お部屋の雰囲気を手軽に変えたいと考えたとき、壁紙の張り替えは非常に効果的な方法の一つです。
中でも、壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムを使って行うことは、費用を抑えながらインテリアを一新できる魅力的な選択肢ではないでしょうか。
しかし、実際に挑戦しようとすると、本当に100均の道具だけで大丈夫なのか、リメイクシートの貼り方にコツはあるのか、といった疑問が浮かぶかもしれません。
また、賃貸住宅にお住まいの方にとっては、きれいに剥がせるのか、原状回復は可能なのかという点が大きな関心事でしょう。
この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、壁紙の張り替えを自分で 100均のグッズを活用して行うための具体的な情報を網羅的に解説していきます。
おしゃれな部屋を実現するためのリメイクシートの選び方から、トイレやキッチンといった場所別の注意点、さらには知っておくべきデメリットや、最終的にかかる費用についても詳しく触れていきます。
DIY初心者の方でも安心して取り組めるよう、必要なものをリストアップし、それぞれの道具の役割から丁寧に説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること、ポイント
- 100均で揃う壁紙張り替えに必要な道具一式
- 初心者でも失敗しないリメイクシートのきれいな貼り方
- 100均アイテムを使う上でのメリットとデメリット
- 賃貸物件でも安心な原状回復のポイント
- トイレやキッチンなど場所別の施工のコツ
- おしゃれな部屋作りを実現するシートの選び方
- 最終的にかかる費用の具体的な目安
壁紙の張り替えを自分で100均の道具で成功させる方法
ポイント
- まずは揃えよう!壁紙の張り替えに必要なものリスト
- 100均リメイクシートをおしゃれに見せる選び方
- 初心者でも簡単なリメイクシートの貼り方の手順
- 仕上がりが変わる!きれいに貼るためのコツ
- 賃貸でも安心なきれいに剥がせるシートの活用術
まずは揃えよう!壁紙の張り替えに必要なものリスト
壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムを駆使して行うと決めたなら、はじめに道具をすべて揃えることが成功への第一歩です。
作業を始めてから「あれが足りない」と慌てることがないように、あらかじめリストアップして準備を整えておきましょう。
幸いなことに、最近の100円ショップではDIY関連グッズが非常に充実しており、基本的な道具のほとんどを手に入れることができます。
ここでは、最低限用意しておきたい必要なものを具体的にご紹介いたします。
必ず準備したい基本の道具
何よりもまず必要なのが、主役となる壁紙シートです。
100円ショップでは「リメイクシート」や「インテリアシート」という名称で販売されていることが一般的でしょう。
デザインやサイズが豊富なので、貼りたい場所の面積をあらかじめ測定し、少し余裕を持たせた枚数を購入することが大切です。
次に、シートを壁に圧着させて空気を抜くための道具として「スキージー」または「ヘラ」が欠かせません。
これがあるだけで、仕上がりの美しさが格段に向上します。
もし専用のものがなければ、硬めのカードや定規で代用することも不可能ではありません。
さらに、シートを正確なサイズにカットするための「カッターナイフ」と「カッティングマット」、「定規」も必須アイテムです。
特にカッターナイフは、切れ味の良い刃に交換しておくと、作業がスムーズに進み、切り口もきれいになります。
壁のサイズを測るためには「メジャー」が必要です。
また、作業中に壁の汚れや油分を拭き取るための「雑巾」や「クリーナー」も準備しておくと、シートの粘着力を最大限に引き出せます。
これらの基本的な道具は、ダイソーやセリアといった主要な100円ショップでほとんど見つけることができるはずです。
店舗によって品揃えが異なるため、いくつかの店舗を回ってみるのも良いかもしれません。
あると便利な追加アイテム
基本の道具に加えて、持っていると作業効率が上がったり、よりきれいに仕上げられたりする便利なアイテムも存在します。
例えば、コンセントカバーやスイッチプレートを外すための「ドライバー」です。
これらを一度取り外してから作業することで、細部までリメイクシートをきれいに貼り込むことが可能になります。
また、シートを貼る際に垂直・水平の目印をつけるための「マスキングテープ」も重宝します。
壁に直接書き込む必要がなく、剥がすのも簡単なので、特に広い面を貼る際には頼りになる存在です。
細かい部分の圧着には、ローラーがあると均一に力を加えやすくなります。
100円ショップでは塗装用の小さなローラーが見つかる場合があり、これが意外な活躍を見せてくれるでしょう。
これらのアイテムも100円ショップで手に入る可能性が高いので、基本的な道具と一緒に探してみてはいかがでしょうか。
完璧な準備が、DIYの成功体験へとつながっていきます。
- リメイクシート(壁紙)
- スキージー(ヘラ)
- カッターナイフ、カッティングマット
- 定規、メジャー
- 雑巾、クリーナー
- ドライバー(必要に応じて)
- マスキングテープ
100均リメイクシートをおしゃれに見せる選び方
100円ショップで手に入るリメイクシートは、驚くほどデザインのバリエーションが豊かです。
だからこそ、どの柄を選べば自分の部屋がおしゃれになるのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
安価なアイテムでも、選び方一つで高級感を演出したり、理想の空間を作り上げたりすることが可能です。
ここでは、100均のリメイクシートをおしゃれに見せるための選び方のポイントをいくつか紹介します。
部屋のコンセプトを明確にする
まず大切なのは、どのようなテイストの部屋にしたいのか、コンセプトをはっきりとさせることです。
例えば、ナチュラルで温かみのある雰囲気が好きなら木目調のデザインが適しています。
一口に木目調と言っても、明るい色のオーク風から、落ち着いたウォールナット風まで様々です。
床の色や家具の色と合わせると、統一感のある空間になります。
一方で、モダンでスタイリッシュな部屋を目指すなら、コンクリート打ちっぱなし風や、大理石柄、無地のマットなカラー(グレー、ネイビー、ブラックなど)がおすすめです。
無機質な質感が、生活感を抑えた洗練された印象を与えてくれます。
他にも、レンガ調を選べばカフェ風のインテリアに、タイル柄を選べば清潔感のあるキッチンスペースや洗面所を演出できるでしょう。
このように、最初に「なりたい部屋」のイメージを固めることが、デザイン選びで失敗しないための最も重要なステップです。
柄のスケール感と色のトーンを意識する
リメイクシートを選ぶ際には、柄の大きさ(スケール感)も考慮に入れるべきです。
広い壁面に小さな柄を貼ると、ごちゃごちゃした印象に見えてしまうことがあります。
逆に、狭いスペースに大きな柄を使うと、圧迫感が出てしまうかもしれません。
アクセントウォールとして一面だけに使うなら大胆な柄も映えますが、部屋全体に使う場合は、比較的主張の少ない、遠目には無地に見えるような柄を選ぶと失敗が少ないでしょう。
また、色のトーンも重要です。
明るい色は部屋を広く見せる効果があり、暗い色は落ち着いた雰囲気や重厚感を出すことができます。
ただし、暗い色の壁紙は部屋全体の照明が暗く感じられる原因にもなるため、採光の少ない部屋では注意が必要です。
実際に店舗でシートを見るときは、スマートフォンで部屋の写真を撮っておき、それと見比べながら選ぶとイメージが湧きやすくなります。
質感にこだわる
100均のリメイクシートと侮ってはいけません。
最近の製品は、表面に凹凸が施されているものなど、質感が非常にリアルなものが増えています。
木目調であれば木の導管を思わせるような凹凸、レンガ調であればざらっとした手触りなど、見た目だけでなく触り心地にもこだわって選ぶと、安っぽさを感じさせない仕上がりになります。
ツルツルとしたビニール感が強いものよりも、少しでも立体感やマットな質感があるものを選ぶのが、おしゃれに見せるための秘訣です。
いくつかの候補で迷った場合は、試しに1枚ずつ購入して、実際に壁に小さく貼って見比べてみる「サンプル利用」も賢い方法と言えるでしょう。
初心者でも簡単なリメイクシートの貼り方の手順
道具を揃え、お気に入りのリメイクシートを選んだら、いよいよ貼り付け作業の開始です。
壁紙の張り替えを自分で 100均のシートで行う場合でも、正しい手順を踏めば初心者でも驚くほどきれいに仕上げることができます。
焦らず、一つ一つの工程を丁寧に行うことが大切です。
ここでは、基本的なリメイクシートの貼り方をステップバイステップで解説します。
- STEP1:壁面の掃除と準備
- STEP2:採寸とシートのカット
- STEP3:貼り始めの位置決め
- STEP4:シートの貼り付けと空気抜き
- STEP5:余分な部分のカットと仕上げ
STEP1:壁面の掃除と準備
リメイクシートを貼る前に、壁をきれいにすることが非常に重要です。
壁にホコリや油分、手垢などが付着していると、シートの粘着力が弱まり、後から剥がれてくる原因になります。
固く絞った雑巾で水拭きするか、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた液で拭き掃除をしましょう。
洗剤を使った場合は、その後必ずきれいな水で拭き取り、完全に乾燥させてください。
また、コンセントカバーやスイッチプレート、壁にかけてある時計や額縁などは、あらかじめドライバーで外しておきます。
このひと手間が、仕上がりのクオリティを大きく左右するのです。
STEP2:採寸とシートのカット
次に、メジャーを使って壁の高さと幅を正確に測定します。
リメイクシートをカットする際は、測定したサイズよりも上下左右にそれぞれ5cmから10cmほど余裕を持たせた大きさでカットするのがコツです。
これは、貼っているうちに多少のズレが生じてもカバーできるようにするためと、最終的な仕上げで壁の端に合わせてきれいに切り取るための「捨てしろ」となります。
カッティングマットの上で、金属製の定規を当ててカッターナイフでまっすぐにカットしましょう。
STEP3:貼り始めの位置決め
特に広い壁に貼る場合、どこから貼り始めるかがポイントになります。
おすすめは、部屋の隅やドアの横など、基準となる垂直な線がある場所からスタートすることです。
マスキングテープを使って、壁に垂直なガイドラインを引いておくと、まっすぐに貼り進めやすくなります。
シートの裏紙をすべて剥がしてしまうのではなく、まずは上部を10cmほどだけ剥がし、このガイドラインに合わせて慎重に位置を合わせます。
STEP4:シートの貼り付けと空気抜き
位置が決まったら、上部の剥がした部分を壁に貼り付けます。
そして、スキージー(ヘラ)を使い、中心から外側に向かって放射状に動かしながら、シートと壁の間の空気を丁寧に抜いていきます。
この時、一気に進めようとせず、少しずつ裏紙を剥がしながら、上から下へと作業を進めるのが失敗しない秘訣です。
もし大きな気泡ができてしまった場合は、慌てずに一度シートをゆっくり剥がして貼り直すか、針やカッターの先端で小さな穴を開けて空気を押し出すという方法もあります。
STEP5:余分な部分のカットと仕上げ
壁全体にシートを貼り終えたら、最後にはみ出している余分な部分をカットします。
壁の角や天井、床との境目に定規やヘラをしっかりと当て、それに沿わせるようにしてカッターナイフで切り取ります。
この時、カッターの刃を壁に対して少し斜め(45度くらい)に入れると、きれいにカットしやすいでしょう。
全ての角の処理が終わったら、取り外しておいたコンセントカバーなどを元に戻して完成です。
全体のバランスを見て、浮いている箇所がないか最終チェックを行いましょう。
仕上がりが変わる!きれいに貼るためのコツ
リメイクシートの貼り方は手順通りに進めることが基本ですが、さらに仕上がりをプロレベルに近づけるためのいくつかのコツがあります。
少しの工夫と心掛けで、見た目の美しさが大きく変わってきますので、ぜひ実践してみてください。
これらのテクニックは、壁紙の張り替えを自分で 100均の材料で行う際に特に役立つはずです。
柄合わせは慎重に行う
木目調やレンガ調、タイル柄など、連続性のあるデザインのリメイクシートを使う場合、「柄合わせ」が非常に重要になります。
2枚目以降のシートを貼る際には、1枚目のシートの柄としっかりつながるように、重ね合わせる部分を調整しながら位置決めをしてください。
100均のリメイクシートは幅が狭いものが多いため、広い壁に貼る場合は何枚もつなぎ合わせることになります。
そのため、この柄合わせを丁寧に行うかどうかが、全体の印象を決定づけると言っても過言ではありません。
製品によっては柄のリピートサイズが記載されていることもあるので、参考にすると良いでしょう。
少しシートに無駄が出てしまいますが、美しい仕上がりのためには惜しまない方が賢明です。
重ね貼りは避けるのが基本
シート同士をつなぎ合わせる際、重ねて貼るのではなく、隙間なく突き合わせて貼るのが理想的です。
重ねてしまうと、その部分だけが盛り上がってしまい、光の当たり方によってはつなぎ目が非常に目立ってしまいます。
ただし、初心者の方にとって突き合わせ貼りは難易度が高い技術でもあります。
もし難しいと感じる場合は、柄のライン上など、目立ちにくい部分で1cm未満のわずかな重なりで貼るのが次善の策です。
その場合も、重ねる部分に空気が入らないように、念入りに圧着することが大切になります。
角の処理はドライヤーを活用する
部屋の出隅(角が出っ張っている部分)や入隅(角がへこんでいる部分)は、シートが浮きやすく、きれいに仕上げるのが難しいポイントです。
こうした角の部分では、ドライヤーを使うと作業が格段にしやすくなります。
リメイクシートは塩化ビニル製のものが多く、熱を加えることで一時的に柔らかくなり、伸びやすくなる性質があります。
角にシートを貼り付ける際に、ドライヤーの温風を当てながら少しずつ引っ張るようにして角にフィットさせ、冷めるとその形で固定されます。
これにより、シワや浮きを防ぎ、角にぴったりと沿った美しい仕上がりを実現できるのです。
ただし、温めすぎるとシートが伸びすぎたり、変質したりする可能性があるので、様子を見ながら少しずつ行うようにしてください。
賃貸でも安心なきれいに剥がせるシートの活用術
賃貸住宅にお住まいの方がDIYに挑戦する上で、最大の懸念事項は「原状回復」ではないでしょうか。
壁紙を張り替えてみたいけれど、退去時にきれいに剥がせなかったらどうしよう、と不安に感じるのは当然のことです。
しかし、適切なアイテム選びと工夫をすれば、賃貸でも安心して壁紙の張り替えを楽しむことができます。
ここでは、きれいに剥がせることを前提としたリメイクシートの活用術を紹介します。
「剥がせるタイプ」のシートを選ぶ
まず最も重要なのは、製品選びの段階で「剥がせる」と明記されているリメイクシートを選ぶことです。
100円ショップで販売されているリメイクシートの中にも、粘着力が比較的弱めに設計されており、貼り直しや現状復帰がしやすいタイプが存在します。
商品のパッケージに「きれいにはがせる」「賃貸OK」といった記載があるかを確認しましょう。
ただし、「剥がせる」と書かれていても、壁紙の素材や状態、貼っていた期間によっては、きれいに剥がせないケースもゼロではありません。
そのため、いきなり広範囲に貼るのではなく、まず目立たない場所(家具の裏など)で試し貼りをして、数日後にきれいに剥がせるかテストしてみることを強くお勧めします。
下地にマスキングテープを貼る「養生貼り」
より確実に原状回復を行いたい場合に、非常に有効なテクニックが「養生貼り」です。
これは、リメイクシートを貼る前に、壁全体にマスキングテープを貼っておくという方法です。
マスキングテープはもともと剥がすことを前提としたテープなので、壁紙を傷めるリスクが非常に低いです。
壁にマスキングテープを格子状や全面的に貼り、その上からリメイクシートを貼ることで、リメイクシートの粘着剤が元の壁紙に直接触れるのを防ぎます。
100円ショップでも、塗装用の幅広なマスキングテープが手に入ります。
壁全体に貼るのは手間とコストがかかりますが、退去時のトラブルを避けるための保険としては、これ以上ないほど確実な方法と言えるでしょう。
剥がし方のコツも知っておく
実際にシートを剥がす時にも、ちょっとしたコツがあります。
無理に一気に剥がそうとすると、元の壁紙を傷つけたり、粘着剤が壁に残ってしまったりすることがあります。
剥がし始めは、角からゆっくりと、壁と平行になるような低い角度で引っ張るのがポイントです。
もし粘着力が強くて剥がしにくい場合は、ドライヤーの温風を当ててシートを温めると、粘着剤が柔らかくなり剥がしやすくなります。
万が一、壁に粘着剤のベタベタが残ってしまった場合は、市販のシール剥がし剤を使うか、消しゴムでこすると取れることがあります。
ただし、シール剥がし剤は壁紙の素材によっては変色などを起こす可能性があるので、これも目立たない場所で試してから使用するようにしてください。
壁紙の張り替えを自分で100均のアイテムで行う注意点
ポイント
- 知っておきたい100均アイテムのデメリットとは
- トイレの壁紙を張り替える際のポイント
- 汚れやすいキッチンの壁紙選びと対策
- 賃貸の原状回復で失敗しないための注意点
- 結局費用はいくら?100均DIYの総額目安
- まとめ:壁紙の張り替えを自分で 100均で賢く楽しむ
知っておきたい100均アイテムのデメリットとは
壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムで行うことは、手軽で安価に始められるという大きなメリットがあります。
しかし、その一方で、専門店の製品と比較した場合のデメリットや注意点も理解しておくことが、後悔しないDIYのためには不可欠です。
価格が安いことには、相応の理由がある場合も少なくありません。
ここでは、あらかじめ知っておきたい100均アイテムのデメリットについて解説します。
品質と耐久性の限界
最も大きなデメリットは、品質と耐久性の面でしょう。
100均のリメイクシートは、一般的な壁紙に比べて薄い素材で作られていることが多いです。
そのため、下地の凹凸や色を拾いやすく、壁の状態によってはきれいに見えないことがあります。
また、物理的な強度も高くないため、物をぶつけたり、引っ掻いたりすると簡単に破れたり傷ついたりしやすい傾向があります。
さらに、耐光性も専門の壁紙ほど高くないため、直射日光が当たる場所では、時間とともに色褪せや変色が起こる可能性も考慮しておくべきです。
長期間にわたって美しい状態を保ちたい場所よりも、気軽に模様替えを楽しみたい場所や、一時的な使用に向いていると言えるでしょう。
シートの幅と長さ
100均で販売されているリメイクシートは、サイズが比較的小さく、特に幅が45cm程度のものが主流です。
一般的な壁紙の幅が90cm程度であるのに比べると、半分しかありません。
これは、広い壁面を貼る際に、つなぎ合わせる回数が倍になることを意味します。
前述の通り、つなぎ目をきれいに処理するのは手間がかかり、仕上がりを左右する重要なポイントです。
つなぎ目が多くなればなるほど、柄合わせの手間が増え、つなぎ目が目立ってしまうリスクも高まります。
壁一面をシームレスに美しく仕上げたい、という高いクオリティを求める場合には、このシート幅の狭さがデメリットとして感じられるかもしれません。
粘着力の個体差と安定性
安価な製品に共通する傾向として、品質に多少のばらつきが見られることがあります。
リメイクシートの場合、それが粘着力の個体差として現れる可能性があります。
同じ商品を購入したはずなのに、ロットが違うと粘着力が強すぎたり、逆に弱かったりというケースも考えられます。
粘着力が強すぎると、貼り直したい時や賃貸の原状回復時に壁紙を傷める原因になります。
一方で、粘着力が弱すぎると、貼った直後から端が浮いてきたり、時間が経つと剥がれてきたりするトラブルにつながります。
こうしたリスクを完全に避けるのは難しいですが、なるべく同じ店舗で、同時に必要な枚数をまとめて購入することで、ロット違いによる品質のブレを最小限に抑えることができるかもしれません。
トイレの壁紙を張り替える際のポイント
トイレは比較的狭い空間でありながら、壁紙を変えるだけで全体の印象が劇的に変わるため、DIYの対象として非常に人気があります。
壁紙の張り替えを自分で 100均のシートを使って行うのにも、適した場所と言えるでしょう。
しかし、トイレ特有の環境や形状があるため、作業を進める上でのいくつかのポイントがあります。
衛生面を考慮した素材選び
トイレは湿気がこもりやすく、汚れや臭いが気になる場所でもあります。
そのため、リメイクシートを選ぶ際にはデザイン性だけでなく、機能性も少し考慮すると良いでしょう。
100均の製品で高機能なものを見つけるのは難しいかもしれませんが、表面がツルツルとしたビニール製のものを選ぶと、撥水性があり、汚れてもサッと水拭きできるため衛生的です。
凹凸のあるデザイン性の高いシートは、溝にホコリや汚れが溜まりやすい可能性があるので、掃除のしやすさを優先するなら、表面がフラットなタイプがおすすめです。
また、明るい色の壁紙は、狭いトイレ空間を広く、清潔に見せる効果があります。
狭い空間での作業の工夫
トイレはスペースが限られているため、作業がしにくいという側面があります。
特に便器の裏側やタンク周りは手が届きにくく、シートを貼るのが最も難しい箇所です。
こうした狭い場所では、シートを大きなまま扱おうとせず、あらかじめいくつかのパーツに分割して貼ると作業しやすくなります。
例えば、タンクの裏側は、左右2枚に分けて貼るなど、工夫が必要です。
また、作業前には必ずトイレの換気扇を回すか、窓を開けて換気を良くしておくことが大切です。
閉め切った空間での作業は、気分が悪くなる可能性もありますし、ホコリも舞いやすいためです。
型紙を作ると失敗が少ない
便器の曲線部分や給水管周りなど、複雑な形状に合わせてシートをカットするのは至難の業です。
ここで役立つのが「型紙」です。
新聞紙や大きめの紙を壁に当て、鉛筆などで実際の配管や便器の形を写し取って型紙を作成します。
そして、その型紙に合わせてリメイクシートをカットすれば、複雑な形状にもぴったりとフィットさせることができます。
少し手間はかかりますが、ぶっつけ本番でシートをカットして失敗するリスクを考えれば、結果的に時間と材料の節約につながる賢い方法です。
このテクニックは、トイレだけでなく、柱や梁がある壁など、他の場所でも応用が可能です。
汚れやすいキッチンの壁紙選びと対策
キッチンも、壁紙を張り替えることで雰囲気を大きく変えられる人気の場所です。
特に、油はねや水はねで汚れがちなコンロ周りやシンク周りの壁を、おしゃれで機能的なものにしたいと考える方は多いでしょう。
しかし、キッチンは火や水、油を使う特殊な環境であるため、リメイクシートを選ぶ際や施工する際には、他の部屋にはない特別な注意が必要です。
耐熱性と防水性を確認する
キッチン、特にコンロ周りの壁にリメイクシートを貼る場合、最も重要なのが「耐熱性」です。
一般的な100均のリメイクシートは塩化ビニル製が多く、熱に弱いという性質があります。
コンロの熱でシートが溶けたり、変形したり、最悪の場合は発火の原因になる危険性も否定できません。
そのため、コンロから十分な距離が確保できない壁には、100均の通常のリメイクシートを使用するのは避けるべきです。
最近では、100円ショップでも「キッチン用」「コンロ周り用」として、アルミ素材などで作られた耐熱性のあるシートが販売されています。
コンロの近くに貼りたい場合は、必ずこうした専用の製品を選ぶようにしてください。
また、シンク周りでは水はねが頻繁に起こるため、「防水性」や「防カビ性」も重要になります。
表面がツルツルしていて、水分を弾くタイプのシートを選ぶと、お手入れが簡単でカビの発生も抑えられます。
油汚れへの対策
キッチンの壁は、調理中の油はねで想像以上に汚れています。
貼り付け前の下地処理として、この油汚れを徹底的に落とすことが成功の鍵を握ります。
油分が残っていると、どんなに強力なシートでもすぐに剥がれてきてしまいます。
アルカリ性の洗剤や、油汚れ専用のクリーナーを使って壁をきれいに拭き上げ、その後水拭きと乾燥をしっかり行いましょう。
また、貼った後のメンテナンス性も考慮すべきです。
油汚れは時間が経つと落ちにくくなるため、日頃からこまめに拭き掃除ができるように、表面に凹凸が少なく、拭き取りやすい素材のシートがキッチンには向いています。
防火認定(不燃・準不燃)について
少し専門的な話になりますが、建築基準法では、キッチンのコンロ周りの壁には「不燃」または「準不燃」の防火認定を受けた材料を使用することが定められています。
100円ショップで販売されている多くのリメイクシートは、この防火認定を取得していません。
そのため、厳密に言えば、法律の要件を満たしていない可能性があります。
手軽なDIYとして楽しむ分には自己責任の範囲となりますが、万が一の火災のリスクや、集合住宅での規約などを考慮すると、コンロに極めて近い壁への施工は慎重に判断する必要があります。
安全性を最優先するならば、コンロから離れた部分のアクセントとして楽しむか、防火認定のある専用のキッチンパネルなどを検討するのが最も賢明な選択と言えるでしょう。
賃貸の原状回復で失敗しないための注意点
賃貸物件でのDIYにおいて、「原状回復」は避けては通れないテーマです。
退去時に高額な修繕費用を請求されるといったトラブルを避けるために、作業前から細心の注意を払う必要があります。
壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムで行うことは、比較的リスクの少ないDIYではありますが、それでも押さえておくべきポイントがいくつかあります。
元の壁紙の素材を確認する
リメイクシートを貼る前に、まず自宅の壁紙がどのような素材でできているかを確認することが重要です。
日本の住宅で最も一般的に使われているのは「ビニールクロス」です。
ビニールクロスは表面がツルツルしており、比較的リメイクシートを剥がしやすい素材です。
しかし、注意が必要なのは「紙壁紙」や「織物壁紙(布クロス)」、「珪藻土壁紙」などのデリケートな素材の場合です。
これらの壁紙は表面が剥がれやすかったり、粘着剤が染み込んでしまったりする可能性が高く、リメイクシートを剥がす際に元の壁紙まで一緒に剥がしてしまうリスクがあります。
もし自宅の壁紙がビニールクロス以外だと思われる場合は、リメイクシートを直接貼ることは避けた方が無難です。
どうしても貼りたい場合は、後述するベニヤ板などを使った方法を検討しましょう。
長期間の貼り付けは避ける
「剥がせる」と謳われているリメイクシートでも、長期間貼りっぱなしにしていると、粘着剤が壁紙に固着してしまうことがあります。
特に、日光が当たる場所や、湿度の変化が激しい場所では、粘着剤が劣化しやすく、剥がした際に跡が残りやすくなる傾向があります。
賃貸物件でリメイクシートを楽しむ場合は、あくまで一時的な模様替えと割り切り、1〜2年を目安に貼り替えるか、退去時を見越して剥がすことを念頭に置いておくと良いでしょう。
粘着剤の劣化が進む前に剥がすことが、きれいな原状回復につながります。
直接貼らないという選択肢
元の壁紙を傷つけるリスクを完全にゼロにしたい、という場合に有効なのが、壁に直接リメイクシートを貼らないという方法です。
例えば、ホームセンターで薄いベニヤ板やプラスチックダンボール(プラダン)を購入し、そちらにリメイクシートを貼ります。
そして、その板を、壁に傷をつけずに設置できる「ディアウォール」や「ラブリコ」といった突っ張り式の柱を使って固定すれば、元の壁には一切触れることなく、壁の見た目を完全に変えることができます。
初期費用は100均アイテムだけの場合よりもかかりますが、退去時のリスクを考えれば非常に有効な投資と言えます。
この方法なら、壁紙の素材を気にすることなく、どんな賃貸物件でも安心して壁のDIYを楽しめるでしょう。
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結局費用はいくら?100均DIYの総額目安
「100均でDIY」と聞くと、非常に安く済むイメージがありますが、実際に一部屋の壁を張り替えようとすると、一体総額でどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
あらかじめ大まかな予算感を把握しておくことで、計画的に作業を進めることができます。
ここでは、一般的な広さの壁を対象とした場合の、費用の目安をシミュレーションしてみましょう。
費用計算のシミュレーション
例として、一般的な6畳間の壁一面(高さ2.4m × 幅3.6m程度)を張り替えるケースを考えてみます。
- 壁の面積計算:2.4m × 3.6m = 8.64平方メートル
- 必要なリメイクシートの計算:100均のリメイクシートは商品によってサイズが異なりますが、仮に「45cm × 90cm」のサイズ(面積0.405平方メートル)だとします。 計算:8.64 ÷ 0.405 = 21.33... 予備や柄合わせのロスを考慮すると、最低でも23〜25枚程度は必要になると考えられます。
- リメイクシート代:25枚 × 110円(税込) = 2,750円
- 道具代:スキージー、カッターナイフ、定規、メジャーなどを100円ショップで揃えると、約4〜5点。 5点 × 110円(税込) = 550円
- 総額目安:2,750円 + 550円 = 3,300円
このシミュレーションから、6畳間の壁一面であれば、おおよそ3,000円から4,000円程度の予算で張り替えが可能ということが分かります。
もちろん、これはあくまで一例であり、選ぶリメイクシートのサイズや、貼る壁の面積によって金額は変動します。
プロに頼んだ場合との比較
参考までに、同じ面積の壁紙張り替えをプロの業者に依頼した場合の費用も見てみましょう。
業者に依頼する場合、料金は「材料費(壁紙代)」+「施工費」+「諸経費(廃材処理費など)」で構成されます。
安価な量産品の壁紙を使ったとしても、施工費などを含めると、同じ面積で最低でも20,000円〜30,000円程度はかかるのが一般的です。
高品質なデザイン壁紙を選べば、費用はさらに上がります。
この比較からも、壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムで行うことが、いかにコストパフォーマンスに優れているかがお分かりいただけるでしょう。
数千円で部屋のイメージを大きく変えられるのは、DIYならではの大きな魅力です。
費用を抑えるためのポイント
さらに費用を抑えたい場合は、家にあるものを活用するのも一つの手です。
例えば、スキージーの代わりに使わなくなったプラスチック製のカードを、カッターやメジャーは家庭用の工具箱に入っているものを使うなど、工夫次第で道具代を節約できます。
また、壁全面に貼るのではなく、腰壁(床から腰の高さまで)だけ、あるいは一面だけのアクセントウォールにするという方法も、少ない材料でおしゃれな空間を演出できるため、コストを抑えるのに有効なテクニックです。
まとめ:壁紙の張り替えを自分で 100均で賢く楽しむ
ここまで、壁紙の張り替えを自分で 100均のアイテムを活用して行うための様々な情報について解説してきました。
手軽に、そして安価にお部屋のイメージチェンジが実現できる100均DIYは、非常に魅力的です。
リメイクシートの種類は豊富で、木目調やレンガ調、おしゃれな柄物まで、自分の好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。
成功の鍵は、事前の準備をしっかりと行い、正しい手順で丁寧に作業を進めることです。
必要なものをリストアップして揃え、壁の下地処理をきちんと行うこと。
そして、空気が入らないようにスキージーで丁寧に圧着し、つなぎ目や角の処理を工夫すること。
これらの基本的なポイントを押さえるだけで、初心者の方でも見違えるような仕上がりを実現できるはずです。
一方で、100均アイテムならではのデメリット、例えば耐久性やシート幅の狭さなども理解しておく必要があります。
特に、賃貸住宅での施工や、キッチンなどの特殊な環境下では、原状回復や安全性への配慮が不可欠です。
マスキングテープでの養生や、耐熱性のあるシートの選択など、場所に応じた適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぎながら安心してDIYを楽しめます。
かかる費用はプロに依頼するのに比べて格段に安く、数千円の投資で大きな満足感を得られるのが、この方法の最大のメリットと言えるでしょう。
この記事で紹介した知識とコツを参考に、ぜひあなたも壁紙の張り替えに挑戦して、自分だけのオリジナルな空間作りを楽しんでみてください。
記事のまとめ
- 壁紙の張り替えを自分で 100均で行うのは費用対効果が高い
- 必要なものはリメイクシートやスキージーなど100均で揃う
- 事前の準備として壁の掃除と採寸が重要
- リメイクシートは部屋のコンセプトに合わせて選ぶとおしゃれになる
- 貼り方の基本は上から下へ空気を抜きながら進めること
- 柄合わせや角の処理を丁寧に行うのがきれいに仕上げるコツ
- 100均アイテムには耐久性が低いなどのデメリットもある
- 賃貸の場合は「剥がせる」タイプを選び養生貼りをすると安心
- 原状回復のためには長期間の貼り付けを避けるのが賢明
- トイレは狭いがDIYで印象が変わりやすい場所
- トイレ施工時は型紙を作ると複雑な形もきれいに切れる
- キッチンでは耐熱性のある専用シートを選ぶことが必須
- コンロ周りの油汚れは徹底的に落としてから貼る
- 費用は6畳間の壁一面で3,000円〜4,000円が目安
- 最終的に壁紙の張り替えを自分で 100均で楽しむには知識と工夫が大切