夢の一軒家をできるだけ安くお得に建てるための情報を公開しています。

失敗しないための夢のマイホーム備忘録

【知らないと損】積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス費用を安くする秘訣

※画像はイメージです

積水ハウスの象徴ともいえる重厚で美しい外壁、ダインコンクリート。

その優れたデザイン性と耐久性から多くのオーナーに選ばれていますが、一方で「将来のメンテナンスに一体いくらかかるのだろう」という不安をお持ちの方も少なくないでしょう。

特に、積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用については、インターネット上で様々な情報が飛び交い、一体何を信じれば良いのか分からなくなってしまうこともあります。

この記事では、積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスに関するあらゆる疑問にお答えします。

具体的な費用相場はもちろん、適切なメンテナンス時期の見極め方、見逃してはならない劣化症状、そして重要な塗装やシーリング工事の詳細まで、専門的な視点から分かりやすく解説を進めます。

また、意外と見落としがちな足場代の内訳や、メーカー保証と専門業者による保証の違い、さらには信頼できる業者選びの秘訣に至るまで、オーナー様が知りたい情報を網羅しました。

「メンテナンスフリーと聞いたけれど本当?」「30年保証とは具体的にどんな内容?」といった疑問にもしっかりとお答えし、長期的な視点で大切な住まいを守るための知識を提供します。

 

この記事でわかること、ポイント

  • ダインコンクリートの具体的な劣化症状
  • メンテナンスフリーではない本当の理由
  • 30年を目安とした適切なメンテナンス時期
  • 塗装やシーリングなど主な工事内容の詳細
  • メンテナンスにかかる費用の内訳と相場
  • 信頼できるメンテナンス業者の選び方
  • メーカー保証と一般業者の保証内容の違い

 

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用と時期の目安

ポイント

  • 見逃せない外壁の劣化症状とは
  • メンテナンスフリーという誤解
  • 適切なメンテナンスの時期は30年が目安
  • 主な工事内容と流れについて

見逃せない外壁の劣化症状とは

積水ハウスが誇るダインコンクリートは、その堅牢性と高いデザイン性で知られていますが、永久に何もしなくて良いというわけではありません。

時間の経過と共に、自然環境の影響を受けて少しずつ劣化が進行します。

大切な住まいを長持ちさせるためには、その初期サインを見逃さず、適切な時期にメンテナンスを行うことが不可欠です。

ここでは、オーナー様自身でもチェックできる、代表的な劣化症状について詳しく解説します。

チョーキング現象(白亜化現象)

外壁を手でそっと触ったときに、白い粉のようなものが付着する現象を「チョーキング」と呼びます。

これは、塗料の表面にある樹脂が紫外線や雨風によって分解され、顔料が粉状になって現れるものです。

チョーキングは、塗膜が劣化し、防水機能が低下し始めている最初のサインです。

この状態を放置すると、外壁材自体が水分を吸収しやすくなり、さらなる劣化を招く原因となります。

特に日当たりの良い南面や西面で発生しやすい傾向にあります。

ひび割れ(クラック)

外壁表面に発生するひび割れは、建物の美観を損なうだけでなく、構造上の問題を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

ひび割れには、塗膜のみに発生する「ヘアクラック」と、外壁材自体にまで達する「構造クラック」の2種類が存在します。

幅0.3mm以下のヘアクラックであれば、すぐに雨漏りに繋がる危険性は低いですが、塗膜の防水性が切れ始めている証拠です。

一方で、幅0.3mm以上の構造クラックは、その隙間から雨水が浸入し、内部の鉄筋を錆びさせたり、断熱材を劣化させたりする危険性が高まります。

地震の揺れや建物の動きによって発生することもあり、発見した場合は専門家による診断をお勧めします。

シーリング(コーキング)の劣化

ダインコンクリートのパネルとパネルの継ぎ目(目地)や、窓サッシ周りには、防水性と気密性を保つためにシーリング材が充填されています。

このシーリング材は、ゴムのような弾力性を持っていますが、紫外線や温度変化に弱く、5年から10年ほどで劣化が始まります。

具体的な劣化症状としては、「ひび割れ」「肉やせ(細くなる)」「硬化」「剥離」などが挙げられます。

シーリングが劣化すると、その隙間から雨水が壁の内部に侵入する最大の原因となります。

塗装メンテナンスの際には、このシーリングの「打ち替え」または「増し打ち」工事が必須となります。

カビや藻、苔の発生

北面や日当たりの悪い場所、湿気が溜まりやすい場所では、外壁の表面に緑色や黒色のカビ・藻・苔が発生することがあります。

これらは美観を損なうだけでなく、塗膜の劣化を促進させる要因にもなります。

カビや藻は根を張るように繁殖し、塗膜の内部にまで侵食して防水性を低下させます。

また、常に湿った状態を保つことになるため、外壁材そのものの耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

高圧洗浄で一時的に除去することは可能ですが、根本的な解決にはなりません。

これらの症状は、いずれも「メンテナンスの時期が近づいている」という住まいからの重要なメッセージです。

定期的にご自身の目で外壁の状態を確認し、これらのサインを見つけたら、専門の業者に相談することを検討しましょう。

 

メンテナンスフリーという誤解

積水ハウスのダインコンクリートを検討する際や、オーナー様の間でよく聞かれるのが「ダインコンクリートはメンテナンスフリー」という言葉です。

確かに、ダインコンクリートは一般的な外壁材と比較して非常に高い耐久性を誇ります。

しかし、この「メンテナンスフリー」という言葉を「生涯にわたって一切のメンテナンスが不要」と解釈するのは、残念ながら誤解です。

ここでは、なぜメンテナンスフリーと言われるのか、そしてその言葉の本当の意味について深掘りしていきます。

「メンテナンスフリー」の本当の意味

メーカーがうたう「メンテナンスフリー」とは、正確には「メンテナンスの頻度が少なく済む」あるいは「長期にわたって美観や性能を維持しやすい」という意味合いで使われることがほとんどです。

ダインコンクリート自体は、工場で生産される高品質なプレキャストコンクリートであり、素材そのものは非常に長寿命です。

問題となるのは、その表面を保護している「塗装」と、パネルの継ぎ目を埋めている「シーリング」です。

これらは、紫外線、雨、熱などの過酷な自然環境に常に晒されているため、永久に性能を維持することは物理的に不可能です。

つまり、ダインコンクリートの家で必要となるメンテナンスは、コンクリート自体を交換するのではなく、経年劣化した塗装とシーリングを新しくやり直す作業を指します。

塗装の役割と寿命

ダインコンクリートの表面には、意匠性を高めると同時に、コンクリートを風雨や紫外線から保護するための塗装が施されています。

特に積水ハウスでは「タフクリア-30」といった高耐久な防汚塗装を採用している場合があり、これが「30年間メンテナンスの頻度が少なくて済む」と言われる大きな理由です。

この塗装は、汚れが付着しにくく、色褪せにも強いという優れた性能を持っています。

しかし、この高性能な塗装であっても、永遠ではありません。

立地条件や環境(日当たり、交通量、塩害など)によって劣化のスピードは変わりますが、いずれは防水性能が低下し、再塗装が必要になる時期が訪れます。

シーリングの寿命

前述の通り、外壁で最も早く劣化が進む箇所の一つがシーリングです。

シーリング材の寿命は、一般的に10年~15年程度とされています。

たとえ外壁の塗装が30年持つとしても、シーリングが先に劣化してしまえば、そこから雨水が浸入し、建物の構造にダメージを与えかねません。

そのため、塗装の時期を待たずにシーリングだけの補修(打ち替え)が必要になるケースも考えられます。

積水ハウスでは高耐久なシーリング材を使用している場合もありますが、それでも他の部分よりは寿命が短いという事実は変わりません。

結論として、ダインコンクリートは「メンテナンスの回数を大幅に減らすことができる、非常に優れた外壁材」であることは間違いありません。

しかし、「全く何もしなくて良い魔法の壁」ではないのです。

この点を正しく理解し、適切な時期に必要なメンテナンスを行うことが、積水ハウスの美しい住まいを末永く守るための鍵となります。

積水ハウスのダインコンクリート

 

適切なメンテナンスの時期は30年が目安

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを考える上で、最も重要な指標となるのが「30年」という期間です。

これは、積水ハウスが提供する長期保証プログラムや、採用されている高耐久塗装「タフクリア-30」に由来するもので、多くのオーナー様がこの時期を一つの大きな節目として意識されています。

しかし、全ての家が画一的に30年でメンテナンスをすれば良いというわけではありません。

ここでは、なぜ30年が目安とされるのか、そして実際のメンテナンス時期を判断するためのポイントについて詳しく解説します。

「タフクリア-30」と30年保証の存在

30年という期間がクローズアップされる最大の理由は、積水ハウスが採用する高耐久防汚塗装「タフクリア-30」の存在です。

この塗料は、その名の通り、約30年間の耐候性を期待して開発されており、従来の塗装が10年~15年で塗り替えが必要だったのに比べ、メンテナンスサイクルを飛躍的に伸ばすことに成功しました。

また、積水ハウスの「初期30年保証」もこの目安を裏付けています。

これは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、新築時から30年間保証するというものです。

ただし、この保証を維持するためには、メーカーが指定する10年目、20年目の無償点検を受け、必要と判断された補修(無償)を行うことが条件となります。

この保証プログラムがあるからこそ、30年目に大規模なメンテナンスを行うという計画が立てやすくなっているのです。

環境による劣化速度の違い

30年という数字はあくまで一つの目安です。

建物の劣化速度は、その家が置かれている環境によって大きく左右されます。

  • 日当たり: 紫外線は塗膜を劣化させる最大の要因です。南面や西面など、日差しが強く当たる面は劣化が早く進む傾向にあります。
  • 雨量や湿度: 雨量が多い地域や、湿気がこもりやすい場所では、カビや苔が発生しやすくなります。
  • 塩害: 海に近い地域では、潮風に含まれる塩分が外壁や金属部分の錆を誘発し、劣化を早めます。
  • 交通量: 大通りに面しているなど、交通量が多い場所では、排気ガスなどの汚れが付着しやすくなります。

これらの要因により、目安とされる30年よりも早くメンテナンスが必要になるケースも十分に考えられます。

逆に、環境に恵まれた場所であれば、30年を過ぎても良好な状態を保っていることもあります。

15年~20年での点検の重要性

前述の通り、シーリング材の寿命は塗装よりも短いのが一般的です。

そのため、塗装がまだ問題ないように見えても、15年から20年を経過したあたりで、一度専門家による詳細な点検を受けることを強くお勧めします。

この段階でシーリングの劣化などを発見し、部分的な補修を行っておくことで、大規模な修繕に至るのを防ぎ、結果的に総メンテナンスコストを抑えることにも繋がります。

積水ハウスの定期点検とは別に、信頼できる地元の塗装業者などに診断を依頼してみるのも良いでしょう。

最終的に、メンテナンスの最適な時期は「年数」だけで決めるのではなく、「建物の状態」を見て判断することが最も重要です。

30年という目安を念頭に置きつつ、15年を過ぎたあたりからご自身の目で建物の状態をチェックし、劣化のサインを見つけたら早めに専門家に相談するという姿勢が、賢明なメンテナンス計画の第一歩と言えるでしょう。

 

主な工事内容と流れについて

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを行うと決めた場合、具体的にどのような工事が行われるのでしょうか。

外壁メンテナンスは、単に色を塗り替えるだけの単純な作業ではありません。

建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するための重要な工程がいくつも含まれています。

ここでは、一般的な外壁塗装メンテナンスにおける主な工事内容と、契約から工事完了までの基本的な流れを解説します。

メンテナンス工事の主な内容

外壁メンテナンスは、主に以下の4つの工事から構成されます。

これらは通常、一連の工事としてまとめて行われます。

  • 足場仮設工事:安全かつ高品質な作業を行うために、建物の周りに足場を組み立てます。飛散防止ネットで覆い、塗料や洗浄水が近隣に飛び散るのを防ぎます。
  • 高圧洗浄工事:専用の高圧洗浄機を使って、外壁に付着した長年の汚れ、カビ、苔、古い塗膜などを徹底的に洗い流します。この作業を丁寧に行うことで、新しい塗料の密着性が格段に向上します。
  • シーリング工事:劣化した古いシーリング材を撤去し、新しい高耐久のシーリング材を充填する「打ち替え」工事が基本です。窓周りなど、場合によっては既存の上に重ねる「増し打ち」も行われます。
  • 外壁塗装工事:塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。下塗りは外壁材と新しい塗料を密着させる接着剤の役割、中塗りと上塗りは塗料本来の性能(防水性、耐候性)を発揮させ、美しい仕上がりを実現するために行われます。

このほか、必要に応じて雨樋や破風板、軒天などの「付帯部」と呼ばれる部分の塗装も同時に行われます。

工事の基本的な流れ

業者に相談してから工事が完了するまでの流れは、概ね以下のようになります。

期間は天候にもよりますが、30坪~40坪程度の一戸建てで、2週間から3週間程度が一般的です。

  1. 業者への相談・問い合わせ:電話やウェブサイトから、現状の悩みや点検の依頼をします。
  2. 現地調査・診断:専門の診断士が実際に建物を訪れ、外壁や屋根の状態を詳細に調査します。ひび割れの箇所やシーリングの劣化具合などを細かくチェックします。
  3. 見積書の提出・プランの提案:診断結果を基に、どのような工事が必要か、どのような塗料を使うかといった具体的なプランと、詳細な見積書が提出されます。
  4. 契約:工事内容、金額、工期、保証内容などに納得できたら、正式に工事請負契約を締結します。
  5. 色や仕様の打ち合わせ:外壁の色や塗料の種類など、最終的な仕様を決定します。カラーシミュレーションなどを使って、完成後のイメージを確認することも重要です。
  6. 近隣へのご挨拶:工事開始前に、業者が近隣の住宅を訪問し、工事期間や内容について説明を行い、理解を得ます。
  7. 工事開始(足場設置~高圧洗浄~塗装~完了):上記の工事内容に沿って、専門の職人が作業を進めます。
  8. 完了検査:工事が完了したら、業者の責任者と施主が一緒に、塗り残しや不具合がないか最終チェックを行います。
  9. 足場解体・清掃:検査で問題がなければ足場を解体し、周辺を清掃して工事は完了です。
  10. 引き渡し・保証書の発行:全ての工程が終了し、施主に引き渡されます。この際、工事内容に応じた保証書が発行されます。

この一連の流れを事前に把握しておくことで、安心して工事を任せることができ、業者とのコミュニケーションもスムーズになります。

特に、現地調査の丁寧さや見積書の分かりやすさは、その業者の信頼性を測る上で重要なポイントとなります。

 

 

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用を抑える方法

ポイント

  • 費用の内訳と具体的な塗装相場
  • シーリング打ち替え工事の必要性
  • 意外と高額な足場代を把握する
  • 信頼できる業者選びのポイント
  • 純正と他社施工の保証の違い
  • 総括|積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用計画

費用の内訳と具体的な塗装相場

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを検討する上で、誰もが最も気になるのが「費用」でしょう。

高耐久な外壁材であるため、そのメンテナンス費用も高額になるのではないかと心配されるのは当然のことです。

実際に、ダインコンクリートのメンテナンスにはある程度のまとまった費用が必要となりますが、その内訳を理解し、適正な相場を知ることで、不当に高い契約を防ぎ、賢く予算を立てることが可能になります。

メンテナンス費用の主な内訳

外壁メンテナンスの総額は、主に以下の4つの要素で構成されています。

見積書を確認する際は、これらの項目がきちんと分けて記載されているか、単価と数量が明確かを確認することが重要です。

「一式」という表記が多い見積書は、内容が不透明であるため注意が必要です。

項目 内容 費用割合(目安)
足場代 作業員の安全確保と作業品質向上のために設置する仮設足場。飛散防止ネットも含む。 約20%
塗料代 下塗り・中塗り・上塗りに使用する塗料の材料費。塗料のグレードによって価格が大きく変動する。 約20%
施工費(人件費) 高圧洗浄、シーリング工事、塗装作業などを行う職人の技術料や人件費。 約30%
その他経費 現場管理費、廃材処理費、業者の利益など。 約30%

ダインコンクリート塗装の費用相場

一般的な30坪~40坪(延床面積)の戸建て住宅の場合、積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス費用は、総額で120万円~250万円程度が相場と言われています。

この金額に幅があるのは、建物の形状、劣化の度合い、そして使用する塗料のグレードによって大きく変動するためです。

特に、積水ハウスリフォームなどのメーカー系に依頼する場合は、手厚い保証やブランドの安心感がある分、地元の専門業者に依頼するよりも高額になる傾向があります。

例えば、30年耐久をうたうような高性能な無機塗料やフッ素塗料を使用する場合、シリコン塗料を使用する場合に比べて塗料代だけで数十万円の差が出ることがあります。

しかし、長期的な視点で見れば、次のメンテナンスまでの期間を延ばせるため、トータルのコストパフォーマンスは高くなる可能性があります。

見積もりを取る際の注意点

適正な価格で質の高い工事を行うためには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が不可欠です。

その際、単に総額の安さだけで判断するのは危険です。

以下のポイントを比較検討しましょう。

  • 単価と数量:足場の面積(㎡)やシーリングの長さ(m)、塗装面積(㎡)などが実測に基づいて正確に記載されているか。
  • 塗料のメーカーと製品名:「シリコン塗料」といった大まかな表記ではなく、どのメーカーの何という製品を使うのかが明記されているか。3回塗りの各工程(下塗り・中塗り・上塗り)で違う塗料を使う場合は、それも記載されている必要があります。
  • 作業内容:高圧洗浄やケレン(下地処理)、養生など、どのような作業が含まれているかが明確か。
  • 保証内容:何年間、どのような不具合に対して保証してくれるのかを書面で確認する。

費用は非常に重要な要素ですが、安さだけを追求すると、手抜き工事や質の低い材料を使われるリスクも高まります。

価格と品質のバランスを見極め、納得のいく説明をしてくれる信頼できる業者を選ぶことが、最終的な満足に繋がります。

 

シーリング打ち替え工事の必要性

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを語る上で、塗装工事と同じか、それ以上に重要なのが「シーリング工事」です。

シーリング(コーキングとも呼ばれます)は、ダインコンクリートのパネル同士の隙間(目地)や、窓サッシと外壁の取り合い部分に充填されているゴム状の材料です。

一見地味な部分ですが、建物の防水性や耐久性を維持するために、極めて重要な役割を担っています。

シーリングの役割とは?

シーリングには、主に二つの大切な役割があります。

一つ目は「防水性」です。

外壁の継ぎ目から雨水が浸入するのを防ぐ、いわば建物の防水の最終ラインです。

もしシーリングが劣化して隙間ができてしまうと、そこから侵入した水が壁の内部を濡らし、断熱材の劣化や構造体の腐食、そして最終的には雨漏りを引き起こす原因となります。

二つ目は「緩衝材」としての役割です。

建物は、地震の揺れや温度変化による膨張・収縮、風圧などによって常にわずかに動いています。

硬いコンクリートパネル同士が直接ぶつかると、その動きを吸収できずにひび割れ(クラック)を起こしてしまいます。

弾力性のあるシーリング材が目地にあることで、そうした動きを吸収し、外壁材への負担を和らげているのです。

なぜ打ち替えが必要なのか?

この重要なシーリング材ですが、主成分が樹脂であるため、紫外線に非常に弱く、経年で必ず劣化します。

おおよそ10年~15年で、ひび割れ、硬化、肉やせといった症状が現れ始め、防水機能や伸縮性が失われていきます。

ダインコンクリート本体や、その表面塗装(タフクリア-30など)が30年の耐久性を持っていても、シーリングが先に寿命を迎えてしまうのです。

劣化したシーリングを放置することは、家の寿命を縮めることに直結します。

そのため、外壁塗装を行う際には、古いシーリングを全て撤去し、新しいものに交換する「打ち替え」工事が原則として必要不可欠となります。

「打ち替え」と「増し打ち」の違い

シーリングの補修方法には、「打ち替え」の他に「増し打ち」という方法があります。

増し打ちは、既存の劣化したシーリングの上から新しいシーリング材を重ねて充填する方法です。

撤去の手間がかからないため費用は安くなりますが、古い劣化したシーリングが下にあるため、新しいシーリングがしっかりと密着せず、早期に剥がれてしまうリスクが高まります。

窓サッシ周りのように、撤去が困難な一部の箇所を除き、ダインコンクリートの目地部分に関しては、基本的に「打ち替え」を選択するべきです。

業者からの見積もりで、目地部分が「増し打ち」になっていた場合は、その理由を詳しく確認する必要があります。

適切なシーリング工事を行うことは、塗装工事の効果を最大限に引き出し、住まいの防水性を長期にわたって確保するために極めて重要です。

費用を抑えたいからといって、この部分を軽視しないようにしましょう。

 

意外と高額な足場代を把握する

外壁のメンテナンス費用を考えるとき、多くの人は塗料の種類や価格に注目しがちです。

しかし、見積書を見て「意外と高いな」と感じる項目の一つが「足場代」ではないでしょうか。

足場代は、メンテナンス総額の約20%を占めることもあり、決して無視できないコストです。

なぜ足場が必要なのか、そしてその費用の相場はどのくらいなのかを理解しておくことは、適切な見積もりを判断する上で非常に重要です。

なぜ足場は必要なのか?

足場を設置する目的は、大きく分けて二つあります。

第一に「作業の安全性確保」です。

地上から数メートル、時には10メートル以上の高さになる外壁で、職人が安全に作業を行うためには、安定した足場が不可欠です。

脚立などで行う不安定な作業は、墜落事故のリスクを著しく高めます。

安全第一で工事を進めることは、施主にとっても当然の責務と言えるでしょう。

第二に「作業品質の確保」です。

安定した足場があることで、職人は両手を自由に使うことができ、作業に集中できます。

これにより、高圧洗浄の際の水の当て方、シーリングの充填、そして塗装の際のローラーや刷毛の運び方など、全ての工程で丁寧かつ均一な作業が可能になります。

結果として、塗りムラや塗り残しといった施工不良を防ぎ、塗料が持つ性能を最大限に引き出すことに繋がります。

また、足場の周りには「飛散防止ネット」を張ります。

これは、高圧洗浄の水しぶきや塗料が近隣の住宅や車に飛び散るのを防ぐためのもので、近隣トラブルを避けるためにも必須の設備です。

足場代の費用相場

足場代は、一般的に「足場仮設面積(㎡) × 平米単価」で計算されます。

平米単価の相場は、使用する足場の種類や地域によっても異なりますが、おおよそ700円~1,200円/㎡程度です。

足場仮設面積は、実際の家の外壁面積よりも大きくなります。

これは、建物の外周から50cm~1mほど外側に足場を設置するためです。

計算式は以下のようになります。

足場仮設面積 = (家の外周 + 約4m~8m) × 高さ

例えば、延床面積が35坪(約115㎡)の一般的な2階建て住宅の場合、足場仮設面積は約200㎡前後になることが多いです。

仮に平米単価を1,000円とすると、

200㎡ × 1,000円/㎡ = 200,000円

となり、足場代だけで約20万円かかる計算になります。

「足場代無料」キャンペーンの注意点

時々、「今なら足場代無料!」といったキャンペーンを謳う業者を見かけます。

しかし、前述の通り足場の設置には数十万円のコストがかかるため、それが本当に無料になることはあり得ません。

このような場合、無料になったはずの足場代が、塗料代や施工費などの他の項目に上乗せされているケースがほとんどです。

結果的に総額は変わらないか、かえって割高になっている可能性もあります。

見積書は総額だけでなく、各項目の単価や数量が適正であるかをしっかりと確認することが重要です。

足場は、安全で質の高いメンテナンスを行うための「必要経費」です。

その役割とコストを正しく理解し、見積もりの内容を吟味しましょう。

 

信頼できる業者選びのポイント

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを成功させるか否かは、どの業者に依頼するかにかかっていると言っても過言ではありません。

高額な費用をかけるのですから、技術力が高く、誠実な対応をしてくれる信頼できるパートナーを選びたいものです。

しかし、塗装業者は数多く存在し、どこに頼めば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。

ここでは、後悔しないための業者選びの重要なポイントをいくつかご紹介します。

積水ハウスの施工実績が豊富か

まず確認したいのが、積水ハウスの、特にダインコンクリートの施工実績が豊富にあるかどうかです。

ダインコンクリートは特殊な外壁材であり、その特性を熟知している必要があります。

例えば、独特の凹凸があるデザインに合わせた塗装の技術や、専用のシーリング材の知識などが求められます。

業者のウェブサイトで施工事例を確認したり、直接問い合わせて過去に手掛けた積水ハウスの物件の写真を見せてもらうなどして、実績を具体的に確認しましょう。

経験豊富な業者であれば、注意すべき点や最適な施工方法を的確に提案してくれるはずです。

自社施工管理であるか

業者には、実際に塗装工事を行う職人を自社で抱えている「自社施工」の会社と、契約だけを取り、実際の工事は下請け業者に丸投げする「営業専門」の会社があります。

下請けに流す場合、中間マージンが発生するため費用が割高になる傾向があるだけでなく、施工品質の管理が曖昧になったり、施主の要望が現場の職人に正確に伝わらなかったりするリスクがあります。

できる限り、診断から施工、アフターフォローまで一貫して自社で管理している業者を選ぶ方が、責任の所在が明確で安心です。

詳細で分かりやすい見積書を提出するか

見積書の質は、その業者の信頼性を測る重要なバロメーターです。

「外壁塗装工事 一式 〇〇円」といった大雑把な見積書を出す業者は論外です。

信頼できる業者は、以下のような項目が詳細に記載された、誰が見ても分かりやすい見積書を提出します。

  • 塗装面積:部位ごとに㎡単位で正確に記載されているか。
  • 塗料名:メーカー名、製品名、使用缶数まで明記されているか。
  • 工程:下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが明記されているか。
  • 単価と数量:各項目について、単価と数量が明確に分かれているか。

不明な点について質問した際に、曖昧な返事をせず、丁寧に根拠を持って説明してくれるかどうかも大切な判断基準です。

建設業許可や資格を保有しているか

建設業法では、500万円以上の塗装工事を請け負うには「建設業許可」が必要です。

この許可を得ている業者は、経営面や技術面で一定の基準をクリアしている証拠であり、信頼性の一つの指標となります。

また、「一級塗装技能士」といった国家資格を持つ職人が在籍しているかどうかも、技術力の高さを測る上で参考になります。

相見積もりで比較検討する

最後に、最も重要なのが、少なくとも3社程度の業者から見積もりを取り、比較検討することです。

これにより、ご自身の家のメンテナンス費用の適正な相場を把握できます。

ただし、単に価格の安さだけで決めるのではなく、提案内容、担当者の人柄、実績、保証内容などを総合的に比較し、最も信頼できると感じた業者に依頼することが、満足のいくメンテナンスに繋がります。

こちらもCHECK

積水ハウスのスマートキーに不満?評判と実際の使い勝手

※画像はイメージです 積水ハウスの住宅に採用されているスマートキーは、その便利さと防犯性から注目を集めています。 初めて使う方でも簡 ...

ハウスメーカー積水ハウスの特徴と口コミ!価格や評判を徹底解説

積水ハウスは、日本を代表するハウスメーカーの一つです。 耐震性や断熱性能に優れた住宅を提供しており、多くの施主に選ばれています。 一 ...

住宅メーカーのキャッチコピーから見る各社の特徴と選び方のコツ

住宅メーカーのキャッチコピーは、家を建てることを検討している人々に強い印象を与え、その選択に大きな影響を及ぼします。 キャッチコピー ...

 

純正と他社施工の保証の違い

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスを行う際、依頼先として大きく分けて「積水ハウスリフォーム(メーカー系)」と「一般の塗装専門業者(他社)」の2つの選択肢があります。

どちらを選ぶかによって、費用だけでなく、工事後の「保証」の内容が大きく変わってきます。

保証は、万が一の不具合が発生した際に無償で修理してもらえる大切な約束事です。

両者の保証の違いを正しく理解し、どちらが自分にとってメリットが大きいかを判断しましょう。

積水ハウスリフォーム(純正)の保証

積水ハウスリフォームにメンテナンスを依頼する最大のメリットは、その手厚く長期的な保証と、メーカーならではの絶対的な安心感でしょう。

特徴:

  • 長期保証:使用する塗料や工事内容にもよりますが、10年以上の長期保証が付くことが一般的です。
  • 建物の保証の継続:積水ハウスで建てた住宅の「構造耐力主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の長期保証を継続するためには、メーカーが指定する有料メンテナンスを受けることが条件となる場合があります。他社で施工した場合、この建物の保証が失効してしまうリスクがあるため、注意が必要です。
  • 純正材料と工法:ダインコンクリートの特性を最も理解しているメーカーが、最適な純正塗料と定められた工法で施工するため、品質に対する信頼性は非常に高いです。

デメリット:

一方で、デメリットは費用が高額になる点です。

ブランドの維持費や研究開発費、そして下請け業者への発注に伴う中間マージンなどが価格に上乗せされるため、一般の塗装業者に比べて2割~5割ほど高くなる傾向があります。

一般の塗装専門業者(他社)の保証

一般の塗装専門業者に依頼する最大のメリットは、費用の安さです。

メーカー系のような中間マージンが発生しないため、同等グレードの塗料を使っても、コストを大幅に抑えることが可能です。

特徴:

  • 工事保証(自社保証):多くの優良業者は、施工箇所に対して3年~10年程度の自社保証を発行しています。これは「塗膜の剥がれ」など、自社の施工が原因で発生した不具合に対して適用されます。
  • メーカー保証(製品保証):使用する塗料メーカーが発行する保証で、塗料自体の品質を保証するものです。ただし、施工不良が原因の場合は適用外となることが多く、自社保証とセットで考える必要があります。
  • コストパフォーマンス:適正価格で高品質な施工が期待できます。

デメリット:

最大の懸念点は、前述の通り、積水ハウスの建物自体の保証が一部失効する可能性があることです。

また、万が一その塗装業者が倒産してしまった場合、保証が受けられなくなるというリスクもゼロではありません。

だからこそ、経営が安定していて、長年の実績がある業者を選ぶことが重要になります。

どちらを選ぶべきか?

どちらの選択肢が正解ということはありません。

以下のように、ご自身の価値観に合わせて判断するのが良いでしょう。

  • 安心と保証を最優先するなら:費用は高くなるが、建物の保証も継続でき、間違いのない品質が期待できる「積水ハウスリフォーム」。
  • コストパフォーマンスを重視するなら:建物の保証失効リスクを理解した上で、信頼できる優良業者を自身で見つけ出し、適正価格で工事を行う「一般の塗装専門業者」。

一般業者に依頼する場合は、契約前に積水ハウスの保証内容を再度確認し、どこまでの保証が失効するのかを正確に把握しておくことをお勧めします。

 

総括|積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用計画

ここまで、積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンスについて、劣化症状から費用、業者選び、保証に至るまで、様々な角度から詳しく解説してきました。

重厚感と美しさを兼ね備えたダインコンクリートの住まいは、多くのオーナー様にとって誇りであり、大切な資産です。

その価値を長期にわたって維持するためには、計画的なメンテナンスが不可欠となります。

この記事の要点を改めて整理し、将来のメンテナンス計画を立てるための指針としましょう。

積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用は、決して安いものではありません。

30年という大きな節目に向けて、まとまった資金が必要になることを早い段階から認識し、計画的に準備を進めることが重要です。

「メンテナンスフリー」という言葉に安心しきってしまうのではなく、15年を過ぎたあたりからご自宅の外壁の状態にご自身で関心を持ち、劣化のサインを見逃さないようにしましょう。

そして、実際にメンテナンスを行う際には、複数の業者から話を聞き、見積もりを比較検討することが、費用を適正に保ち、質の高い工事を実現する上で最も確実な方法です。

費用、品質、保証のバランスを総合的に考え、ご自身の価値観に合った最適な選択をすることが、後悔のないメンテナンスに繋がります。

この記事が、あなたの積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用に関する不安を解消し、賢いメンテナンス計画を立てるための一助となれば幸いです。

 

記事のまとめ

  • ダインコンクリートは高耐久だがメンテナンスは必要
  • メンテナンスフリーは一切不要という意味ではない
  • 主な劣化症状はチョーキングやひび割れ
  • シーリングの劣化は雨漏りの原因になる
  • メンテナンスの目安は築30年前後
  • ただし立地環境により劣化速度は変わる
  • 15年から20年での専門家による点検が推奨される
  • 工事は足場設置から高圧洗浄、塗装が基本
  • 費用相場は30坪~40坪で120万円から250万円
  • 費用の内訳は足場代、塗料代、施工費が主
  • シーリング打ち替えは塗装と同等に重要
  • 「足場代無料」キャンペーンには注意が必要
  • 業者選びは積水ハウスの施工実績が豊富な会社を選ぶ
  • 相見積もりで最低3社は比較検討するべき
  • 積水ハウスのダインコンクリートのメンテナンス 費用は計画的な準備が大切