シロアリは木材の表面を薄く残し、内部を食べ進めるという習性があります。
そのため、見た目には何の変化もなくても、柱の内部がスカスカになっていることがあります。
ドライバーの柄などで家の柱や壁を軽く叩いてみて、「コンコン」と軽い空洞音がする場所があれば、内部が食害に遭っているかもしれません。
他の場所と音を比較してみると分かりやすいでしょう。
ドアや襖の立て付けが悪くなる
これまでスムーズに開閉できていた室内のドアや襖、窓などが、急に閉まりにくくなったり、隙間ができたりした場合も注意信号です。
これは、シロアリが柱や鴨居などを食べたことによって家全体に歪みが生じていることが原因かもしれません。
湿気による木材の膨張も考えられますが、シロアリ被害の可能性も疑うべきです。
羽アリを見かける
春から初夏にかけて、家の中やその周辺で大量の羽アリを見かけた場合、それは近くに成熟したシロアリの巣が存在する強力なサインです。
シロアリの巣が一定の規模に達すると、一部が新しい巣を作るために羽アリとなって一斉に飛び立ちます。
これらの初期症状に一つでも気づいたら、決して放置せず、できるだけ早く専門家による床下点検を受けることを強くお勧めします。
大切な家を守るためのヒノキのシロアリ被害への対策
ポイント
- 自分でできるシロアリの予防策と湿気対策
- もし被害を発見したら?初期段階での駆除方法
- 安心できる専門業者の選び方と費用相場
- 業者に頼むメリットと保証内容の確認ポイント
- まとめ:定期的な点検でヒノキのシロアリ被害を防ぐ
自分でできるシロアリの予防策と湿気対策
ヒノキのシロアリ被害から大切な家を守るためには、専門業者による対策だけでなく、日頃からの予防意識と自分でできる対策が非常に重要です。
シロアリは特に「湿気」を好むため、予防策の基本は家を湿気から守ることにあります。
誰でも今日から始められる、効果的な予防策と湿気対策をご紹介します。
家の周りの環境整備
シロアリは地中からやってきます。
まずは、シロアリが家に寄り付きにくい環境を作ることが第一歩です。
- 不要な木材を放置しない:庭に古い木の杭や廃材、段ボールなどを放置していませんか。これらはシロアリの格好の餌となり、巣を作る原因になります。家の周りは常に整理整頓を心がけましょう。
- 基礎の換気口を塞がない:床下の換気は湿気対策の要です。基礎に設けられている換気口の前に物を置いたり、植木鉢で塞いだりしないように注意してください。風通しを良くすることが大切です。
- 建物に植物のツルなどを這わせない:植物のツルを伝ってシロアリが壁を登り、2階など予期せぬ場所から侵入するケースがあります。外壁の点検も兼ねて、定期的に手入れをしましょう。
家の中の湿気対策
家の中、特に床下の湿度をコントロールすることが、シロアリ予防に直結します。
意識的な換気や、湿気の原因を取り除くことが重要です。
- 定期的な換気:天気の良い日には窓を開けて、家全体の風通しを良くしましょう。特に押し入れやクローゼットなど、空気が滞留しやすい場所は意識的に扉を開けて換気することが効果的です。
- 水回りの点検と修理:キッチンや洗面所、浴室からの水漏れは、床下の湿度を上げる大きな原因です。蛇口から水がポタポタ落ちていないか、配管から水が漏れていないかなどを定期的にチェックし、異常があればすぐに修理しましょう。
- 床下調湿剤の活用:床下の湿気が特に気になる場合は、市販の床下調湿剤(ゼオライトやシリカゲルなど)を設置するのも一つの方法です。ただし、これはあくまで補助的な対策と考えましょう。
これらの対策は、特別な道具や専門知識がなくても実践できることばかりです。
日々の少しの心がけが、ヒノキのシロアリ被害のリスクを大きく減らすことにつながります。
自分の家は自分で守るという意識を持って、できることから始めてみてください。
もし被害を発見したら?初期段階での駆除方法
家の点検中に、蟻道や木材の空洞音など、シロアリ被害の初期症状を発見してしまったら、誰でも慌ててしまうものです。
「すぐに何とかしなければ」という気持ちから、自分で駆除を試みようと考える方もいるかもしれません。
しかし、ここで冷静な判断をすることが非常に重要です。
結論から言うと、シロアリの被害を発見した場合、自分で駆除しようとするのは避けるべきです。
特に、市販の殺虫スプレーなどを蟻道や被害箇所に吹きかけるのは絶対にやめてください。
なぜなら、目に見えているシロアリは、巣全体のほんの一部に過ぎないからです。
殺虫剤によって驚いたシロアリは、危険を察知して別の場所に移動し、被害をかえって広範囲に拡散させてしまう危険性が高いのです。
巣の本体は地中深くや壁の内部など、見えない場所に存在しています。
その巣ごと根絶やしにしなければ、根本的な解決にはなりません。
もし被害のサインを見つけてしまった場合に、まず取るべき行動は以下の通りです。
- 現状を維持する:被害箇所や蟻道は、絶対に触ったり壊したりしないでください。これらは専門家が被害の範囲や種類、侵入経路を特定するための重要な手がかりとなります。
- 証拠を記録する:発見した日時、場所、状況をメモし、スマートフォンなどで写真を撮っておくと、後の調査や説明の際に役立ちます。羽アリを発見した場合は、数匹をテープなどで捕獲しておくか、写真を撮っておくと、シロアリの種類の特定に繋がります。
- 専門業者に連絡する:できるだけ早く、信頼できるシロアリ駆除の専門業者に連絡し、床下調査を依頼してください。複数の業者に相談し、見積もりを取ることをお勧めします。
初期段階であれば、被害の拡大を最小限に食い止め、比較的簡単な処置で済む可能性もあります。
自己判断で対処して手遅れになる前に、速やかにプロの判断を仰ぐことが、結果的に家と資産を守るための最も確実で賢明な方法です。
安心できる専門業者の選び方と費用相場
シロアリ駆除を依頼する際、多くの人が最も悩むのが「どの業者に頼めばいいのか」ということでしょう。
残念ながら、シロアリ駆除業界には、法外な料金を請求したり、不必要な工事を勧めたりする悪質な業者が存在するのも事実です。
安心して任せられる優良な専門業者を見極めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
優良な業者の見分け方
- 丁寧な床下調査と詳細な説明:優良な業者は、時間をかけて床下全体の状況を meticulously に調査し、写真などを見せながら被害の状況、原因、必要な施工内容を素人にも分かりやすく説明してくれます。質問に対しても明確に答えてくれるかどうかが判断基準です。
- 明確な見積書の提示:見積書には「工事一式」ではなく、使用する薬剤の名前や量、施工面積、単価などが具体的に記載されているかを確認しましょう。追加料金が発生する可能性についても、事前に説明がある業者は信頼できます。
- 実績と資格の有無:「しろあり防除施工士」という専門資格を持つスタッフが在籍しているか、また(公社)日本しろあり対策協会に加盟しているかは、信頼性を測る一つの目安になります。長年の実績がある地元密着型の業者も良い選択肢です。
- 保証とアフターサービスの充実:施工後、通常は5年程度の保証が付きます。保証期間内にシロアリが再発した場合の無償対応や、定期的な点検など、アフターサービスの内容を契約前に必ず確認しましょう。
シロアリ駆除の費用相場
シロアリ駆除の費用は、建物の構造や被害の大きさ、施工方法によって変動しますが、一般的な木造住宅の場合、1平方メートルあたり2,000円~3,500円程度、坪単価にすると7,000円~12,000円程度が相場とされています。
例えば、30坪の家であれば、21万円~36万円程度が目安となります。
ただし、これはあくまで標準的な薬剤散布(バリア工法)の場合です。
被害が広範囲に及んでいる場合や、特殊な工法(ベイト工法など)を選択する場合は、費用がこれより高くなることもあります。
最も重要なのは、1社だけでなく、必ず2~3社の業者から見積もりを取ることです。
相見積もりを取ることで、費用の相場観が養われるだけでなく、各社の対応や提案内容を比較検討し、最も信頼できる業者を選ぶことができます。
複数の業者に現地調査を依頼するのは手間がかかると感じるかもしれませんが、その手間を省くために、タウンライフのような無料一括見積もりサービスを利用するのも非常に有効な手段です。
信頼できる複数の登録業者から、自宅の状況に合わせた見積もりや提案を一度に受け取ることができるため、効率的に比較検討を進めることが可能になります。
焦らず、じっくりと情報を集めて、納得のいく業者選びをしてください。
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業者に頼むメリットと保証内容の確認ポイント
シロアリ駆除を専門業者に依頼するには、決して安くない費用がかかります。
それでもなお、プロに任せることには、自分で行うのとは比べ物にならない大きなメリットがあります。
また、契約する際には、後々のトラブルを避けるためにも、保証内容を細かく確認しておくことが極めて重要です。
専門業者に依頼する主なメリット
まず、最大のメリットは、その「確実性」と「安全性」です。
- 根本的な駆除が可能:専門業者は、シロアリの種類や生態、建物の構造を熟知しています。床下などの狭い空間にも潜り込み、巣の本体や侵入経路を特定した上で、専用の機材と薬剤を用いて巣ごと根絶やしにします。これにより、シロアリの再発リスクを大幅に低減できます。
- 安全性の高い施工:(公社)日本しろあり対策協会が認定している薬剤は、人体やペットへの安全性が考慮されています。専門家は、これらの薬剤を適切な濃度で、必要な場所に限定して使用する技術を持っているため、安心して任せることができます。
- 被害状況の正確な把握:駆除作業と同時に、床下の木材の被害状況や湿度の状態などを詳細に調査してくれます。必要に応じて、修繕や補強、湿気対策などのアドバイスも受けることができ、住宅のメンテナンスという観点からも有益です。
- 時間と労力の節約:シロアリ駆除は、専門的な知識と技術、そして体力を要する大変な作業です。これらを全てプロに任せることで、自分自身の貴重な時間と労力を節約することができます。
契約前に確認すべき保証内容のポイント
施工後の保証は、業者選びにおける非常に重要な判断材料です。
口約束ではなく、必ず書面で保証書を発行してもらい、以下の内容を隅々まで確認しましょう。
- 保証期間:一般的には5年間です。この期間が極端に短かったり長すぎたりする場合は注意が必要です。
- 保証の対象範囲:施工した建物全体が対象か、それとも一部の箇所だけなのかを確認します。
- 再発時の対応:保証期間内にシロアリが再発した場合、「無料で再施工を行う」という内容が明記されているかを確認します。これが最も基本的な保証内容です。
- 損害賠償保証の有無:さらに手厚い保証として、再発したシロアリによって新たな被害(建物の修復が必要な損害)が生じた場合に、その修復費用を一定額まで補償してくれる「損害賠償保証」が付いているかを確認します。この保証がある業者は、それだけ自社の施工技術に自信を持っている証とも言えます。保証の限度額も確認しておきましょう。
- 免責事項:どのような場合に保証が適用されないのか(例えば、天災による被害や、家の増改築を行った場合など)という免責事項もしっかりと読んでおきましょう。
これらのメリットを理解し、保証内容をしっかりと確認することで、安心してシロアリ対策を任せられる業者を選ぶことができます。
まとめ:定期的な点検でヒノキのシロアリ被害を防ぐ
これまで見てきたように、「ヒノキだからシロアリは大丈夫」という考えは、残念ながら万全ではありません。
確かにヒノキの心材は高い耐久性を持ちますが、辺材は被害を受けやすく、ヒノキチオール神話のような誤解も存在します。
そして何より、シロアリは湿気を好み、わずかな隙間からでも侵入し、家の土台や柱といった重要な構造部材を静かに蝕んでいきます。
ヒノキのシロアリ被害のリスクを正しく理解し、大切な住まいを長期にわたって守り抜くために最も重要なことは、結局のところ「定期的な点検」と「適切な予防」に尽きます。
自分自身で家の周りの環境を整え、湿気対策を心がけることは、シロアリを寄せ付けないための第一歩です。
家の基礎周りに蟻道ができていないか、床のきしみや柱の空洞音がないかなど、この記事で紹介した初期症状のセルフチェックを習慣づけることも有効でしょう。
しかし、床下の奥深くや壁の内部など、素人では確認できない場所で被害が進行している可能性も常にあります。
そこで、5年に一度を目安として、専門家によるプロの目での床下点検を受けることを強く推奨します。
専門家であれば、シロアリの痕跡だけでなく、水漏れのサインや木材の腐朽、カビの発生といった、シロアリを呼び寄せる原因となる様々なリスクを早期に発見することができます。
もし点検によって被害が見つかったり、予防措置が必要と判断されたりした場合には、焦らず複数の業者から話を聞き、提案内容や費用、保証内容を比較検討することが肝心です。
その際、タウンライフのような無料一括見積もりサイトを活用すれば、信頼できる優良業者を効率的に見つけ、最適な対策を講じる上で大きな助けとなるでしょう。
家は一生に一度の大きな買い物であり、家族との暮らしを守る大切な資産です。
ヒノキの家に住んでいるという安心感に安住することなく、正しい知識を持って定期的なメンテナンスを継続していくことこそが、ヒノキのシロアリ被害から家を守るための最も確実な道筋なのです。
記事のまとめ
- ヒノキがシロアリに強いというのは心材に限った話である
- ヒノキの辺材は水分や栄養が豊富でシロアリに食べられやすい
- 防蟻成分ヒノキチオールは日本のヒノキにはほとんど含まれていない
- シロアリは湿気を好み浴室や床下などから侵入する
- ヒノキ風呂は常に湿気が多くシロアリ被害のリスクが高い場所
- 家の土台はシロアリの主要な侵入経路であり被害が深刻化しやすい
- 基礎のひび割れや配管周りの隙間からシロアリは侵入する
- 床のきしみや柱の空洞音はシロアリ被害の初期症状の可能性がある
- 基礎にできる蟻道はシロアリが活動している明確な証拠
- 被害を発見しても自己判断で殺虫剤を使うのは危険
- シロアリ対策の基本は家の周りの整理と湿気対策
- 専門業者選びでは床下調査の丁寧さや見積もりの明確さが重要
- 複数の業者から見積もりを取る相見積もりが不可欠
- 信頼できる業者探しには無料一括見積もりサービスの利用が有効
- 最も重要な対策は5年に一度の専門家による定期的な点検